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神装の守護者  作者: 湊川
12/12

出発

予約投稿の日付を間違えてました。

遅れてしまい申し訳ないです!


 アイトヴァラスの召喚獣ノワールのもふもふを堪能したエルネリアは、念のために全ての召喚獣との契約に問題がないことを確認してから、街へ帰還した。

 ブリジットの家に着くと、ちょうど夕食の準備ができる所だった。


「お帰りなさい!今できるので、少し待っててくださいね!」


 そう言いながら、食卓には次々に皿が並べられて行く。

 自分達の料理では申し訳ないと外食を勧めるブリジットに、「出来ることなら手料理を食べたい」とエルネリアがゴネて、最終的には一緒に家で食事を取ることになった。

 エルネリアは人の家でも遠慮しない(たち)なのだ。

 いつも通りの食事でいいと言っておいたのだが、流石に客人に出すとあっては張り切らずにはいられなかったらしく、豪勢な食事になっている。


 全て並べ終えた所で、この世界の神々に祈りを捧げてから食べ始める。

 ご馳走にはしゃいでいたマハリヤがあらかた食べ終えて落ち着いてきた頃合いで、ブリジットが話を切り出した。


「マッハ、明日からお姉ちゃんはエルネリアさんと一緒に出掛けてくるわ。長くなるかもしれないけど、一人で大丈夫?」


「うん!大丈夫だよ!何かあったらイアンおじさんの所に行けばいいんでしょ!」


 マハリヤは特に疑問を差し挟むでもなく、素直に頷いた。

 両親とブリジットはそれぞれ冒険者の仕事をしているため、家を空けることが度々あるらしい。

 近所に住む人々はみな知り合いだが、その中でも両親と親しい雑貨屋の店主イアンは、家族がいない間のマハリヤの世話を引き受けてくれているのだそうだ。


 と言っても、マハリヤは子供らしい元気な振る舞いに似合わずかなりしっかり者らしく、一人で留守番をしても特に問題が起きたことはないのだとか。


 それにしても、10歳前後の子供が、行き先や客人の素性についての詮索を一切しなかったのが少し不思議だった。


 その後は他愛のない話に終始し、風呂を借りたエルネリアは、客人用の寝室だという部屋で就寝した。







 明朝、日が昇りきる前に起き出したエルネリアとブリジットは、手早く朝食を済ませて家を出た。

 西門に向かう道中、エルネリアが口を開く。


「……さて。これからグレンツァルへ向かうのだけれど、その前に一つだけ確認しておきたいことがあるの。というのも、これから私はあなたのご両親を迅速に救出するために、少し強引な手段を用います」


「……強引、というのは……?」


「ああ、もちろん罪のない人を傷つけたりだとか、そういった人道に反する事はしないわ。ただ、手伝って貰う上で、あなたには少し無茶をしてもらうかもしれません。それでも一緒に来るかしら?」


「…………はい。私でお役に立てるのであれば、何だってします……!」


「そう。それを聞いて安心した。何をしてもらうかについては、後でお話しするわ」




 そのまま二人は西の街門を出て、人気(ひとけ)のない所まで来た。


「さて、ここからはこの子に乗って行きます」


 そう言うと、エルネリアは召喚魔法を発動する。



召喚(サモン)、グリフィス』



 (みどり)色の魔法陣が展開され、周囲に風が吹き荒れると、程なくして見上げる程の巨体を持つ一頭の獣が姿を現した。

 獅子の胴体に、大鷲(おおわし)の頭と翼を持つ幻獣種。


「す、すごい……グリフォンなんて、初めて見ました……!こんなに、大きいんですね……!」


「ああ、この子の大きさは特別なのよ」


 そう、エルネリアが召喚したのはただのグリフォンではない。

 名だたる魔獣の中でもドラゴンにすら匹敵すると言われるグリフォンという種族、その『王』であった。


「私とこの子を乗せて、西のグレンツァルまで。頼めるかしら?」


 エルネリアが声をかけると、グリフィスは(こうべ)を垂れる。


「ありがとう、良い子ね。さあ、行きましょう」


 伝説の幻獣の王が一人の女性に(こうべ)を垂れるという、あまりに非常識な光景に我を忘れているブリジットを担ぎ上げると、エルネリアはグリフィスの背に乗り込んだ。


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