ドワーフ達と酒盛り
アイテムボックスから色々な種類のお酒を取り出して、テーブルにどんどん並べていく。どれか気に入る物もあるだろう。
『カノン。あの度数の一番高い物がないぞ!』
「えー、本当に出すの? あんなの飲めないよ?」
『何を言っている。あれが良いのではないか!』
(ヴァイスの言っている意味が分からないよ?)
「何っ、度数の高い酒だとっ!? それをくれっ!」
お酒が強いとは聞いていたけれど、そんなになの!?
渋々取り出してテーブルに置くと、ヴァイスもドワーフさんも視線が釘付けで、次の瞬間には2人とも大盛り上がりだ。いつの間にそんなに仲良くなったんだろうかと不思議な程だよ。
「こ、この酒を譲ってくれっ!!」
「どうぞ。でも、包丁を作って貰いたいんです」
「ああ、それは任せてくれ!」
ミスリルにアダマンタイトもある事から、今から打ってくれる事になった。その間に私はおつまみを作る事にした。終わったら美味しく飲んで欲しいもんね。
ヴァイスも一緒に飲みたいみたいだから、色々なおつまみ作っちゃうんだ~!
ドワーフさんはギードさんという名前だそう。ギードさんは、おつまみも作るというと物凄く張り切って作業をしてくれている。
ここからは声を掛けられないので、私はおつまみを沢山作っている。おつまみと言えば唐揚げにポテト! 後は時間があるからローストビーフも作っちゃおう。
それと貝は酒蒸しにして、鯛をカルパッチョにしようかな。お野菜は温野菜にしてマヨネーズと味噌を混ぜた物に付けて食べよう。
これだけあればきっと足りるだろう。沢山作った所で今日の作業を終えたギードさんが戻ってきた。
「お疲れ様です。おつまみを色々作ったので飲みながら食べましょう~」
「おお、楽しみだ。ありがとうな」
『カノン。早く食べるぞっ!』
私は白ワインを出してちびちび飲もうかな。ギードさんとヴァイスは意気投合して大盛り上がりだ。あの96度のお酒がみるみる減っていくんだけど、身体は大丈夫なのだろうかと物凄く心配になる。
「おう、ギード。今日はなんだか盛り上がってるけど、どうした?」
「おう、ヴォルフ! お前も来いっ!」
「酒がなくなったって言うのに、どうしたんだ?」
「それがな、この嬢ちゃんが旨いのを持って来てくれたんだ!」
「何っ!!」
そんなこんなでドワーフさん達がどんどん増えて、今は10人くらいが一緒に飲んだり食べたりしている。さすがにお料理が足りなくなったので、どんどん追加をアイテムボックスから取り出して振舞っている。
どうしてこうなったのかと思うけれど、みんなお酒の入荷がなくてしょんぼりしていたみたいで大はしゃぎだ。なんだかヴァイスも楽しそうなので、私も一緒に楽しむ事にした。
「嬢ちゃん達は何を買いに来たんだ?」
「調理器具と工具と包丁が欲しかったんです。後は色々鉱石の使い方も教えて貰えたらと思って」
「鉱石? 何を持っているんだ?」
そうヴォルフさんに聞かれたので、アイテムボックスから鉱石と宝石を次々にテーブルに並べていった。並べると意外と沢山あるのにびっくりした。
「これだけですね~。こんなにあるのに使えないのは勿体ないので、使い方が分かったら嬉しいです」
「嬢ちゃん。どうやったらこんなに手に入るんだ?」
「それは全部そこのヴァイスのお陰ですね~」
「「「「「「なるほど」」」」」」
よっぽど私が戦闘出来ると思えなかったんだろう。全員に物凄く納得された。そして、色々と教えてくれるんだけど、酔ってないの!?
いや、有難い。とてもありがたいんだけど、あんな96度のお酒なんて飲んでるのに、どうして冷静に説明出来るの!
ついでに鉱石が欲しいというので、買い取りして貰う事になった。お蔭でアイテムボックスの中が大分すっきりした気がする。
夜になってお開きになったけど、まだ宿を取っていない事に気が付いた。みんなのお勧めの宿を聞いたのでそこに向かってみると、部屋が取れたのでのんびり休もう。
次の日は、工具を見に行く予定だ。昨日一緒に飲んだ中の1人が工具を作っているらしいので、そこのお店に向かおう。昨日鍛冶ギルドで聞いたお店と同じだったので、安心してお店に向かう。
「おはようございます」
「おう、嬢ちゃん。昨日はありがとうな。お蔭で元気が出たぜ」
「あんなに飲んでいたのに、みなさん凄いですね~」
「ドワーフなんてあんなもんだぞ。しかし、昨日の酒は旨かったなぁ」
「まだお酒ありますけど、商業ギルドに卸していった方が良いですか?」
「何っ!? それはぜひ頼みたい!」
「分かりました。後で商業ギルドに寄って行きますね~」
「おう、ありがとうな!」
ヴァイスにジト目で見つめられているけれど、見ない振りしておこう。ヴァイスのは王城の土地にまだ沢山あるんだから、良いと思うんだよ?
工具は頼もうと思っていたものよりも、遥かにグレードアップした物が買えました。仲良くなるって大事だよね。
その後も色々なお店に寄ったけれど、どのお店でも凄く良くして貰った。きっとお酒を商業ギルドに買い取って貰う事が知られているのだろう。
だって、どこのお店に行ってもお酒楽しみにしてるからな! って言われるんだよね。
色々と買えたので、商業ギルドに行って来よう。商業ギルドに入ると、すぐに私だと分かったみたい。あれよあれよという間に、豪華な応接室に通された。
まさかのギルマスも出て来たし、驚きすぎて一瞬思考停止をしたよ。ヴァイスが話をしてくれたので、ここはお任せしておきました。お酒の事なのできっと色々言いたい事があるんだろう。
「ヴァイス。ヴァイスのはまだ沢山あるから、沢山買い取って貰って良いかな?」
『ああ、構わんぞ。また作ってくれるのであろう?』
「うん、もちろん」
『なら沢山売ってやったら良いぞ。ドワーフ達は酒がないと困るであろうからな』
「そうだね~」
ヴァイスの許可も下りたので、アイテムボックスにあるお酒を沢山買い取って貰う事になった。こんなに買い取って貰って良いのか分からなかったけれど、全部欲しいと言われたのでほとんど買い取って貰った。
ついでにまたお酒を売って欲しいと凄い勢いで頭を下げられたので、また王城で収穫出来たら買い取って貰おう。
ドワーフ達のやる気になるなら、みんなきっと助かるもんね。ドワーフ達の作る物はどれも手が込んでいて素敵だったんだよね。私も次に来るときがとても楽しみなくらい。
もう1日宿でお世話になってから、明日お店に帰ろう。色々な人と知り合えたし、とても楽しかった。
「明日はお店に帰ろうか」
『そうだな。なんだか楽しかったな』
「そうだよね! また来るのがとっても楽しみだね」
『ああ。また一緒に飲めると良いのだがな』
「大丈夫だよ。またおつまみを沢山作って一緒に食べようね」
ヴァイスはご機嫌でしっぽをゆらゆらと揺らしている。よっぽど楽しかったんだね。ヴァイスが楽しい事を見つけられると、私も何だか嬉しいね。
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