屋台の準備をしよう
お店を開店させたら、今日はかき氷のシロップを作る予定だ。
ボウルに砂糖、水、ブドウを入れて、まずはブドウのシロップを作ろう。ボウルに錬金棒を入れてぐるぐる混ぜていると、ぽふん! と音がしてボウルの中にぶどうのシロップが出来上がった。
次はレモン、砂糖、水を入れて錬金棒を入れてぐるぐる混ぜるとぽふん! とレモンシロップが出来た。同じようにしてベリーシロップも出来た。
『カノン』
「分かってるよ~。味見したいんでしょう?」
さっきからヴァイスがじーっと物凄く見つめて来ていたんだよね。3種類出来たら全部出してあげようと思って頑張ってみないようにしていたんだよね。
「3種類一気に味見した方が、味の違いが良く分かるでしょう?」
『ふむ。だったら我を無視した事、許してやろう』
(無視したことになってる!? あ、危なかった……)
かき氷機を取り出して、小さいお皿に3個氷をさらさらと入れると、3種類の味見用のかき氷の完成!
「はい、どうぞ」
『小さくないか?』
「いやいや、味見だよね?」
『仕方ないな。ふむ、どれも旨いぞ!』
「良かった。味はこれで良さそうだね」
味はこの4種類で良いかな。シロップも多めに作って持って行ったら良いかな。後は氷が作れる魔道具を作らないとかな。
氷が作れたら、そのまま保存しておけるだろうし、かき氷機もシロップもある。後は器とスプーンかな。これは使い捨てじゃなくてクリーンして使いまわせるかな。
氷を作る魔道具は箱にしようかな。内側に青の魔石、外側に保冷の為の緑の魔石、安全の為の白の魔石で出来るかな。
シロップを掛ける為のレードルも作っておこう。
屋台を出したいけれど、許可を取らなきゃダメかな。お昼の時間に商業ギルドに行ってみよう。そんなことを考えていたら食材屋のエリーゼさんに話しかけられた
「ねぇ、カノン。さっきそのドラゴンさんが食べていたのは何?」
「氷を細かくした物にシロップを掛けたかき氷という物です。味見してみますか?」
「いいのっ? 食べてみたいっ!」
「オレンジ、レモン、ブドウ、ベリー味があるけど、何味が良いですか?」
「えーっ、そんなにあるの? 迷っちゃうなぁ……よしっ、ブドウでお願い!」
「はい、ちょっと待って下さいね」
かき氷機に深皿をセットすると、スイッチを入れてかき氷を作る。ブドウのシロップを掛けてスプーンを刺したら完成!
「お待たせしました。一気に食べると痛いので気を付けてくださいね」
「えっ、痛いの?」
異世界人も痛くなるのか分からないけれど、一気に食べると頭とか喉が痛くなるよね。
「ん! 甘くって冷たくっておいしっいたたっ!」
やっぱり異世界の人も痛くなるんだね。
「一気に口に入れると、冷たさで痛くなるんですよ。少しずつ食べると良いですよ~」
「そうなのね。でもアイスクリームと違ってさっぱり食べられるね」
「この暑い時期にはさっぱりと良いと思いますよ~」
「これも新商品なの?」
「これは屋台で出そうと思ってるんですよ」
「屋台なの?」
エリーゼさんに聞いてみたら、やっぱり商業ギルドで許可を取らないと屋台が出来ないみたいだ。孤児院の子達がやる屋台で出したいと話をした。
「カノン、それは良いね! でも、それだったらここのお店の前で屋台を出したら良いんじゃない? その方が安全だと思うわよ」
「確かにそうですね、ありがとうございます。まだ孤児院にも商業ギルドにも言ってないので、その方向で進めてみますね!」
エリーゼさんと話をして方向性が決まって良かった。子供達が危ない目に合うのは嫌なので、出来たらお店の前で出した方が安全だよね。
「かき氷美味しかったから絶対に食べにくるわ!」
「ふふっ、ありがとうございます」
そろそろお店を一旦閉めて、ヴァイスを肩に乗せて商業ギルドへ歩いて行く。商業ギルドは冒険者ギルドの斜め前にあるので、お店からすぐに着いた。中に入って受付のお姉さんに声を掛ける。
「こんにちは。少しお聞きしたい事があるのですが、良いですか?」
「こんにちは。はい、どうしましたか?」
「フォルトゥーナというお店をしているカノンと言います。屋台を出したいのですが、手続きは何が必要ですか?」
「カノン様ですね。屋台の場所はお決まりですか?」
「お店の前を予定しているのですが、もしかしたら孤児院の前になるかもです」
「孤児院の前、ですか?」
「はい。孤児院の収入源にならないかなと思って。ただ、出来たらお店の前の方が安全かなとも思っているので、なるべくならお店の前に出したいと思ってます」
「なるほど。確かに安全面を考えると、カノン様のお店の前の方が安全だと思います。目も届きますしね」
「やっぱりそうですよね」
一応お店の前での屋台の登録をして貰った。変更の手続きはすぐに出来るみたいなので、登録だけ済ませておいた。これでいつでもお店をする事が出来るね。
「カノン様。もしかして、先日の建国祭の時のアイスクリームを屋台で販売予定ですか?」
「いいえ。冷たい物は同じですが、今回は氷を使ったデザートにする予定です」
「まあ、それは楽しみですっ! 先日のアイスクリームもとても美味しかったので、楽しみにしてますね」
「ありがとうございます!」
手続きも無事に済んだので、商業ギルドを出てお店に戻ろう。なるべく早く話を通したいので、明日のお昼には孤児院に行って来ようかな。
お店に戻りささっとお昼ごはんを済ませてからお店を開ける。午後もお店の商品の補充などしながら過ごした。
夕方になりお店を閉めてお夕飯も食べ終わったら、ヴァイスと一緒に錬金部屋に向かう。
冷凍庫兼製氷機を作るのだ。まずは木材を錬金釜に入れて外箱を作る。箱が出来たら、内側に青の魔石(中)、外側に緑の魔石(中)、白の魔石(中)を貼り付ける。
貼り付けたら錬金釜に入れて蓋を閉めて魔力を流す。
チーン!
錬金釜の蓋を開けると木製の箱が出来ていて、鑑定してみると製氷機と書いてある。試しに箱のふたを開けてお水を入れて蓋を閉める。箱の上に魔石が付いているので、そこに手を当ててスイッチを入れる。少しして蓋を開けてみると、ロックアイスみたいな氷が沢山出来ている。
大きな氷をかき氷機に入れるのは大変なので、このロックアイスみたいな氷なら子供達でも入れられるだろう。
後は、木材を入れてテーブルと深皿とスプーンを作ったら準備OKかな。
『準備終わったのか?』
「うん、多分。また足りない物があったらまたすぐに作れば良いよね」
『そうだな。今作った物が足りなかったらすぐに作れるしな』
「ふふっ、そうだね」
『お店の前で屋台を出すのなら、我がついでに守ってやれるぞ』
「うん! 何かあったらお願いね」
『我に任せておけ!』
準備が出来たので、ヴァイスと一緒にお風呂に入ってもふもふしてそろそろ休もう。
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明日は孤児院へ向かいます。
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