状態異常無効化アクセサリー
シャルロッテ様が帰られてから、またユリウス様が来店した。
「カノン様。シャルロッテ様の事でお聞きしたい事がありまして……」
「はい。ちょっと待ってくださいね。ちょうどお客様もいらっしゃらないので、一度閉めちゃいますね」
「すみません。ありがとうございます」
お店を一度閉めてからユリウス様とテーブル席で話をする事にする。ヴァイスも私の肩に止まって話を出来るようにしている。
「それで、シャルロッテ様の呪いとは?」
「呪いの内容までは私には分かりませんでした。ですが、王宮を抜け出してからここの前で倒れるまでの
間という事は確実だと思います」
「それはなぜでしょうか?」
「えっと、申し訳ないのですが、ぐったりと倒れていたので鑑定をさせて頂きました。その時に呪いと熱中症と書いてあったんです。それで、まずは熱中症からと思い、かき氷に回復シロップを掛けて食べて貰ったんです」
「カノン様。回復シロップとは一体?」
「以前回復キャンディーを作ろうとして、お水が多くて失敗して回復シロップが出来てしまったんですよね。それならかき氷に掛けても美味しく食べられると思ってそれにしました」
「なるほど。それで呪いが以前からとは思わなかったのですか?」
「呪いを良く鑑定してみたら、さっき掛けられた物って書かれていたので、多分その時だろうと思っただけです」
『うむ。我が診てもそうだったぞ』
「そうなのですね、ありがとうございます。どうして分かったのか不思議だったのです」
「シャルロッテ様の事なので、その確認は必要な物だと思うので大丈夫ですよ」
ユリウス様達は騎士さん達に路地を色々調べて貰った所、1か所シャルロッテ様の物と思われる物が落ちていた事から、そこが現場なのだろうという事を教えてくれた。
『ふむ。現場が分かるのなら、行くぞ!』
「えっ!?」
「ヴァイス様?」
『行ってみれば魔法の痕跡など残っているであろう』
「なるほど。よし、行ってみよう! ユリウス様、お願いします」
「はっ!」
アルちゃんに外のレオナ達をお願いして、私はヴァイスを肩に乗せてユリウス様について行く。少し歩いた所で路地に入ると、ユリウス様が立ち止まった。
「こちらです」
『む? これは!』
「ヴァイス、分かったの?」
『うむ。これは、魔族だな』
「魔族? そんなのいるの?」
『うむ、いるぞ』
「カノン様、ヴァイス様はなんと?」
そういえば、お外だとヴァイスの声は私しか聞こえないのだった。とりあえず、急いでお店に戻ろう。お店に戻りまたテーブルに座って詳しく話を聞く事にする。
「ヴァイス様。それで、どうだったのでしょうか? 先程、魔族とカノン様が仰っていましたが?」
『うむ。あれは魔族の仕業だ。残っていた魔力と呪いの魔術を使ったのが分かったぞ』
「ありがとうございますっ!」
「呪いを無効化するようなアクセサリーはないんですか?」
「それは聞いたことないですね」
『それはカノンの仕事であろう?』
「確かに」
「カノン様。作れるんですか?」
「まだ作った事がないので分かりません。少し考えてみますね」
「今回のように呪いや魅了などを受けたら大変なので、ぜひよろしくお願い致します!」
ユリウス様は原因が分かった事で少しホッとした顔になったけれど、魔族が呪いを掛けた事でこの先の警戒に頭を痛めていた。少し話をしてから報告の為に帰って行った。
「ヴァイスは魔族が近くに来たら分かるの?」
『ああ、問題ない。何かあっても我がいるから大丈夫だ』
「うん、ありがとう。お願いします」
「きゅきゅーっ!」
「ふふっ。アルちゃんもお願いね」
「きゅっ!!」
アルちゃんも守ってくれるみたいだ。2人とも頼もしいね。
そろそろお店を再開して呪いなどを無効化出来るアクセサリーを考えよう。呪いはやっぱり黒の魔石なのかな? そうなると、白の魔石かなぁ。
