ローレル
アザミちゃんとリンドウくんの周りが不穏なお話し?
アザミ……リンドウの娘、父から勇者の称号を受け継いだ。
ローレル……国1番の剣の使い手の青年、ローズ姫に妹の治療と引き換えに色々頼まれてる
リンドウ……アザミの父、先日の魔王との戦いで怪我を負い勇者を引退した。
ローズ……リンドウを愛するあまり娘のアザミと勇者としての敵である魔王を亡きものにしようとしてる。(人称はわたくし)
読み込みはちゃんとにしてね!
ふざけてやるのはやめてね?
難しい漢字とか使ってないつもりだけど読み方とか分からなかったら調べてくれい
あとやっちゃやな事はマイページ的なのに書いてあるから読んでね〜
前書きに人物紹介等書いてあります
アザミ(♀)
ローレル(不問)
リンドウ(♂)
ローズ(♀)
ナーレション(不問)
N:豪華な作りの部屋の清潔なベットに男は横たわっていた。凛々しい顔立ちの男の顔色は悪く微かに死を思わせる香りが漂う。
傍らで涙を流しながら男を心配する娘とその横で表情を崩さず佇む精悍な顔立ちの騎士。
リンドウ:アザミ……
アザミ:パパ……っうぅ、ごめんなさいっ……ごめんなさいっっ……
N:弱々しく娘の頭を撫でる男は娘の父でこの国の勇者…
いや、元勇者であった男……
ローレル:勇者様、リンドウ様の処置は医師達に任せて我々は稽古に戻りますよ。魔王に深手を負わせたと言っても奴らの回復力は凄まじい……
いつ仕掛けてくるか分からないのです。
アザミ:いや、私は勇者じゃない!勇者はパパっ……父さんだ!!私にはなんの力もない……わたしには
リンドウ:アザミ!修行に戻りなさい!
アザミ:父さん……
リンドウ:お前は私に倒せなかった魔王の右腕を切り落としたのだ、大丈夫……お前ならできるよ
N:娘は先日、魔王と勇者の戦闘中。勇者を助けるために剣をとり、魔王の右腕を見事に切り落とした。それによって魔王をしりぞる事に成功した。先の大戦以来動きの無かった魔族達は魔王に傷を負わせたことで活発に活動を始める。
先日の戦闘で深手を負った勇者……いや、元勇者は療養中。戦うことは出来ない。そこで魔王に深手を負わせ、魔王に勇者と言われた娘が次の勇者として戦いに参加することとなった。
リンドウ:ローレル……アザミを頼む
ローレル:お任せ下さいリンドウ様、勇者様は元々貴方様に似て剣の素質がある、必ずや国1番の剣の使い手にしてみせます。
リンドウ:はは、君を超えるのはなかなか骨が折れるだろうが、いつでも有言実行の君が言うんだ。きっとアザミは強くなる……
アザミ:父さん、嫌だよ。勇者は父さんの称号、私は、私には……
リンドウ:アザミ、分かりなさい。おまえはそれだけの事をしたんだよ。……アザミ、辛いことも有るだろうが勇者として、立派に務めを果たしなさい。
アザミ:父さん……
ローレル:さぁ、勇者様。リンドウ様のお身体にも触ります。戻りましょう
アザミ:分かりましたローレル様……
ローレル:勇者様、私に様付けは不要です。
勇者様、貴女はもうこの国の勇者様なのです。この国において勇者の称号の重さはお父上をみていておわかりでしょう。
アザミ:はい、ローレル。
リンドウ:ローレル……
ローレル:はい
リンドウ:……いや、なんでもない。…ローレル、西の花壇の花はそろそろ咲いただろうか?
ローレル:見て参りましょう……。
リンドウ:悪いがもし青い花が咲いていたら1輪摘んで来てもらえないか?
ローレル:かしこまりました。
リンドウ:棘が刺さるといけない、近くの小屋に棘を避けるためのものがある。これは小屋の鍵だ……。
N:首から下げていた鍵をリンドウはローレルに渡しほほえむ。ローレルは鍵を受け取り首からかけて服の中にしまった。
アザミ:父さんお花が見たいの?明日私も摘んできます!
リンドウ:ありがとうアザミ
ローレル:さぁ、勇者様。
N:城にある修練場の中であまり使われてない場所。ひとけのないそこで剣の修行は行われる。
ローレル:重心が右にいきすぎです。短剣での防御が遅いです!足さばきがなってません、左の短剣での防御に意識がいきすきです。右の剣の刀身が傾いています。常に私にむけてください。
アザミ:はい!っ……はっ!うっ!せい!!……っあっ!
