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少し短めです

「どうしたの?ずいぶん赤い顔しちゃって」


厨房にて。ディアナに突然話しかけられて、危うく皿を落としそうになる。昔なら割れていたであろう皿をしっかりと掴むとホッと一息をついた。数日前のライナルトの言葉を思い出したのだ。あの曇りのない言葉が頭から離れない。


「まさか……恋とか?」


パリ――――ン


「キャー!ごめんなさい!皿を割っちゃ……なんでそんなキラキラした目で見てくるのですか!?」


こちらを見てくるディアナの瞳がキラキラと輝いていた。まるでおもちゃを見つけたような顔をしている。


「やっぱりそうなんだ!その話、休憩時間に聞いてやるんだから待ってなさいよ!」


有言実行されたなう。私は何故かディアナと対面する形で座らされていた。交代で出ているクラウスとカミル君が何事なんだとチラチラこちらを見てくる。


「…で、相手は自分に気づいてない状態の時に好きであると聞いてしまったと。くー青春だね!」


女子会のようなノリになってきた。ディアナはとても楽しそうである。本来ならば聞く予定のなかったライナルトの気持ちを聞いてからそわそわして仕方がない。


「ミユキはその人のことどう思ってるの?」


「私は彼のこと本当に素晴らしい人だと思ってます」


「そういうことじゃなくて、好きか嫌いかって聞いてるのよ!」


これまで沢山彼と話してきた。どんな人物かわかっているし、猫になってから大事に飼ってもらっている。いつもどんな時も優しく接してくれていたのを、ここ最近考えていて改めて気づくことができた。だからもう答えが出ているのだ。これ以外の選択肢が無かった。


「……好き…です」


ヒュー!と盛り上がるディアナを見て自分が恥ずかしいことを言ったのを自覚した。

ここまで人を好きになったのは初めてだった。きっと私も一目惚れだったのだ。今でも水のように澄んだ青い瞳が忘れられないのだから。


「でも私はいずれこの世界から居なくなってしまうんです。だからその言葉を素直に受け取れなくて」


喜んでいたディアナが落ち着きを取り戻した。そのまま椅子に座るとニッコリ笑った。


「相手の人にそのことを伝えないといけない。突然消えたら心配しちゃうからね?あとはミユキ次第ってことかな」


「そうですね、いずれ彼に話してみたいと思います。その、前から気になってたんですけど、クラウスさんとはどうやって出会ったのですか?」


「げ、今度はアタシのターンということね。わかった、アタシの昔話を教えてあげる」


そう言っておもむろに昔の話を始めた。

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