炊き出しとドワーフの街
朝早く起きたら、まずはおにぎりを大量に作ろう。昨日おにぎりを作るのを忘れてたんだよね。今は8個省略出来るようになっているから、錬金釜でさくっと大量のおにぎりを作れるようになってるんだよね~。
大量に作ってもなぜか錬金釜に入るという不思議性能なので、一気に千個とかでも出来ちゃうんだよね~。ただ、アイテムボックスがなかったらどうやって取り出すのかは謎だよね。
何度も錬金しておにぎりを準備出来たら、簡単に朝ごはんを食べて広場に向かう。広場についたら、もう騎士様達が来て準備してくれていた。
だけど、騎士様達の中にも顔色の悪い人が沢山いる。早くエリクサー入りの豚汁を作って食べて貰おう。大きなお鍋を取り出して、材料を入れて錬金棒でくるくるっと混ぜる。最後にエリクサーを入れたら、エリクサー入り豚汁のでっきあっがりーっ!
「先に配ってくださる方達から、食べて下さいね~」
「カノン様、ありがとうございます」
豚汁を食べた人の顔色が良くなっていくので、ちょっとホッとする。次々に豚汁を作っていくと、元気になった人からおにぎりと一緒に配り始めてくれる。
動けない人達には、騎士様が移動ボードで飛んで配ってくれる。冒険者達には近くの人とか、よそって配るのをお願いしている。
少しすると、孤児院の皆もやってきた。みんなの顔色も少し良くない感じがする。
「カノンおねぇちゃん。お手伝いするよ!」
「ふふっ、みんなありがとうね。まずは食べて元気になったら、お手伝いお願いね」
「「「「「はーいっ!」」」」」
どんどんお手伝いしてくれる人が増えて配る速度も上がっていく。お昼までには配り終える事が出来た。
午後は騎士様達とチェニアの街へ行き、ここでもまた炊き出しを行う予定だ。後は井戸に浄化器も設置してくる事になっている。
王都を出て、移動ボードで飛んで行く。その途中、とても大事な事を思い出した。
「ヴァイス、ドワーフさん達の街も危ないんじゃない!?」
『あっ、確かにそうだな』
「チェニアの街での炊き出しが終わったら行って来ようよ」
『ああ、そうだな』
まずはチェニアの街での炊き出しと浄化器の設置だ。昨日も豚汁を配ってきたけれど、今日も同じで申し訳ないけど我慢して貰おう。
チェニアの街は、昨日炊き出しを行った事でそこまで酷くはなかったものの、やっぱり体調の悪そうな人が目立った。まだ井戸水を直していないから当然だけどね。
広場に着いたら、すぐに炊き出しの準備をする。昨日みたいに冒険者や兵士さん達も配るのを手伝ってくれた。お手伝いをしてくれる人が沢山いるので、数時間で全員に配り終える事が出来た。
騎士様達で井戸に浄水器も設置してくれたので、これで安心だろう。
「カノン様。ドワーフの街へもご一緒させて下さい」
「えっと、大丈夫なのですか?」
「ええ。緊急事態ですので、問題ありません」
「ではよろしくお願いします」
『よし、では急ぐぞ! 我に乗るが良い!』
「でも、ヴァイス。こんなに大勢乗って大丈夫なの?」
『我は最強のドラゴンだからな。これくらいの人数全然問題ないぞ』
「ありがとう、お願いします」
騎士様達と一緒にヴァイスの背中に乗って街へ向かう。騎士様達はヴァイスの背中に乗せて貰うと、凄く感激していた。
ヴァイスの背中に乗せて貰っているので、ドワーフの街まであっという間に到着した。
「ヴァイス様はやはり凄いですね。あっという間にドワーフの街へ到着してしまいましたね」
「速いですよね~」
ドワーフの街の手前で降りて、ドワーフの街へ入ると……みんな元気そうだ。でもヴァイスが言うには、森の様子はちょっと違っていたらしいんだよね。
「えっと、良い事なのだけど……ドワーフさん達元気っぽいよね?」
『そうだな』
「なぜなのでしょうか?」
ユリウス様も不思議そうだ。とりあえず街を進んでみると、ギードさんにあった。
「おお、嬢ちゃん。お酒持って来てくれたのか?」
「いえ、そうじゃなくて。えっと、体調はどうですか?」
「体調か? 元気だが、どうかしたか?」
ギードさんに説明すると、どうりで最近森の様子がおかしかったのだと納得していた。
ただ毒の方は、ドワーフ達は基本的にお水を飲まないでお酒を飲むのだそう。しかも、多少の毒はアルコールと一緒に分解してしまうんだって。ドワーフ族恐ろしい……。
「まあ、この街で具合の悪い奴は多分居ないと思うぞ」
「そう、なのですね」
『さすがだな』
ギードさんと別れて、この後どうするかを話し合う。とりあえず井戸には浄化器の設置は必要だから、ユリウス様以外の騎士様達に設置に行って貰った。
「炊き出しは、必要なさそうですね」
「ドワーフさん達元気なのは嬉しいのですが……凄すぎますね」
「そうですね」
『さすがの我も驚いたぞ』
「にゃんきゅっ!」
ヴァイスに驚かれるドワーフさん達って、本当に凄すぎです。最終的には、各ギルドにエリクサーを置いて行って、具合の悪い人に使って貰う事になった。
街を歩く人達を見ても、みんな元気なんだよね。良い事なんだけど、魔族の毒が体内に入っても平気って身体の造りが不思議すぎるよ。
ギルマスに話に行った際に、お酒を売って欲しいと言われたので、それもついでに終わらせてきた。ドワーフ達には毒よりもお酒の方が大事だったみたいです。うん、なんか納得した。
騎士さん達が帰ってきたらもうすっかり夜だったけれど、ヴァイスが飛べると言うのでヴァイスに乗って王宮まで飛んで貰う事になった。
「うわぁ、星が綺麗だね~」
「にゃんきゅっきゅっ!」
「ヴァイス様ほど高くまで飛ぶと、空の景色も全然違いますね」
今日は特別にお城の中庭に直接降りる事になった。普段はこんなことをしたらダメなんだけどね。緊急事態だったからこそです。
お城での報告はユリウス様達に任せて、私達は馬車でお店まで送って貰う事になった。お店に帰ると、さすがに疲れていたのでご飯とお風呂をささっと済ませて、ヴァイスのもふもふに癒されて眠った。
今回の件で魔族をヴァイスとアルちゃんがみんな倒してくれたので、平和になったみたいだ。国王様からも改めてお礼を言われた。本当は爵位をと言われたのだけど、即お断りした。そんな堅苦しい物はいりません。
省略スキルのお陰でみんなを助けられて、本当に良かった。このアプリフェル王国に住めなくなっていたらと思うと怖くなるね。
孤児院の子達は今日も元気いっぱいで、こっちまで楽しくなるね。
1カ月くらい経って井戸からエリクサーが出るようになっても、浄化器のお陰で美味しいお水が供給されている。毒もエリクサーもお水に変えられちゃう魔道具って凄いよね。
「さっ、今日もお店を開けようか!」
『そうだな』
「にゃんきゅっきゅっ!」
いつも読んで頂きありがとうございます。
ブックマークや評価もありがとうございます、更新の励みになります。
このお話で完結になります。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
また番外編など書けたらと思ってます。ニャンドラゴンになったアルちゃんの一日とか書きたい(*'▽')




