リンドウ
読んでくれてありがとうございます
声劇やる際読み込はちゃんとにしてね!
ふざけてやるのはやめてね?
難しい漢字とか使ってないつもりだけど読み方とか分からなかったら調べてくれい
あとやっちゃやな事はマイページ的なのに書いてあるから読んでね〜
アザミ(♀)勇者の娘(行方をくらませた勇者が自分の娘として連れてきて育てている娘(実子))
ティソ(♀)魔王(アザミの母、その事を知っているのは勇者だけ)
リンドウ(♂)勇者(アザミの父)
ナレーション(不問)
※「」ついてないリンドウのセリフは心の中の声的なやつです( ´ཫ`)
リンドウ(♂)…
ティソ(♀)…
アザミ(♀)…
ナレーション(不問)…
N:朝日が昇る……街を見下ろす丘から朝がおとずれる。陽の光は剣を掲げた勇敢な男性の石像やその像の周りに咲く色とりどりの花、そしてまわりに置かれている花束を照らしていく。その像の下には勇者像と掘られ星の形の青い花の模様が添えられている。
ティソ「勇者様……貴方は紛れもない勇者様……」
N:野草を綺麗に束ねた美しい花束を持ち、ローブで顔を隠した小柄な女性が誰も居なかった丘にふわりとした風とともに突然現れた。彼女は花束を勇者の像の一番目立つところに置いた。
ティソ「勇者様……
あなたの為に今日も花束を用意しましたよ。
黄色いカーネーション
オレンジの百合
アザミ……
綺麗でしょう?
あなたに捧げるために魔法で毎日育ててるんです。
何度石で打たれても、罵られても。あなたに届けます。
勇者様、あなたは紛れもない勇者……あなたに殺された者達の分も私はこの花束を届けます。」
リンドウ「ティソ……」
N:像の影から像より少し凛々しく歳をとったような男が歩み出てローブの女性に語りかける
ティソ「……勇者様、流石だな。気配がなかったぞ。驚きだ……」
リンドウ「全く驚いていないだろう貴女は……。それにその呼び方は辞めてくれ……俺には貴女から貰ったリンドウと言う名前が……
ティソ「何を仰る勇者様。貴方は勇者様だ、他の敬称はもはや要らぬだろう……フフ」(遮るように)
N:皮肉げに笑うと彼女は勇者に手をかざす。勇者は悲しげに彼女を見つめる。
彼女のかざした手の前に赤紫の針のような光が集まっていく
リンドウ「もういい加減こんな事はやめないか?ティソ?」
ティソ「やめたいのか勇者様?それでも貴方は勇者様か?……貴方がやめたなら我々魔族はまた、人との闘いに身を投じるのみ……そうだなぁ、貴方が避けずにここで死ぬと言うのなら。貴方の大切な娘から殺していかねばならないなぁ……敗れた勇者の娘となれば村の者も我らが魔族も、さぞかしもりあがり、惨たらしく殺されるだろうな?」
リンドウ「っ!!アザミは君の!!」
ティソ「殺さねばなるまいな?……いや、姿をくらませた貴様が連れてきた出処のしれぬ娘など、貴様の加護が無くなれば私が殺さずとも殺されるかな?お前にぞっこんのローズ姫などそうでなくともあのこを殺したくて仕方ないだろうと言うのに……クックック」
リンドウ「っそれは!!あっ!う゛っ!!!」
N:無数の光のトゲが勇者様の体に向かい攻撃する。鋭いトゲは身を屈ませた勇者様にかすり傷を付ける
ティソ「避けぬのかな?勇者様?」
リンドウ「あてないのかい?……ティソ?」
ティソ「おやおや?この後に及んで呼び捨てか?よもや私なのど魔王として取るに足らないと?フッ、流石はお強い勇者様」
リンドウ「魔王が殺す気で当ててるなら俺はとっくに死んでるよ……ティソ……なぁ、話し合いではどうにもならないのか?」
ティソ「自力で魔法も使えぬ貴様ら蛮族と、我ら魔族はそもそも習慣が違う文化が違う……ともすれば考え方など違って当然。お互いの利益不利益が出てくる、共に協力してなど夢物語であろう?また我らを寿命の長い魔石程度にしか思わぬ貴様ら野蛮な人間となど我らが話すと思うか?そして貴様らは魔石の言ってることを聞くか?」
リンドウ「君たちは魔石でもなんでもない!生きて考える同じ心ある生き物なんだ!言葉を持ち心を持つ僕達はきっと言葉で!!」