ローレル:怯えを捨てなさい、まだ木剣での打ち合いですよ。しっかりと相手をみなさい。
構えが崩れています、剣をクロスさせない!
アザミ:あっ!きゃっ!!
N:ローレルの下からの切りあげる剣さばきにアザミの両手の木剣は弾き飛ばされる。剣先がアザミの眼前でピタリと止まる。
ローレル:基本の姿勢をどんな時も崩してはなりません。
アザミ:はぁ、はぁ……はい……っ、いたっ……
ローレル:打ち合いはここまでにしましょう、外周の走り込みをしましょう
アザミ:うっ……はぁはぁ……はっ、はい!
ローレル:私はこの後所用が有るのでここで失礼します。勇者様、基礎訓練をしっかりとするように。
アザミ:はい。……あの!ローレル様…あっ、ローレルさん!アンズは!体調はどうですか?……前にあった時はその…随分顔色が悪かったので……
ローレル:……大丈夫です。妹はローズ姫様のご好意で今は城で医療魔法師団の治療を受けています。
アザミ:そうなのですね!良かった……城に居るのなら今度会いに
ローレル:勇者様、いくら勇者の立場とはいえあまり深く立ち入られるのは御遠慮願いたいです
アザミ:あっ、あの……
ローレル:では、失礼します
N:ローレルは城の西側にある荒れた林の中を進み、古びた小屋に辿り着く。小屋の西側には石で囲った花壇のような場所があった。花壇にはアザミの花が咲き乱れている。ローレルは石の隙間から1輪の青い花が咲いている場所を探しだす。その花の咲いている石を退かすとそこには鍵穴があり、リンドウから渡された鍵を差し込む。アザミの花達が生き物のように道をあけ、アザミの花が避けてできた空間に小さな鍵の着いた箱があった。箱の表面には細やかな細工がしてある。ローレルはそれを腰に下げてある皮袋に入れ、城に戻った。
ローレル:ローズ姫様、リンドウ様より秘密裏に頼まれこちらの箱を回収して参りました……
アザミ様に付き添い続けておりますが、リンドウ様より魔王とリンドウ様の関係性の分かる情報はありませんでした。
ローズ:(ビンタ音)……報告の時にあの娘への様付けは不要ですと、何回言ったら分かるのかしら?ローレル様?
ローレル:申し訳ございません。
ローズ:まぁ、いいでしょう。それで、その箱と言うのは?
ローレル:こちらです。
ローズ:ふぅ〜ん……鍵がついてますねぇ、中身は何かしら?
ローレル:それは聞いておりません。
ローズ:見た所この細工、魔術がくみこまれてますね。鍵なしには開けられそうにないです……
まぁ、この箱はこちらでも開けられないかやってみます。鍵の入手頼みますね?
ローレル:……かしこまりました。
ローズ:ふふふ、リンドウ様。あの娘も魔王も全て亡きものにしてみせます。そうすれば!私達は何の障害もなく結ばれる!前回は魔王に娘を殺させて優しい貴方が魔王を殺すための理由を作ろうとしたのに、あの小娘のせいで貴方は怪我をして、あろう事か娘が勇者などと呼ばれるようになってしまいましたが……次こそは2匹とも亡きものにしてみせましょう。そのためには情報がもっと必要……。ローレル様?わかりますよね?貴方の情報が必要なのですよ?
ローレル:はっ。重々承知です、必ずやお役に立ってみせます。
ローズ:ふふふ。ならいいのです。貴方がしっかりと役にたってくだされば、アンズさんもきっと良くなりますからね?
ローレル:姫様の慈悲深い施し心より感謝申し上げます。
ローズ:ふふふ、良いのですよローレル様。
……勇者様、あなたはきっと何か魔王に弱味を握られているに違いありませんわ、優しいあなたですものね。女の魔王を殺せなかっただけですよね?ですから私がなんとかして差し上げます……待ってて下さいねリンドウ様!あぁ、私の勇者様!!
N:勇者の肖像画をうっとりとした瞳で見つめる夢見がちなお姫様。果たして彼女の恋心の為にこれから幾人の者達が苦しむこととなるのか。高揚する頬で微笑む姫様はそんな事は露ほどにもかんがえていないのだろう。姫に従う騎士にこれから起こる苦難はどのようなものなのか。
読んでくださりありがとうございます(ノ*°▽°)ノ
続きもゆっくり書くので良かったらやって下さる方が居てくれるととても喜びます