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美少女死神に『まだ早い』と追い返されました2 ~今日も魂が輝いています~

同棲二年目。
俺――鈴木誠一(36)の隣には、今日も銀髪の美少女がいる。

彼女の名前はクロハ。三千歳の死神。
無表情で、冷たくて、でも――誰よりも優しい。

「私も、普通のカップルのように外を歩きたい」

クロハは俺にしか見えない。
だから、手を繋いで街を歩くことも、カフェで向かい合うこともできなかった。
窓の外を見つめるクロハの横顔が、どこか寂しそうで。
俺は決意した。死神の世界には「顕現権」という制度があるらしい。

「『顕現目的陳述書』? 『関係性証明書』? なんだこの量は」
「私も初めて見た。官僚的だな」
「お前の職場だろ!」

膨大な書類と格闘すること数日。
ついに取得した顕現権で、俺たちは初めての「普通のデート」に出かけた。

「このケーキ、美味しい」
「そうか。よかった」
「……誠一も食べろ」

無表情のまま、フォークを差し出してくるクロハ。
三千歳の死神に「あーん」されるのは、どういう状況なんだ。

初めてのカフェ。初めてのお花見。初めての夏祭り。
浴衣姿のクロハは反則的に可愛くて、俺の理性は毎回限界だ。

「……あの店員、お前をじろじろ見ていた」
「気のせいだろ」
「気のせいではない。……お前は私のものだ」

時々見せる独占欲。無表情なのに、耳だけ真っ赤。
三千歳の死神が嫉妬するなんて、可愛すぎるだろ。

「葉が死んでいく」

秋の紅葉を見て、クロハはそう言った。
三千年、無数の魂を見送ってきた死神には、紅葉も「大量の死」に見えるらしい。
でも、クロハは続けた。

「人間は、これを美しいと言う。……不思議だな」

死を見つめ続けてきた彼女が、今は生の美しさを知ろうとしている。
俺と一緒に、季節を、日常を、人生を。

「お前の魂、今日もすごく輝いているぞ」

その言葉の意味を、彼女はまだ知らない。
――俺の魂が輝くのは、お前がいるからなんだよ。

三千歳の死神と、元社畜の人間。
永遠を生きる彼女と、いつか終わる俺の命。
それでも、今この瞬間が愛おしい。

甘くて、切なくて、時々笑える。
ちょっと変わった二人の、かけがえのない日常が始まる。
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