ティソ「言葉で闘い。さらに今の小さな争い同士から大きくすると、流石は勇敢な勇者様」
リンドウ「そんなん事を言ってるわけじゃない!!きっと、きっと僕らは分かり合えると!!同じような言葉を使い考えることができる生き物じゃないか!!」
ティソ「我々は先の大戦の前にも散々話し合いを持ちかけた。そこに剣を持ち込み大戦に発展させて行ったのは貴様ら人間、そしてそれに乗ったは我らだ……同じ考える生き物だからこそ、狡がしこく考え怒り争う……」
N:苦い物でもかみ潰したかのような顔で彼女はまた勇者に向け手をかざす
リンドウ「ティソ……お願いだ……アザミの為にも平和な世の中にしたいんだ……」
ティソ「争いは既に動き出している……風化され薄れていくまで時間がかかろう……せめてお前の娘が大人になるまで大戦が起きないように願うんだな」
N:彼女のかざした手の前に現れた無数の鋭いトゲが勇者に向かう
アザミ「パパあぶない!!!」
リンドウ「アザミ!!?っっう゛っ!!」
N:無数のトゲがまた勇者をカスろうとした時バッっ少女が勇者の前に飛び出した、それに気付いた勇者は少女をかばい。かするはずだったトゲは鋭く内臓に達する
リンドウ「あっ……ザミ……無事か?」
アザミ「ぱ……ぱ?」
N:覆いかぶさった父の口から零れる赤い雫か少女の白い頬に落ちる。少女が怯えながらも頷くと父は少女の上に崩れ落ちる。
アザミ「……パパ?……パパ!!」
リンドウ「ハァ……ハァ……っ」
アザミ「!!パパ!……っぅ、んっ!」
N:父の下から這い出て父の背を見る。鋭いトゲが無数に刺さり背中を赤く染める……
アザミ「そんな!パパ!!私……パパが魔王と1人で戦ってるって……だから助けにきたの……に……ねぇ……パパ?パパ?」
リンドウ「誰が……そんな事を……」
アザミ「ローズ姫様が、辛そうに話してくれたのっ姫様は立場がついて行くことを許さないからって……ぅうう……」
リンドウ:くそ、図られた……きっとアザミをティソに殺させてまた戦にしようと。
このままでは俺が死んだ原因としてアザミが殺されてしまう……どうしたら……くそ、もう少しで兵が来るか……
N:痛みに耐えながら勇者は残り少ない命でなんとか娘を救えないか考えた。耳の良い勇者は地に伏した事で遠くからの無数の足音が近づいてくるのが分かる。
アザミ「!!来るな!!魔王!!」
リンドウ「う゛っ!!!」
N:背に勇者を庇う娘。近づいてきた魔王は一瞬にして消え、そして勇者の前に現れ、勇者を蹴り上げた吹き飛ぶ勇者
アザミ「パパ!!!」
ティソ「無様だな勇者、留めを指してやろう」
N:吹き飛ばされた勇者のそばによると背に手を当てる。温かく優しい光が勇者の背に当たり僅かに勇者の傷を治す。だが今までの状況を見ていた娘には父が攻撃されているようにしか見えない
アザミ「父から離れろ!魔王!!」
N:腰から剣を引き抜き娘は魔王に立ち向かう。娘の1太刀は魔王の右腕を切り落とした
リンドウ:ティソ!!何故よけぬ!!それに君は今俺に生命力を渡した……辞めてくれ……お願いだ……ティソ!アザミ!!
N:傷が微かに治った所でまだ一命を取りとめただけの勇者。魔王の美しい腕が地面に転がり、彼女の腕から鮮血が流れるのを見ることしかできない。
その時兵達が丘に駆けつけた
ティソ「フフフ……っ流石は勇者の娘っ……いや、新たなる勇者という事か!!この魔王の腕を切り落とすとはな!!あっぱれ!貴様が我を倒しに来るのを楽しみにしておるぞ!!勇者よ!!」
N:声高らかに広間に居る大勢の兵に聞こえるように言うと魔王の周りに突風がおき、風が彼女を包みそして風が消える頃には彼女は居なくなっていた。
その場に残るは慌てる兵と娘。そして魔王の残した腕を見つめることしか出来ぬ勇者……いや、元勇者のみ。彼が傷をおわせることの出来なかった魔王の腕を切り落とし、魔王に勇者と言わせた。その事で娘は次の勇者となる……。
これから彼女の悲しい勇者伝は始まる。
読んでくださりありがとうございます(*^^*)