旧校舎の少女
とある小学校のとある教室で、2人の少女が話をしている
「ねえ優ちゃん、この学校の七不思議の一つの『旧校舎の少女』って、知ってる?」
「知らない、そもそもこの学校に七不思議なんてあったんだねー、それで、何それ?」
「なんかね、深夜に、隣の旧校舎の一番上の一番奥の教室に入ると、白いTシャツに水色のスカートを履いた女の子がいるんだって」
「美久ちゃんとおんなじ格好なんだ、それで、会うとどうなるの?」
「食べられちゃうらしいよ」
「ふーん、怖いね」
「ねえ、今夜行ってみない?」
「えっ?!やだよ!もしいたらどうすんの?!」
「大丈夫だよ、どうせいないから」
「うーん……でも、夜外出るとママに怒られるし……」
「ちょっと見たらすぐ帰るから大丈夫、バレないって」
「そう……だね、うん、うちすぐ近くにあるし、行ってみよっか」
「よしっ!決まりね!今夜1時ぐらいに学校の前で待ち合わせしよ?」
「うん!」
その日の夜
「遅くなっちゃった、怒ってるかな……」
学校に着く
「ごめんね、遅くなっちゃって」
「もー!遅いよ!」
「ごめんね、それよりさ、着替えてないの?」
「ん?うん、だって、別に着替えなくても良くない?」
「まあ、そうだけど」
「それより、早く行こ?」
「うん」
カツーン、コツーン、カツーン、コツーン
「暗いね……」
「そうだね」
「やっぱ怖い……」
「大丈夫、何もいないよ」
「…………やっぱり、私帰る」
「えっ?せっかく来たのに?」
「だって怖いんだもん」
「大丈夫、何かあったら優ちゃんのことは私が守ってあげる」
「……じゃあ、ちょっとだけだよ?ほんとにちょっとだよ?見たらすぐ帰るからね」
「うん!約束!」
最奥の教室に着く
「ここ?」
「うん、そうだよ」
「普通の教室みたいだけど……」
「でも、トイレの花子さんだって普通のトイレにいるよ?」
「そうだけどさ……」
「じゃあ、入ろ?」
ガラガラガラ
扉が開く
「失礼しまーす」
「……何もいないね」
「ね?どうせ何にもいないって言ったでしょ?」
「そうだね、あーよかった」
「じゃあ、帰ろっか」
「うん……って、あれ?赤いワンピースなんて着てたっけ?」
「ん?」
「だって、白いTシャツと水色のスカートだったよね?」
「あー、気づイちゃっタ?」
「……え?」
グワッ
「うそ……?じょ、冗談、だよね?お、おどかさないでよ、や、やめ———」
ガブッ、バキ、ベキ、ボキ、ゴキ、ゴクン
「ふー、美味しかった、ごちそうさま」
数年後
同じ学校の同じ教室で、ある2人の少女が話していた
「ねえ紗耶ちゃん、この学校の七不思議の一つの『旧校舎の少女』って、知ってる?」
「んーん、優ちゃん、なあにそれ?」
「なんかね、深夜に、隣の旧校舎の一番上の一番奥の教室に入ると、赤いワンピースを着た女の子がいるんだって」
ホラーを書いたことが今までないのと、自分自身ホラーが大の苦手なので、あまり怖くないかもしれませんが、読んでくれてありがとうございました!