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1異世界までこんにちは

夢はサラリーマン、てほどに枯れ果ててはいなかったけれど、だからって例えば、オレが野球を観戦するのが好きでも、野球部に入っていなかった時点でオレは野球選手になれるなんて思っていなかったし、たとえ入っていたとしてもそんなことを思うほど自惚れたりはしなかっただろう。

中学のときにやった野球は、普通に野球部員に勝てなかった。

高校生になったからといってだからほかの何かの職業に対する想いも熱意もなかったから、そうなるとオレの進路はきっとこのまま普通に進学して普通に就職して、ってなったはずだ。

可愛い彼女が欲しいという欲求が夢と言えば夢なのかもしれない。

それもこれも今思えばこそ、だ。

やっぱり自意識過剰気味にオレはオレ以上の何かになれるとかそういうのを思ってたりしないでもなかった。

可愛い彼女だけが夢とかそんなこと、あるはずない。

だけど今は。


「会いたかった……!!

 ずっと会いたかった!

 私の運命のひと!」


見知らぬ大理石のホール、絶対日本じゃないなってことが分かる、空気の匂い、質、重さ。

そして全然知らない、クラスが違うどころの騒ぎじゃない金髪の美少女が、豪華なドレスを着てオレに抱き着いて、そう、涙声で言った。

異世界なんだろう、ってことはすんなり理解できた。

していいことじゃないだろうけど。

そして、初めましてな美少女様にもどこか懐かしさを感じた理由も、分かってしまった。

嫌だけど。


「夢なら、覚めてくれ」


ひどい、悪夢だと思った。

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