移動ボードの完成!
今日も屋台とお店をしていると、騎士団総長のユリウス様と第1騎士団団長のテオドール様が来た。まだ納品には早い気がするけれど、どうしたんだろう?
「ヴァイス様、カノン様。今日は少しお願いがあって参りました」
「は、はい」
『どうした?』
少しお店を閉めてから、テーブルに案内してお2人から話を聞く事にした。
「カノン様、ありがとうございます。この王都から南西にダンジョンが見つかりました」
「ダンジョンって新しく出来る事ってあるんですか?」
「ええ、まだどうやって作られるかは解明されていませんが、ダンジョンが出来る事は稀にあります。今回発見されたダンジョンが新しく出来た物か、前からあった物なのかは分かりません」
「そうなんですね」
「その場所を通る人がいないと見つけられないので、いつ頃からある物なのかはわからないんです。そのダンジョンに魔物が沢山居るのか、まだ出来たばかりで魔物も少ないのかは入ってみないと分からないんです」
「なるほど。確かに誰も気付かずに放置されていたら魔物が増えてそうですね」
『なるほどな。それで我に行って欲しいという事だな』
「大変申し訳ありませんが、今までダンジョンを2つ制覇してきたヴァイス様とカノン様にお願いしたいのです」
確かにヴァイスがいたら安全にダンジョンを見て来られるね。しかも、2つもダンジョンを制覇してきたのなら、私でも頼むわ。
それに世界最強のドラゴンであるヴァイスがいるのが分かっていたら頼みたいよね。
『カノン、どうする?』
「ん? えーっと、出来たら行きたいけど、ヴァイスはどう?」
『ふむ。カノンがそう言うなら行っても良いぞ』
「ふふっ、ありがとう。だってダンジョンだとまた新しい素材とかあるかもしれないよ!」
『確かにな。よし、行くか!』
ダンジョンは素材がたっぷり手に入るから楽しいのです。ヴァイスが良いならぜひお願いしたいです!
「「ヴァイス様、カノン様。ありがとうございます!」」
お2人はホッとした顔をしている。魔物が溢れてきたら危ないし、王都から意外と近いみたいだから、それは心配だったよね。
「今から行った方が良いですか?」
「いえ、カノン様の準備が出来てからで良いですが、なるべく早くお願い出来たらと思います」
「では、明日から2日お休みして行ってきますね」
「はい。お願い致します。では3日後にまたこちらへ伺いますね」
「はい、お願いします」
何階までのダンジョンかは分からないけど、2日あればきっと行けるだろう。準備は特にないけれど、今日はもう屋台を開いているし、孤児院に2日間お休みすることを伝えなくてはいけない。
今日はこのまま営業をして、明日からダンジョンへ行く予定だ。
夕方2人を送った時に明日明後日の食材も少し渡しておいた。最近は、屋台の収入と収穫した野菜でみんながお腹いっぱいに食べる事が出来ていると聞いてとても嬉しかった。
ヴァイスと一緒にお夕飯も食べ終わり、錬金部屋へ向かう。もちろんアルちゃんも一緒だ。
「今日中に移動する物が出来たら、ダンジョンに行く時に助かると思うんだよね。でも、さすがにダンジョンの中で足湯に浸かって移動するのは危ないから、何が良いかなぁ?」
『ふむ。椅子みたいに座れても良いとは思うが、フローデスベルナーみたいに立って使えても便利そうだな。我が上から攻撃すれば良いだろうからな。だが、ダンジョン内ではフローデスベルナーで良いと思うぞ』
「うん、そうなんだよね」
本当だったら、自転車とかバイク型、もしくは車型が動かしやすそうなのだけど、簡単に作るならスノボーみたいな板かなぁ。
スノーボードなら日本にいる時にやった事があるし、多少は走れるだろう。
木材を錬金釜に入れて蓋を閉めたら、良く形を思い浮かべて錬金する。出来上がったら錬金釜から出して魔石を貼り付けよう。
裏側には黒の魔石(大)、緑の魔石(大)を2個、白の魔石(大)を貼り付けよう。後は、風の膜を作って安全に移動する為に、表面にも緑の魔石(大)、白の魔石(大)を貼り付けよう。
さすがに大サイズを錬金道具と同じだけ貼り付けているので、魔力を流すのに1時間近くかかった。
チーン!
