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お久しぶりです!!!!!
なんと帰って来ました
久しぶりなのでこの子達の物語を忘れかけていますが頑張ります!
なかなかにショッキングな話を聞いた帰り、私は考え事をしながら廃墟に帰った。
「ミユキ、考え事をしてどうしたの?」
「うわぁ!」
今日は忙しいから来ないだろうとエメリヒが予想していたライナルトが、いつも座って話しているソファーに腰かけていた。
「な、なんで!?」
「なんでって……来たら駄目だったかな?」
眉を下げるようにして、こちらをうかがってくるライナルトの表情に根負けして、隣に座った。
ライナルトは満足そうな顔をしながらこちらに話しかけてきた。私は今日に限ってブレスレットを忘れたことを猛烈に後悔している。もしかしたらエメリヒに事前に教えてもらえていたかもしれない。そうだったら、店に残って話しをしていただろう。今会うのはとても気まずくて、ライナルトの顔をうまく正面から見ることができない。
「前から気になってたんだけど、猫に似てるって言われたことない?」
「え!?私が猫に似てるなんてことあるわけないですよね~?」
動揺のせいで私自身も何を言っているかわからなくなってきている。
「でも肝心なところでいつもいなくなるし」
拗ねたような顔をしながらライナルトはこちらを見つめてくる。
「私にも事情があるから」
ふーんとだけ言うと、微笑みながら口を開いた。
「いつか俺に教えてくれる日が来るのを楽しみにしているよ」
それからはいつも通りの他愛のない話しをして過ごしていた。そして朝になるくらいにライナルトは突然立ち上がった。表情から察するにかなり慌てているようだ。やらないといけないことを全て放り投げて来ているのを私は知っているのだ。
「やば、そろそろ帰らないと!じゃあしばらくまた来れないと思うけど、元気でね」
ヒラヒラと手を振ると隠し扉のある方向へとライナルトは帰っていた。思わずため息をついてしまう。さっきまでシリアスに考えていた私は精神的に疲れてしまって、そのままソファーに倒れこむ。
「情報量が多すぎるんだけど……もう無理」
寝転んでいると自然に瞼が落ちてきて、私は寝てしまっていた。いつもの感じでいつものようにエメリヒは出てきた。
「ブレスレット……忘れてたもんね、僕は知ってたよ」
哀愁漂う表情でこちらを見てくる。いつも通り目は閉じているけど何となく表情で伝わる。この人笑いをこらえるのに必死になってる。
「じゃあ、起きたら隠し通路まで迎えに行くからね……フフフ」
耐えきれなかったエメリヒは笑いながら私の夢から退散していった。恥ずかしくなって顔が赤くなるのがわかる。
ただし猫になっているので本当に変化しているか私にはわからなかった。