『カノン、どうした?』
「ん? 無効化が出来るアクセサリーに使う魔石は何かなと思って考えてたんだ。呪いは黒の魔石っぽいから、解呪するとか無効化にはやっぱり白の魔石なのかなって思っていたんだ」
『なるほどな。多分そうであろうな』
「やっぱりそうだよね。やってみないと分からないけれど、まずは白の魔石で作ってみようかな」
『そうだな。足りなければ足していけば良いと思うぞ』
「そうだね!」
夜になりヴァイスとアルちゃんと錬金部屋に行くと、まずはミスリルを錬金釜に入れる。でも、どんな形にしようかな。
「無効化のアクセサリーは身に着けられないと困るよね?」
『そうだな。魔石に触っていないと発動しないからな』
「そうだよね~。うーん、イヤーカフ? それとも服の下に出来るネックレスかリングかなぁ」
『どちらも作ってみたらどうだ?』
「あっ、そうだよね。色々な種類を作って選んで貰えばいいんだね!」
錬金釜の蓋を閉めて魔力を流してイヤーカフとネックレスを作る。まずは作りやすいネックレスから作ろう。白の魔石(大)を貼り付けて錬金釜に入れよう。
「む? 状態異常無効化でも良いのでは?」
『ふむ。難易度が上がっている気がするが、良いのではないか?』
「王族だったら毒にも警戒しないとだろうしね。かき氷食べさせた私が言うのもなんだけど……」
『食べたいと言ったのは向こうだから仕方なかろう』
「確かに!」
状態異常無効化を念じながら魔力を流していくと、蓋の上に×マークが出た。白の魔石だけではダメみたいだ。もう一度挑戦しよう。白の魔石(大)、黒の魔石(大)を貼り付けて錬金釜に入れてみた。
「きゅきゅーっ!」
「わっ!」
アルちゃんが自分の浸かっているお湯をパシャっと錬金釜に入れた。
『アル。もしかしてそれが必要なのか?』
「きゅっ!」
「わぁ、アルちゃん! 凄いね~!」
アルちゃんのお湯を入れたまま錬金釜の蓋を閉めて魔力を流す。チーン! と音がなり出来上がりを知らせてくれたら、蓋を開けて鑑定してみよう。
鑑定してみると、状態異常無効化ネックレスと書いてある。
「うわぁ、アルちゃん。本当に凄いよっ!!」
「きゅぅ~」
『さすがはアルだな』
「でも、アルちゃんは良く分かったね~。お蔭で良いのが作れそうだよ、ありがとうね!」
「きゅきゅ~」
次はイヤーカフを錬金釜に入れたら、ぽふん! と状態異常無効化イヤーカフが出来た。
『5つ省略出来ると凄いな』
「確かに。私もちょっと忘れててびっくりした」
「きゅっ!」
王室の方々が何人いるか分からないので、多めに作っておこう。これならすぐに出来るしね。ネックレス、イヤーカフ、リング、ブレスレットなど色々な種類を作ってみた。
ミスリルで形を作る時にはデザインを考えて作るけれど、その後は錬金釜に入れたら状態異常無効化のアクセサリーが出来ちゃうから、とっても簡単に沢山作れた。
「明日は王城に届けに行って来よう。ユリウス様にお渡ししておけば良いよね~」
『そうだな』
「きゅきゅ~」
お湯が少なくなったアルちゃんがペシペシとお湯を叩く。お湯と栄養剤を足してあげると、気持ちよさそうな声が出た。
「きゅぅ~」
「ふふっ。アルちゃん、今日はありがとうね。また何か分かった時には教えてね」
「きゅっ!」
無事に状態異常無効化のアクセサリーが出来てホッとしたね。そのうち私用にも何か作って付けておこうかな。ダンジョンとか行った時に助かりそうだよね。
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明日は王城へお届けに行きます。
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