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ゴールまで走り抜けられるように頑張りたいと思います!

「え?クラウス様に会って今度直訴してもらう?」


『え?美月先輩が帰ってきてる?』


エメリヒと私はお互いにわけわからず声を上げた。奇跡の再会から数日後、猫になってのびのびとしていたところ突然エメリヒに連れていかれた。現在エメリヒの本とか荷物で溢れかえっている部屋に合計で五人いる。正しく言うと四人と一匹が部屋に敷き詰められている。


「そうか、いよいよ元凶の人を連れてくると……どうなるか楽し、心配だけど」


『本音漏れてるよ』


思わず突っ込みを入れてしまう。そして私はもう一つ突っ込みを入れたいことがあった。


『どうして美月先輩は戻ってきたのですか?もしかして何かありましたか?』


何があってどうしてここにいるのかを説明してもらった。少し涙目になっている先輩の背中を優しく撫でていたのがテオさんだったのを見てきっと進展があったのだろうなとぼんやりと考える。聞いた話があまりにも残酷な話で開いた口が塞がらなかった。


「だからミツキと僕とエメリヒの三人で証拠を突きつけつつ別れる方法を探っているんです」


いきなり勇ましいことを言ったテオさんに驚いてしまう。意外ととんでもない人なのかもしれない。こちらも何も知らないテオさんと美月先輩に何があったか全て話すことになった。今までテオさんは参加していなかったことばかりだったのでいきなり大量の情報を頭に入れることになって混乱していた。猫のことに一番驚いていた。普通の人ならこの反応が一番正しいのだろう。


「それで、直訴しに行くのはいつの予定なんだ?」


「会いに行った日から何度か話していて、今日の夜に来てもらうことになってる」


ライナルトの言葉に全員が驚いた。その話を誰も知っていなかったし、そもそも何度も会って話していることも知らなかった。どうやら私が猫で部屋にいる間、資料作成を放棄して何度も店に行っていたらしい。道理で最近クラウスの目元にクマができていたわけだ。


「今日なら準備しないといけないじゃん!ドレスとかメイクとか女の子には大切なんだから!ね、美雪」


『そもそも先輩とテオさんも来るのですか?それに私もついていく必要があるのですか?』


「何言ってるの美雪!こういう時は数で勝負するのよ!」


めちゃくちゃな事を言っている美月先輩。落ち込んでいたと聞いていたが本調子に戻っていた様子で安心した。


「まあミツキとテオはともかく俺的にはミユキは来てほしいな。成功できる気がするから」


ライナルトに真剣な目で見つめられてまた照れてしまう。私は今まで必要とされていないことが多かった。運動神経も悪く、何をやっても失敗ばかり。そんな私でも必要とされているこの場所が何よりも嬉しかった。


「じゃあ私が美雪のドレスは私に任せて!こうなったら黒を基調とした格好で正々堂々と勝負しましょうね」


美月先輩は私を抱きしめてくれた。美月先輩もこれまでは怖い先輩で一番遠い人だと思っていた。でも今は優しい人だと改めて気づくことができた。無事に帰ることができたら一緒に仕事をすることが何よりの楽しみだ。


「じゃあ今日の二十一時に話があると伝えておくから、各自に役割を割り振っておくね。まずミツキはミユキのことを頼むよ。俺は個別にやりたいことがあるからテオとエメリヒでお父様を迎えに行ってほしい。二人にも会いたがっていらっしゃたから。では今のところは解散!」


いよいよ最終決戦となる。皆は大きく頷くと部屋から出て行ったのだった。

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