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番外編(1)美月とテオ

とりあえずこの2人について完結させます

次は一週間くらい先に美雪とライナルト編を上げる予定です!

「久しぶりー!」


ここ数日溜まっていた仕事を全て片付けるのに異世界に来るのをやめていた。本来なら毎日でもこちらに来て他の皆と話したりしていたかったが、両立が大事ということで我慢していた。

今日戻ってきたのには理由がある。柴くんをフッて華麗なるパンチを食らわせてからテオ君に正式に付き合いませんか?と私から言おうと考えていたのだ。そのために準備期間としても二日ほどこちらに来れていなかった。鏡から入ると、エメリヒが疲れきったような顔をしていた。私と目が合った瞬間、ものすごい勢いで腕を掴まれ何も言うことなく部屋から連れられてしまう。


「ち、ちょっと!どうしたの!?」


無反応で、どこかへ物凄いスピードで向かっている。見覚えのある部屋の入口に捨てて帰ってしまう。その部屋は私が一番最初に向かおうとしていたテオ君の部屋だった。何故無言でこの部屋に案内されたのか気になったが、ここで止まっていても仕方ないと思い、ノックをすると扉を開けた。


「失礼しま~す…うわぁ」


部屋では空気が抜けたような顔をしたテオ君が椅子に座っていた。口をポカンと開けて全力で脱力している。私と目があった瞬間、気づいたら目の前に立っていた。急展開に「おわ」と言ってしまう。


「久しぶりです!いつ帰ってくるか心配してたんですよ!もしかして他に事故をして別の世界線に飛ばされて別の男と結婚したのではと思うと……気が狂いそうでした」


まくしたてるように話すと私を部屋の中に招いてくれる。背中を押されてフワフワのソファーに座らされた。紅茶を淹れてくれるのでそれに砂糖を入れると一口飲んだ。ここで飲む紅茶が美味しすぎて自分の世界で紅茶が飲めなくなってしまった。


「その袋、どうしたのですか?」


「これね、テオ君へのプレゼントに買ってきたの。それよりも…」


私は帰ってからあったことを全て話した。柴くんをパンチしたという話を聞いて無言で頷いているテオ君が面白くて笑ってしまう。一通り話すとそろそろ本題に入るために袋から箱を取り出した。テオ君は私の行動を不思議そうに見ている。


「柴くんと別れて色々考えたの。これから自分はどうしたいかなって……それで私はテオ君と一緒に過ごしたいって思いが自分にとって最適解なのかなって思ったの。だからテオ君、私と付き合いませんか?今まで逃げたり酷いことしてた私がこんなこと言うのはどうかと思うけど、お願いします」


テオ君は驚いたような顔をしたが瞬時に答えを返してくれた。


「一生大事にします」


重いわ。心でそうツッコミを入れる。その後に私は袋の中からピアスを出した。以前テオ君の耳に緑色のピアスがあるのを確認していた。だからこれをお揃いで買いたいと今回は思いついた。猫の形をしたピアスで、その猫の瞳の部分が緑色になっているのをプレゼントしたかったのだ。


「前に着けているのを知っていたからプレゼントしようと思って…実はこれ私のピアスとお揃いなの」


私がそう言った瞬間、鏡の前に爆走で向かうとピアスを着けて戻ってきてくれた。耳元で猫のピアスがキラキラと輝いている。私のも見せてほしいと言うのでお揃いで瞳の色がピンクバージョンのを見せてあげると嬉しそうな顔をしてくれた。


「すっごい嬉しいです!今日は最高の日になりました。ミツキ本当にありがとうございます」


お礼を言った後、少し前のめりになってそのまま私の唇を奪った。びっくりして私はされるがままになる。


「そんなに無防備なままで良いのですか?恋人になった以上遠慮なく行かせてもらいますからね。覚悟していてください、これまで我慢してたのですから」


涼しい顔でとんでもないことを言われた私は、身の危険を察して立ち上がった。時すでに遅し、腕を掴まれて引っ張られると座っているテオ君の上に乗っかるような姿勢になった。


「逃げないでください、全然来てくれなかった罰です」


がっちりホールドされると身動きできなくなってしまった。私は覚悟を決める。

どうなったかは秘密。


END

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