8抄 〜ボーイッシュ社畜女子が余命いくばくの同僚女子と百合恋に落ちる話〜
どうでもいいや。
〜ボーイッシュ社畜女子が余命いくばくの同僚女子と百合恋に落ちる話〜
こんな自分が大嫌いなんだろう
からまわり、朝日のおとずれなんてカミサマは無情だ
たいくつな首ひもを結びなおし、退廃的なジャケットにモーニングコール
キャラメルのカフェインだけが救いだろうか?
走り出す自転車は、空気がない
ああ、人生の赤信号は何色だろうか
どうせなら、いまここで止まってしまってもいいんだ
そんなことをよぎるのは、就業過ぎの夕暮れ
カチカチ時計と、グダグダ私だけの残業、しずかなリアルが背をなめる
こんな自分にも愛が芽生えるのだろうか
いつだって、孤独のほうがよくてヒトサマは偽善だ
たいくつな煮沸音、のびきったラーメンはクタクタと、もじゃくれて
やまづみの自虐だけがわたしの世界だ
スマホの電池は、ひゃくぱあで
ああ、にんげんの電池はどこで充電すればいいんだ?
だれもそんなこと教えてくれないのは、無知だからだろうか
いまさら嘆いたって、深夜のコンビニに居所なんてない
カサカサポテチと、ぱりぱりおにぎり、うまくいかないのは自分のせいか?
こんな自分を抱いて生きているんだろう
まあいいや、こんな自分がますますキライになった
ここまでくればかわいいもの
うらがえしの偏愛、のみこんだアイデンティティは平穏にいだかれて
半壊したじぶん、まだつかえるだろう?
ああ、だって腹の虫はそんなこと望んじゃいない
これでいいじゃん。わたしはわたし。それ以上なにを求めるの?
あたらしい一秒と、とおりすぎた幻想、すべてのネガティブは自分の劇場だ
そうだろう?
こんな自分に笑いかけてくれたのは何故だろうか
わらうなよ、どうせ私はこんな女だ
偏屈なネコ騙し、推したところであんたに何の得がある?
裏返った自尊心がわたしの防衛線だ
手渡しお菓子は、涙の味で
ああ、私は、どうして泣いている?
こんなの認めない。認めたくない。私はひとりで生きたくない
無邪気な笑顔と、かさなる日々と、短い命を駆けるあんたはそれでいいのか?