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ゴルゴ13の猿真似で跳弾撃ちをしてみたらこんな事になった

作者: さとる

 男なら誰しもがゴルゴ13に憧れる。

 中二病と言えばそれまでだが、そんな時期があるものだ。

 それが直らず中学で渡米し、アメリカの高校を出て狙撃手になった奴がいる。


 俺だ。


 ま、俺のことはどうでもいい。

 ゴルゴ13の特技に跳弾撃ちがある。

 障害物があって狙撃できない対象を、跳弾の弾道を計算して暗殺(ヒット)する。


 例えば1km先の雨樋に弾丸を当て、その跳弾が250m先の看板に当たり、更にその跳弾が対象の心臓を撃ち抜く、そんな具合だ。

 神業中の神業と言っていい。


 現代のようにAIが発達した時代では、精巧な都市の3D地図を作製し、風向き、気温、湿度等のあらゆるデータを読み込ませ、跳弾を使用して対象者を暗殺することは一応、技術的には可能になっているが、俺はゴルゴ13と同様、AIを使わらずに成功させたい。


 彼を崇拝する俺は、その跳弾撃ちの特訓を重ねていた。

 最初はAIの補助をつけていたが、100回、1000回と続ける内、使用する武器と弾丸を変えなければ、狙ったところにある程度当てられるところまできた。


 そんな時、州の政治家を暗殺して欲しいという依頼が来た。

 ところがその人物はガチガチに警護され、狙撃可能地点は全て州警察が監視している。

 俺の跳弾撃ちが活躍する場が来たのだ。


 俺は5km離れたビルの屋上にいた。

 2km先のビルの看板に当て、その跳弾を150m先の信号機に当て、その跳弾がそのまま州知事の心臓を貫く……予測としてはこうだ。


 意識を集中し、引き金を引く。

 消音器を付けているので銃声は殆どしない。

 頭上で凄い音がして、真っ暗になった。


 何が起きたのかわからなかった。

 足元には頭の上半分がなくなって血まみれになっている俺がいた。

 どうやら俺は死んだらしい。そして幽体離脱状態のようだった。


 頭上を確認すると、ビルの屋上に設置されていた看板が落下し、俺の頭部を直撃したようだった。どうやら跳弾の軌道を計算ミスし、頭上の看板に当たり、落下させてしまったようだ。


 恥ずかしい。実に恥ずかしい。そして滅茶苦茶みっともなくて情けない。

 しかしこれがスナイパーとしての最後の仕事になってしまった……。


 お前は誰かって?

 俺はインターネットと霊魂を接続して、この文章を打っているのさ。

 じゃあな!!

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