熱々ピザとポテトの実の種
今日は熱々ピザの実の種を作るのだ! とヴァイスとワクワクしながら錬金部屋へ急いで向かう。
『カノン、まずはピザの種だよな?』
「ふふっ、そうだね。でも、朝ごはんを食べたばかりだから食べないよ?」
『なんだとっ!?』
「いやいや、今お腹いっぱい食べたよね!?」
『何を言うか! ピザは別腹だっ!』
「いやいやいや、別腹にピザは重すぎるからっ!」
甘い物は別腹とは言うけどさ、ピザが別腹とか聞いたことないよ。またお腹ぽっこりするから辞めさせよう。いくら何でも朝ごはんをもりもり食べた後に食べる物ではないのよ!?
「お昼ごはんに師匠と一緒に食べようね?」
『むっ、確かにカタリーナにも食べさせたいな。うむ、我慢するとしよう』
師匠と一緒に食べる為なら我慢できるなんて、どれだけ仲良しなの!?
でも、ヴァイスが待つと言ってくれたのでちょっとホッとした。いつも食べ過ぎてお腹がぽんぽんに膨らんで仰向けに寝転がるまで食べるから、ちょっと心配なんだよね。
錬金釜にアイテムボックスから出した熱々のピザ、黄の魔石(小)、青の魔石(小)、白の魔石(小)、赤の魔石(小)を入れて蓋を閉めて魔力を流す。
チーン!
錬金釜の蓋を開けて鑑定してみると、熱々ピザの実の種と書いてある。ちゃんと出来ているみたいで嬉しい。
この調子でポテトとスープの種も作っちゃおう! 錬金釜に次々に入れて熱々ポテトの実の種と熱々スープの実の種を作った。
「熱々……おにぎりには……唐揚げ? よし、唐揚げの種作ろう!」
そうつぶやいた私の言葉に、ヴァイスがピコン! と起き上がった。唐揚げの実の種は素敵だよね。そして唐揚げはやっぱり熱々が一番だよね。
錬金釜に前に作ってアイテムボックスに仕舞っておいたコッコ肉の唐揚げ、黄の魔石(小)、青の魔石(小)、白の魔石(小)、赤の魔石(小)を入れて錬金釜の蓋を閉めて魔力を流す。
チーン!
錬金釜の蓋を開けて出来た種を鑑定してみると、熱々唐揚げの実の種と書いてある。
後は省略スキルを使って熱々の実の種をいくつも作っておいた。他にも冷え冷えのは主に飲み物の種を色々作っておいた。
沢山種が作れたので、今度は建国祭の準備だね。後は木材を使って小さいスプーンを作っておこうかな。錬金釜に木材をぽいっと入れて、蓋を閉めて魔力を流す。
チーン!
錬金釜の蓋を開けてみると、小さなスプーンが大量に出来ている。何本あるか分からないけれど、十分足りそうな気がする。スプーンはアイテムボックスに仕舞っておこう。これで大体の準備は出来たかな。
建国祭の日はお店も開けておく予定なので、おやつ類を増やしておいて欲しいと師匠に言われているので在庫を増やしておこう。
昨日材料は買っておいたので、携帯食、クッキー、生チョコ、回復クッキー、魔力回復クッキーを作ろう。省略スキルでぽぽぽんっと作れちゃうので、とっても楽しい作業なのです。
『カノン、楽しそうだな』
「ふふっ、省略スキル楽しいよね~」
『そ、そうか』
作り始める時に省略する箇所を考えるのだけど、生チョコは? 材料はチョコ、生クリームの二つ。もしかしなくても、材料がなくて作れちゃう!?
いそいそと錬金釜の蓋を閉めて魔力を流してみる。生チョコを思い浮かべるのは忘れない!
チーン!