錬金釜の蓋を開けて鑑定してみると、移動ボードと書いてある。床に置いてちょっと乗ってみる。浮いてって念じると、ふわっと浮き上がった。
「わぁ、浮いたよっ!」
『今度はちゃんと高さもって危ないぞ!』
「えっ、いたっ!」
『カノンっ!』
天井に頭をぶつけて落ちた私をヴァイスは風魔法で受け止めてくれた。
「ヴァイス、ありがとう。まさか天井にぶつかるとは思わなかったよ」
『周りを見ないと危ないぞ!』
「はーい」
良く鑑定してみると、移動ボードは移動を始めると周りに風の膜を作る事で速く滑るように走る事が出来ると書いてある。
「よし、これがあれば明日の移動は簡単そうだね」
『そうだな。後は何を準備するのだ?』
「後は、食べ物もお水もあるから大丈夫かなぁ」
『それは大事だな!』
「大事だよね~」
今日はゆっくりお風呂に入ってのんびり休もう。明日はもしかしたらダンジョンの中かもしれないからね。
その後はヴァイスをむぎゅっと抱っこしたら、お風呂上りでぽかぽかのヴァイスの毛皮が眠気を誘う。いつ抱っこしてすりすりしても気持ちが良い。
次の日、朝ごはんを作る時にお昼ごはんのお弁当も作ろう。おにぎりに唐揚げ、卵焼きも必須だよね!
『カノン。今日はピクニックだったか?』
「えっ? そういえば、違ったね」
『まあ、我がいるから問題ないがな!』
「ふふっ、そうだよね。ヴァイスが一緒だから問題ないよね!」
ヴァイスと一緒に朝ごはんを食べたら出発しよう。アルちゃんはどうするか聞いてみよう。
「アルちゃんは一緒に行く?」
「きゅきゅー」
頭と手を横にふりふりして行かないと言っているみたいだ。
「あれ、行かないの?」
「きゅっ!」
「そっか。じゃあお留守番をお願いしていい?」
「きゅっ! きゅきゅーっ!!」
とっても張り切っているアルちゃんは、もともとお留守番をしてくれる予定だったのかもしれないね。任せて! とでも言っているみたいな動きだ。
「お留守番をしてくれるんだったんだ、ありがとうね」
「きゅ~」
ちょっとてれてれと照れているアルちゃんが可愛いっ、可愛すぎますっ! アルちゃんがお留守番をしてくれるので、安心して行って来よう。
でもその前に、アルちゃんのお湯と栄養剤を足してからにしよう。
「きゅぅ~」
「行ってくるね」
『アル、頼んだぞ』
「きゅっ!」
ヴァイスを肩に乗せて南門へ向かおう。ユリウス様は王都から南西にダンジョンが見つかったと言っていたので、南門を出たら南西に向かおう。
門に着いて門番さんに手続きをして貰ったら、少し離れてから移動ボードを出そう。ドキドキしながらボードに乗ると、まずはゆっくり浮かぶようにイメージをする。
イメージしたのと同じようにゆっくりと浮かんだ。少しずつ体重を移動しながら先に進むイメージをすると、どんどんスピードが速くなっていく。
「これは楽しいねっ!」
『良い感じに速くなってきたな。どこまで浮けるんだ?』
「上がる所まで行ってみよう!」
上に行くイメージをするとどんどん上に上がっていく。木の上くらいまで行くとそれ以上上がらなかったから、そこまでしか上がらないみたいだ。だけど、15メートルくらい上がっているから十分高い。ただここでも気を付けないと葉っぱに当たりそうになるから、気を付けて進もう。
「上に来ても全然風が来なくて安定してるね」
『そうだな。風の膜を作っているから安全だな』
「これは楽しいね~」
『そうだな。我が飛ぶのとまた違って、これはこれで良いな』
少し飛んでいると、ダンジョンの扉が見えた。相変わらず石造りの門は存在感が凄い。移動ボードから降りて早速ダンジョンに入ろう。
門の側にいる騎士さんに手続きをして貰い中に入る。
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明日はダンジョンに入ります。
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