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お久しぶりです!
急用が入って投稿がかなり遅れました
また少しずつ書いていきたいと思います!
「お願い。ここから出るべきなの。だってクラウスは本来はここの人じゃないでしょ?」
・・・
私は、とある村で住んでいた。貧しくも無く、だが決して豊かではないが平和であるのが自慢の村だ。若い人が私の他にあまりおらず、畑を耕したり重い荷物を運んであげるのが日課だった。
ある日、見たことの無い人が来た。
「クラウスというのは、君の事かね」
「ええ、私ですが……?」
じろじろと見られて少し不快になったが、唐突にその相手の人物はニッコリ笑った。
「よし!町で聞いた通りの顔だ。本当に良く似ているよ!君には素質がある、大事な話があるんだ。君の両親に会わせてくれ」
「二人とも既に亡くなってます。私が何かしましたか?というか、誰ですか?」
相手の人物はアハハと笑ってから私の肩をバシバシと叩いた。顔をしかめる。
「すまない。私はとある人物の婿を探していたのだ。城下町で噂になっていた君のもとへと来たのだが、まさかこれほど似ているとは……こちらを読んでくれ」
渡された紙には、驚くべき事が書かれていた。
「つまり私に王族に偽って入れと?」
「話がわかってくれて嬉しいよ。もちろんそこに書いてあるように、ここは活性化させる。高齢化しているこの村に最新の技術を沢山取り入れてやろう。どうだ?この条件で?」
これまで男が世襲していた結果、一人娘が継ぐのが良くないことだと決まったらしく、そして同時に世間にバレるのが好ましくないと判断をした事により、私が選ばれたのだ。ただ他の人よりも顔が似ているからという理由だけで。
「……わかりました」
・・・
「初めは嘘だったとしても、今は本当に君の事を愛している。どうして薄情なことを……」
ノーラに何度も訴えたが、彼女の意見は変わることが無かった。
「エメリヒにこれから息子たちは任せようと思うの。私が死んでしまってからの話よ」
「任せてください」
何も言うことができず、そのまま流されるように城から追い出された。これ以降彼女が生きているのかもわからず、息子たちが元気に暮らしているかもわかっていない。