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第七話 邪馬台国

御免なさい!こんなに時間が掛かったのには訳が!訳が!言い訳が!…………。見苦しい真似は辞めて……。それでは、CIPHERが書いた『第七話』どうぞー(^o^)/

「全く、この状況で気絶ですか。」

 小次郎は、ヤレヤレと言う様に首を振った。

「取り敢えず、邪馬台国に行ってみましょう。武蔵を休ませなければなりませんし。」

 小次郎はそう言うと、武蔵を軽々と背負い、歩きだした。 

「wait!コジロー。待って下サーイ!」

 マリアが小次郎を呼び止める。 

「どうしました?この様な場所に、いつまでいても無意味でしょう?」

 小次郎が、不思議そうにマリアを振り返る。 

「ココ、どこか解りまセーン。ヤマタイ国の場所も、さっぱりデース。」

 マリアが、もっともな事を言う。 

「うっ。」

 小次郎はどうやら、そこまで頭が回らなかった様だ。 

「アハハッ!マリア、コジローより頭良い!」

 マリアがクルクル回りながら喜ぶ。

 回る度に下着が見えるのだが、お構い無しだ。

 (どうも調子狂うな……) 小次郎がボケをやらかしたのは、多少なりともマリアが原因ではあるのだが……。 

「さて、どうしましょう。」

 小次郎はそれでも冷静に言う。 しかし答えは出ていない。 

「なぁ、アンタ等、何者だい?」

 困り果てている二人に、突然背後から男の子の声がした。 二人は驚きながら振り返る。 

「見かけない顔だ。変なもん持ってるし。」

 少年は、小次郎の刀を指差して言った。

 少年は十歳くらいだろうか。顔に入れ墨を入れていた。 

「hi!ヤマタイ国の子ネ?」

 マリアが子供に訊ねる。マリア独特の笑顔だ。 

「そうだよ。オイラ、那癸−ナキ−ってんだ。」

 マリアの笑顔に心を許したのだろう。那癸は自己紹介をし、ニコリと笑った。 

「拙者の名は、佐々木小次郎。」

 小次郎は、名乗られて反射的に名乗り返す。 

「私の名前はマリアデース!」

  続いてマリアが名乗る。 

「変わった名前だな。えっと……、マリアに……」

「小次郎でござる。次いで」

 小次郎は背中の武蔵を、那癸に見える様に体を捻る。

「この男は武蔵と申す。」

 武蔵はまだ目を回している。 

「小次郎、武蔵……と。」

 那癸は指差し確認をして、二人の名前を覚え込んだ様だ。 

「童よ。この男を介抱したい。集落などに案内して頂きたいのだが。」

 小次郎は自分の身元を明かさず、那癸に邪馬台国への案内を頼んだ。 

「お願いしマース。」

 マリアも那癸に頼む。 

「良いけど……、アンタ等、変な話し方だな。ハハハッ」

 そう言って那癸は笑った。 

「そうでしょうか?」

「コジロー、話し方固いヨー。」

 マリアが

「アハハ」

と笑った。自覚が無い様である。 

「ま、良っか。付いて来な。」

 那癸は、馴れた様に草原を進む。

子供とは思えない早さだ。 マリア達はその後を追う。 

「どうやら、武蔵が気絶してくれたお陰で、未来からのエージェントだと明かさずに、邪馬台国に着けそうですね。」

 小次郎は那癸に聞こえない様に、マリアに言った。 

「ヤマタイ国。楽しみデース!」

 マリアは仕事だと言う事を、スッカリ忘れてしまった様にウキウキしている。 

「はぁ〜。」

 小次郎は溜め息をつき、頭を抱えた。

 本当に、先が思いやられる……。

−卑弥呼宮殿−桜観−物見櫓−と城柵、屈強な兵士達で厳重に守られた、木造だが立派な宮殿。

 その中の、更に奥まった処にある、卑弥呼の祈祷所。

 この中には、老いた邪馬台国の女王“卑弥呼”と連絡役の男が一人いるだけだ。

 鬼道を操る卑弥呼は、神託を受ける為の占いを始めようとしていた。 

「卑弥呼様。お願い致します。」

「うむ。」

 卑弥呼は、赤々と燃える炎の中に、獣の甲骨をいれた。

そして、怪しげな呪文を唱える。 どれ程の時間が経っただろうか。 

「恰っ」

 卑弥呼は気合いを発した。

すると、くべられた甲骨にビシッとひびが入る。

その甲骨を、先端が鈎型に曲がった棒で取り出した。 

「なんと……。」

 ひびの様子を見た卑弥呼が、驚きの声を漏らした。 

「如何されましたか?」

 男が恐る恐る訊く。 

「ぬぬっ。」

 卑弥呼は信じられないモノを見る様に、マジマジと甲骨に入ったひびを見、

「これは凶兆じゃ……。」

と、うめいた。 

「凶兆とは!?」

 男が訊ねる。 

「太陽が欠けるぞ!陽が月に喰われる!」

 卑弥呼はそう叫び声を上げる。 そして

「邪馬台を狗奴が喰うのじゃ。」

そう言って、気を失った。

−邪馬台国−那癸に案内され、三人は邪馬台国に辿り着いた。

「しかし、我々が居た処は、存外邪馬台国に近かったのですね。」

 殆ど歩かなかったので、小次郎が驚いた。 

「当たり前だろぉ?そんなに遠くに一人で行かないよ。」

 那癸が言う。 

「そ、それもそうですね。」

