光そして旅立ち遭遇スル
【静かな洞窟の中】
ウィーン....
モーター音が静かだった洞窟の中にこだまする。
(........うーん、なんだろう、微かに暖かい....)
青年は意識を取り戻す、そして先ほど右手のみが光に到達し、意識を失ったのを思い出す。
しかし、今の青年は太陽の光に全身が包まれている。
(太陽が少し傾いたお掛けで、洞窟の入り口からの光が延びたのか....助かった....)
青年はもう少しその場でバッテリーを充電にすることにした。
青年は太陽の光を浴びながら一安心したのか、現在の状態を確認し始めた。
(今まで色々精一杯で考える暇が無かったが、どうしてこんなことになってしまったのか....)
太陽が沈むまで考えたが彼は答えを導き出せなかった。
結構な時間バッテリーを充電にしていたので、今夜は問題なく活動できそうである。
青年は夜に外に出るのは危険と判断したのか、振り返り匍匐で中に戻る。
(....!!)
青年は気がつく洞窟内に積まれていた鉄屑の山全て壊れたロボット達であることに。
腕が壊れているもの、潰れたもの、錆びているもの、その他にも謎のパーツが沢山山のようになっている。
(ここはごみ処理場なのか?....)
青年はその山から自分の足になりそうなものはないか探した。
(これは使えそうだ)
山の中から使えそうな、オレンジ色の細めだが、全体的に角張っている足を見つけた、これらのロボットは皆形は違うが間接部分などの結合部などは全部外せて組み替えられるように同じ規格で作られてるようだった。
(簡単に付けれそうで助かった....こんな感じかな....)
ガチャン
足をつけた瞬間、感覚が今までなかった部分に一瞬にして無かったことが不思議なぐらいの下半身の感覚が脳に流れ込んでくる。
(不思議なものだ、これは、ロボットになった人間にしか解らない感覚だな........って俺はもう人間じゃ無かったか)
青年はつまらないギャグだと思いながらも、思わずにはいられなかった、誰かとこの不思議な事を共有して落ち着きたかったのだろう....
落ち着いた青年は、立ち上がろうとする。
ウィーン....ウィーーン
モーターが音を上げ、その様子は立ち上がったばかりの赤ちゃんのような状態である。
だが、しばらくすると、人間であったときの感覚と機械の体のお陰かコツをつかんだようだ。
(よし、これで匍匐しなくて済むようになったな........朝まで時間があるな、色々と調べてみるか)
青年は朝まで自分の体や洞窟内を調べることにした........
チュンチュン
小鳥の声が外から聞こえた。
(もう朝になっていたのか....結局自分の体の構造はどうなっているのか解らなかったな。)
青年は外に出ようとしたとき。
(おっとこの体のまま外に出て警察に見つかったら捕まってしまうな。夜に見つけておいたローブと護身用の鉄パイプを持っていこう。)
準備が終わった青年は光輝く洞窟の入り口に向かう。
(うっ!)
外の世界は自然豊かだった、地は緑一色でカラフルな奇妙な花が咲き乱れ、空は青くすんで綺麗な雲が適度に散りばめられまるで有名な絵画を見ているようだった。
そんな光景に見とれていると、草がざわつき、動物が飛び出してきた。
(うわ!....)
一匹の真っ白なウサギが目の前に飛び出してきた。
(か....かわいい....)
触ろうと手を伸ばしたとき、そのウサギがこちらを向いた。
(!!!)
青年は驚き尻餅をつく。
それもそのはず、そのウサギには首が二つあったのだ、横顔では重なっていて気が付かなかったが正面を向いた時首から上が二つあったのだ。
「ギャー、ギャー、ギャー」
ウサギが奇声を上げ口元が赤く燃え、火を吐く。
(なんなんだ、これは)
ウサギが吐いた火は火傷はするだろうが、死にはしない程度、射程距離は15センチほどで青年に襲いかかってかる。
(わっ!)
青年に火は直撃し、当たり所が悪かったのか、ローブに燃え広がり火だるまのようになった。
焦り転げ回る。
....ようやく炎が消える。
(ビックリした、死ぬかと思った。この体は以外と強いんだな........あ、あのウサギは!)
先ほどまでいた場所にウサギはもうすでに居なくなっていた。
(どうなっているんだこの世界は、日本かと思ったが違いそうだな....まぁ、そうなると行く宛もないしとにかく歩くしかないか....)
青年は落とした鉄パイプを拾い森の中へと消えた。