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かみさまのまちがい

 ある町に、海くんという男の子が住んでいました。

海くんはあまり元気がない子でした。

だから、学校では友達が一人しかいませんでした。

その友達の名前は塔太くんといって、元気のいい優しい男の子でした。

だから、クラスのみんなは塔太くんの事を好きでした。

 二人は登校も下校もいつも一緒にしていました。

 海くんは、学校では塔太くんとしか話をしませんでした。

他の子が話しかけてきても、海くんは下を向いてウジウジしているだけでした。

そんな海くんが塔太くんとだけは話をする理由は、塔太くんのことが大好きだったからでした。 海くんは、塔太くんが他の子と話をしているを見るのが、たまらなく嫌でした。

特に、女の子と話をしている時は、もっと嫌でした。

 塔太くんも海くんの事が好きな様でした。

塔太くんがいつでも話がしたいと思っている子は、海くんでした。

塔太くんは、元気のない海くんを見ると、元気を付けてあげたくなるのでした。

塔太くんが海くんに話しかけてあげると、曇っていた海くんの顔も、花が咲いたように明るくなるのでした。

 ある日、海くんはいつものように塔太くんが迎えに来るのを、家で待っていました。

でも、何分立っても塔太くんは来ませんでした。

海くんは、半分意地になっていました。

でも、最後にはお母さんに追い出されて、結局一人で学校へ行く事になりました。

海くんの心の中は、今にも雨が降ってきそうなくらい、どんよりと曇っていました。

そして、塔太くんが僕を迎えに来なかったのは、僕のことが嫌いになったからだと、海くんは思いました。

 学校に着いてみると、勉強の時間が始まっているはずなのに、塔太くんは来ていませんでした。

海くんは淋しくなってしまいました。

 学校が終わっても塔太くんはとうとう来ませんでした。

今日は塔太くんに合えなかったと思うと、海くんは悲しくなってしまいました。

海くんは空に浮いている雲のようでした。

元気のいい塔太くんは、いつもサンサンと輝いているお日様みたいなものでしたから、塔太くんがいないと、海くんは春に浮いている暖かくてふわふわな真っ白な雲にはなれなくて、梅雨のどんよりと曇った雨雲になってしまうのでした。

 海くんは、自分が塔太くんのことを他の誰よりも好きだと思っていました。

「僕が女の子だったら、大人になってから絶対塔太くんと結婚するのに。」

 海くんは心の奥で、そうつぶやきました。

海くんは塔太くんのことがとっても大好きでした。

けれども自分が男の子なので、どうしたらいいのか分からなかったのです。

 その夜遅く、海くんは夢の中で天使と話をしていました。

「海くんは今男の子の体をしてるよね。でも実はね、海くんが男の子なのは間違いなの。神様が海くんを作った時、男の子と女の子の体を間違えたの。今日私が来たのは、海くんを女の子の体に戻すためなの。あなたが目を覚ました時、ちゃんと全部元通りになっているわ……。」

 そうして何時間か経ちました。

「海ちゃん。朝よ起きなさい。」

 海ちゃんはお母さんの声で目が覚めました。

そして学校に行く用意をして、塔太くんが迎えに来るのを待っていました。

「う~み~ちゃん、学校にいこ。」

 塔太くんが迎えに来ました。

「おはよう、塔太くん。」

 海ちゃんは元気よく塔太くんにあいさつをしました。

「海ちゃんはいつも元気だな。」

 塔太くんが言いました。

「いつも塔太くんと一緒だからだよ。」と海ちゃんはにこにこしながら言いました。

 そして塔太くんは少し照れながら言いました。

「大人になったら絶対俺の所にお嫁さんに来いよ。」

「うん!」

 海ちゃんも照れながらうなづきました。


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