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 萌は地下の倉庫を探険していた。

 ずーとどんな物があるのか気になっていたのである。

 所狭しと様々な物が置いてあった。

「うわあ、何があるんだろうなあ」

 萌はキョロキョロと目を動かしながら、歩を進めていった。

 可愛いデザインの陶器の器がある。

「かわいいこれ」

 萌がなんとなく、それをツンツンと指でつつくとそれは棚から落ちた。

「あ」

 ガシャン!

 萌は壊れた物をジーと見ていた。

「あとでおじさんに謝っとこ」

 再びキョロキョロと散策をする。

 目の前に黒い棺のような物があった。なんだかやけに目を引く。目を一度離してみたが、吸い寄せられるようにまた見てしまう。

「なんだろ、これ」

 萌は棚からそれを引き出して床に置いた。

「よいしょ」

 その棺は木でできていて、萌にはそれなりに重かった。

「棺桶? なんかの死体入ってたらどうしよ」

 少し不安になりつつも、そうっと棺の蓋を開けてみた。

 中で人形が寝ていた。

「この子、綺麗……」

 萌はぱっと閃いた。この人形が動いたら素敵だろうと。

 熊谷がおじさんの魔法で動いてるんだから、この人形も自分の魔法で動かせるんじゃないかと思ったのである。

 だって生きているみたいなんだもの、この子。

「おじさん!」萌はカウンターにダンッと手をついた。

「だめかな」

 信也は地下室上の喫茶店で料理の仕込みをしていた。

「なんで!」

 萌はどうしても動かしたいと思っていた。

「だって、凄く綺麗だよあの子!」

「熊谷がなんていうか……」

「熊谷の人形なの?」

「んー、友達かな」

「へー、じゃあ動いたら一緒に遊べるじゃん」

 萌は目をキラキラとさせながらいった。

「色々あんだよ熊谷にも」

「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 カラン、カラン

「ただいまあ」

 買い出しの荷物を抱えて熊谷が帰ってきた。

「お帰り!」

 萌は熊谷に抱きついた。

「ねえ、ねえ」

「なんだよ離れろよ」

 うっとうしそうにしながら、熊谷は荷物をテーブルに置いた。

「ねえ、地下の倉庫にいる熊谷の友達、あたし動かしていい?」

「友達?」


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