『カノン。今度は何を作ったんだ。何も入れていなかったが?』
「ふふっ、生チョコを作ったんだよ~。はい、味見!」
『うむ、旨い!』
「材料を入れなくても生チョコ出来ちゃうなんて、錬金スキルさん素敵すぎる!」
『食べ放題だなっ!』
「それはいけませーん!」
『なんでだっ!?』
「いやいや、食べ放題は止めようね? またお腹ぽっこりするよ?」
『むむっ』
どれだけ食べるつもりなのだろうか。でも、大きな身体の時はいくら食べても足りなそうだけど、小さくなると少しでお腹いっぱいになっちゃうんだよね。元の大きさに戻ったらお腹空いちゃうのかな? 小さくもなれちゃうし、ドラゴンの身体は不思議だよね。
午後にお店番をしていると、ドアが開いて貴族っぽい人がやってきた。
「すまないが、店主はいるか?」
「はい、少々お待ちください」
師匠を呼んでくると、その人は師匠に手紙を渡した。手紙を見た師匠の顔は暗い。
その日の夜、ご飯を食べている時にその話題になった。
「カノン。申し訳ないけれど、エリクサーを貰っても良いかい?」
「はい、良いですよ~。今日の手紙ですか?」
「ああ、そうだよ。その代わり、この店はカノンに譲るさね」
「えぇぇぇっ!?」
『なんだ、カタリーナ。戻ってこないのか?』
「そうさねぇ。隣のランジェット王国の国王が体調を崩していて、エリクサーを探しているんだよ。それを持って行かなきゃならなくなってね」
「でも、それなら戻って来られるのでは?」
「それが、そのまま国にいて貰えないかって打診が来ているんだよ」
「え~!!」
師匠はもともと隣国のランジェット王国の錬金術師だったらしい。お店も準備するから戻ってきて欲しいと書かれていて、それはほぼ強制だという事。さすがに国からの命令には背けないよね。
「だから、この店はカノンがエリクサーの代金だと思って、そのまま使うと良いさね。ちょっと足りないかもしれないが、貴重な素材もあるから許しておくれ」
「それは全然構わないのですけど、師匠は素材を持って行かないと困るのでは?」
「私のはランジェット王国が準備するから大丈夫さね」
師匠にはまだまだ教わりたい事が沢山あったのに、いきなり任せられてもとても不安だ。だけど、こればかりは仕方がないよね。師匠が旅立つまでに出来る限りの事をしよう。
「師匠、いつ出発するのですか?」
「そうさねぇ。体調不良は気になるが、建国祭が終わってからにしようかねぇ」
「はい! じゃあ、それまでに色々準備をしますね!」
「ん? カノンが何を準備するんだい?」
「だって、師匠に持って行って貰う物を準備しなきゃでしょう?」
「ははっ、そうかい。それはありがとうねぇ」
師匠には私が異世界に落ちて来てからとてもお世話になったのだ。私がこんなに安心していられたのは、ヴァイスと師匠のお陰だ。だから師匠には出来るだけの事をしてあげたい。感謝の気持ちを込めて色々な物を準備しよう。
『カノン。やっぱり種は外せないな!』
「そうだよね。色々な種を沢山準備しよう!」
「ははっ、種は嬉しいねぇ。向こうでもカノンの美味しいご飯が食べられるだなんて良いねぇ」
「後は錬金マドラーもでしょ。それとお料理……師匠。アイテムボックスの作り方を教えて貰って良いですか?」
「ああ、構わないよ。黒の魔石(大)を2個と白の魔石(大)が1個で出来るさね」
「えっ、そうなのですか!?」
「試してみるといいさね。だが、表に出すのは控えるんだよ?」
「はい、ありがとうございます!」
明日はアイテムボックスを作ってみよう。その後ヴァイスと部屋に戻って、ベッドの上でヴァイスを抱っこしてなでなでしながら話をする。
「師匠が居なくなっちゃうの寂しいね」
『そうだな。だが、カタリーナが決めたなら仕方がない。まあ、ランジェット王国だったらいつでも会いに行けるから、あんまり気を落とすなよ』
「うん、ヴァイス。ありがとうね」
師匠には、アイテムボックスにお料理もお菓子も沢山詰めて、種も沢山持って行って貰おう。師匠もヴァイスと同じで食べる事が大好きだから、沢山渡してあげたいんだよね。
師匠が私の弟子は凄いんだって言って貰えるように、安心してお店を任せられると思って貰えるように頑張ろう!
いつも読んで頂きありがとうございます。
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明日はアイテムボックスを作ります。
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。




