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CALPIS  作者: days
3/4

Story3

部屋に戻ると、部屋は掃除前より荒れていた。泥や水、手鏡などが割れていた。

手鏡は、少年が初めて貰ったものだった。名前や顔は思い出せない誰かから貰ったものだ。

その人は、少年に会いにきたわけではなかったが、ずっと1人で孤児院の掃除をやらされて

いた少年に、初めて優しくしてくれた人だった。

その鏡は、最初で最後のプレゼントだった。

それ以来、少年を優しく見てくれる人は1人も来なかった。

少年は、手鏡の破片を集めた。

そして無言で、ただひたすら手鏡の枠に押し込めた。

今まで、この鏡だけはずっと守ってきた。

石を投げられるたびに、少年は鏡をかばって石に当たっていた。

少年は、初めて悔しいと思った。表情に丸きり変化はないが、拳が固くなってきている。

拳が震え、破片を割れるくらい強く握っていた。

少年は、窓の外の連中に部屋にあるすべてを投げてやりたかった。

大切なものはもう全て壊れてしまった。

もうこの部屋にあるものに意味はない。

だが、できない。むしろ、またしょうがないと思って笑ってしまいそうだ。

その理由はある。自分にある、特別な能力についてだ。

だが、これが特別人に害を及ぼすものではない。

いや、もはや誰にも見せたことがない。

つまり、引き取り手が来ないこととは関係ないということだ。

少年は、部屋を出た。孤児院さえ飛び出したかった。

こんな自分だけひどい扱いを受けているんだ。嫌になって当然だ。


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