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整いました
見習いの神様クロスフォード・アルベルトは空から望遠鏡で地上を見ていた。
地上は面白い。特に人が面白い。
見ているだけで飽きない。
だが、最近はいやなことばかり見るようになった。
交通事故で死んだり、通り魔に殺されたり、恋人を失い、娘を失い、いじめられたり、ひきこもったり。
そして、妊婦が死んだ。
「なんてこったい!」
上司の神様に何度もお願いした。
だが、取り合ってくれない。
でも、あきらめきれなかった。
そして、条件をだされた。
『一回だけ、介入してよい』
そこから、どうすれば、多くの人を助けられるか考えた。
考えて、考えて、考えまくった。
「整いました」
そして、本の束を持って、外に出た。




