プロローグ
プロローグは私らくだが書きます(^O^)/
――世界時空管理センター。それは、世界の歴史の監視を行うことを目的に、21XX年から先進国各国に設置さている国際機関である。
今マリアはそのうちの、日本支局の局長室にいる。
「今日から、日本支局に派遣されましたマリア デース、よろしくお願いしマース」
言って、敬礼する。
「まあまあ、そうかたくならないで。僕は局長の荒木だ、よろしくねマリア君」
彼女の正面にある大きなディスクに座っている黒いスーツ姿の局長、荒木は、笑顔で答えた。彼は年齢五十歳くらいの、丸っこい体格をした人の良さそうな男性だった。
「君、まだ二十歳だったっけ? 若いね〜、それに美人だ。ああ、普通にしてていいよ」
荒木は小さな丸い眼鏡を掛け、ニコニコしながら言った。厭味のない口調だ。
「失礼しマース」
マリアは敬礼を解いた。
荒木は頷くと、ディスクの上の用紙を手に取り、それに目をやりながら口を開いた。
「マリア君は、もともとイギリス支局所属だったっけ。報告書では、本人の要望により――とあるが、どうしてまた日本に?」
「それは、ワタシが日本の歴史に興味があるからデース。特にサムライとかニンジャに憧れてマース」
「ガハハハハッ、面白いね、君」
荒木は豪快に笑った。マリアはなぜ笑われたのか分からず、首をひねる。
荒木は「うんうん」と楽しそうに頷き、「分かった。じゃあ、今日からさっそく働いてもらうんで、今から”巡視課”のほうに行ってくれたまえ」と告げた。
「ジュンシカ……って何デスか?」
マリアは分からず訊いた。
「う〜ん……つまり”パトロール・セクション”のことだよ。そこの課長の牧野という男に、君のことは話してある。まずは彼に会って話を聞きなさい」
「”マキノ”……”ジュンシカ”……OKデース、わっかりマーシタ」
マリアは言うと、再び敬礼して「それでは行ってきマース」と付け加え、局長室を後にした。
局長室を出て、すぐに問題が発生した。
「ジュンシカ……ジュンシカ……ってどこデスか〜」
意気込んでやってきたものの、マリアは”巡視課”の漢字が読めない。すぐに迷子になってしまった。
「困ったデース……困ったデース」
廊下をとぼとぼ歩きながら、マリアは途方にくれていた。
と、突然、背後から男の声が彼女を呼び止める。
「何がそんなに困ったデスか〜?」
「エッ!」
びっくりして振り返ると、そこにはヒョロリとした長身の若い男が、ニヤニヤと意地悪そうな笑みを浮かべて立っていた。年はマリアより十は上だろうか、顔はわりとハンサムなのに、無造作に伸ばした長い髪と口元の無精髭がどこか貧乏臭い。それに、せっかくのワイシャツがヨレヨレでだらしないし、ネクタイも曲がってくたびれている。
「アナタ、誰デスか?」
マリアは訊いて、肩まである自分のブロンドを整えた。
「俺? 俺はこれでも一応ここで働ているもんだ。あんた新人さん?」
「マリア デース。イギリス支局から派遣されマーシタ」
「へ〜……美人だね」
男は、先程局長が言っていたのと同じ言葉を口にした。
「アリガトございマース。それより、”ジュンシカ”ってどこにあるかおしえてほしいデース。そこのマキノというひとと会わなければなりまセーン」
言うと、男はニヤリとして、言ってきた。
「巡視課の牧野は俺だよ」
「what!? ホント?」
マリアは目を見開いて声をあげた。牧野は頷く。
「全然想像とちがいマーシタ」
「はははは、もっと偉そうな人間だと思ったかい?」
「イエース」
「正直だ」
牧野は頷くと、
「それじゃ、さっそくだが君の仕事場におけるエージェント(代行者)を捜しに行く。もう誰にするか決めているのか?」
と訊いてきた。
「ハイ、決めてマース」
マリアは笑顔で返事を返した。
すると、牧野はイタズラっぽい笑みで、
「分かりマーシタ。じゃあ俺についてきてくだサーイ」
と告げた。
「変なしゃべり方デース」
マリアは自分のマネをされているとも知らずに、プッと吹き出した。
次はCIPHER君にスイッチします!
お楽しみに(^。^)y-.。o○