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梶 智洋が泣いた理由
2019年4月14日、梶 智洋は手を合わせていた。
目を開けると花束が置かれたベンチがある。
恋人が殺された場所。
朝、犬の散歩をしていた主婦に発見された。
衣服が破かれ、無残な姿だった。
彼女が殺された次の日は、デートの約束をしていた。
水族館へ行く予定だった。
約束の時間になってもこなくて、電話をしたが、出ない。
こんなこと今までなかったから心配したが、2時間待っても、こなかったので家に帰った。
ふてくされて、ベットで横になっていると携帯がなった。
画面を見ると、彼女の友達からだった。
「もしもし」
電話に出たが、声がしない。
「もしもーし」
「あのね、梶君。・・・・・・・美咲が殺されたの」
何をいってるのか、わからなかった。
それから、警察の事情聴取が行われた。
彼女が殺された時間帯、自分にはアリバイがあった。
今も、犯人は捕まっていない。
「おじちゃん、だいじょーぶっ?」
ボールを持った女の子がそこにいた。
いつのまにか、泣いていた。
「大丈夫だよ」
涙を拭いて、公園を出た。
僕の彼女。大好きな女の子。
もういない、もういなくなってしまった。
どこへいったらいいかわからない。
ただ、僕は歩き始めた。