 小次郎は納得して、改めて邪馬台国を見回した。 

「ヤマタイ国!凄いネ!」

 マリアがはしゃぎ始めた。

 無理も無い。何せ邪馬台国は、二人が思っていたより広大だったからだ。 

「これは、予想外でした。最大の国とは言え……。」

 小次郎が思わず呟いた。

 邪馬台国は、いわゆる環濠集落だ。入り口に、深い濠が掘ってある。 

「オイラの家に向かうけど、ついでに案内してやるよ!」

 那癸は元気良く言った。

 珍しそうに辺りを見回すマリアと小次郎に気付いたのだろう。 

「ホントに?」

 マリアが目を輝かせる。 

「それはかたじけない。」

 小次郎は那癸にガイド役を頼んだ。 

「ハハハッ!やっぱり変な話し方だ。」

 那癸は笑いながら先頭を歩く。 

「何か聞きたい事が在ったら言ってくれよ。」

 三人は濠を渡り切った。


 濠の内側には数え切れないほどの民家がある。


民家の外観は、あまり大きくはなく、屋根を茅で覆っている。 


「内部はどうなっているのです?」


 小次郎が訊いた。 


「内部?家ん中か?」


 那癸が変な顔をした。 


「どうなってるって、普通だよ。床掘って、柱立てて、真ん中に炉があんの。」


 那癸は、当然と言う風に答えた。

 この時代の一般的な民家の形、竪穴式住居だ。 


「成る程。」


 小次郎は何度か頷く。

マリアは話を聞いているのか、しきりと辺りをキョロキョロしている。全ての物が珍しいのだろう。 

「見た処、小規模な稲作なども行っているようですね。」

 

「当たり前だろ?変な事ばっかり訊いて。一体兄ちゃん達どっから来たんだ?」

 那癸が眉をしかめて小次郎を見た。 

「そ、それは……。」

 小次郎が口籠る。未来から来たなどと言って、歴史が変わりはせぬか……。 

「ま、いいや。悪い奴じゃなさそうだし。」

 那癸が勝手に納得した。小次郎は、内心ほっと胸を撫で下ろす。 

「hi!ナキ!アレは何デスカ?」

 マリアが那癸を呼び、一点を指差した。 

「アレか?やっと真面な質問だな。」

 那癸は満足そうにニッと笑った。 

「アレはな、卑弥呼様の宮殿さ。」

 宮殿と言うには、少々小さな気もするが、それでも民家と比べると、かなり大きな建物があった。

民家との違いは大きさだけではない。

明らかに竪穴式住居ではなく、しっかりとした箱型住居だった。 集落の丁度中心だ。 

「随分と厳重な警護ですね。」

 卑弥呼宮の周りに張り巡らされた柵と、重装をした兵士、そして、宮殿よりも高くそびえる物見櫓を見て、小次郎は感心した様に呟く。 

「そりゃそうさ。卑弥呼様は邪馬台国の女王だからな。」

 

「ヒミコ、どんな人なんデスカ?」

 マリアが訊いた。 

「う〜ん。よく解んねぇや。卑弥呼様は外に出ねぇんだ。ただ、卑弥呼様は鬼道の使い手で、占いは外れた試しが無いんだ。」

 那癸が説明する。 

「鬼道……。」

 コジローが眉を寄せ考え込んだ。 

「呪術の類だろうか……。」

 誰にも聞こえない位の声で呟く。いずれにしても、ただの女王ではなさそうだ。 

「キドー、凄いネ!」

 マリアには深い考えは無いのだろうか?などと、小次郎の考えが脱線し掛けた時だ。 

「二人とも、オイラん家に着いたぞ!」

 那癸が一つの民家の前で手招きをした。

場所は変わって狗奴国の一角。 三人の男が身を隠す様に集まっていた。 

「しかし、何故邪馬台国などと言う、文化の遅れた小国を滅ぼそうとするのです?」

 劉が言った。 

「なーに、簡単な事よ。この“邪馬台”っちゅう国は、良くも悪くも日本の基盤になる国っとぉ考えちょる。ワシは日本人として、まず日本を変えたいのよぉ。ワシ等の理想郷は、邪馬台から始まるんぜよ!」

 男は自信に溢れた顔で、劉とヘラクレスを見回す。 

「しかし、」

ヘラクレスが口を開いた。

「何故、我々ではなく、狗奴国の人間を使い滅ぼすのだ?」

 男はニヤリと笑う。

「ヘラクレスよ。貴殿は全く解っとらんのぉ。」

「一国を倒すのは、並大抵の事じゃない。」

 劉が引き継ぎ説明をする。 

「そうじゃ。だが、それだけでは完璧な説明とは言えんのう。ワシ等が直接、卑弥呼と壱与を暗殺するんは存外簡単なことぜよ。」

 男は更に補足をする。 

「ワシ等の様な奴を、駆逐する『えぇじぇんと』ちゅうんが居っての。ソイツ等ん目を誤魔化す為でもあるんじゃ。ワシ等が直接手を下すと、歪みが大きくなっての。ソイツ等に見つかり易くなってしまう。邪魔されちょう堪らんからのぉ。」

 男が捲し立てる様に言う。 その場に居る者を、納得させる力があった。 

「我々に出来る事は、狗奴国に語り掛けるだけだと?」

 劉が訊ねた。 

「そう急くな。ワシ等にしか出来ん事ぁ、いくらでも在る。」

 男は不敵に笑った。

うーん……、長い!いらんとこ多いし……。疲れたでしょ?まあまあ、次の話までお茶でもどうぞ。且~~

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