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じいさんと孫
2064年10月8日。
老人は家でそわそわしていた。
「なにそわそわしているの」
妻にたずねられた。
「うるさい」
今日は孫が婚約者をつれてくる。
『ピンポーン』
「来た!」
急いで、玄関に行く。
「転ばないでね」
「うるさい」
ドアを開くと、孫の作太郎と女性がたっていた。
「おぅ!よく来たな!」
「うん!じぃちゃん!」
女性の方を見ると、菓子の入った紙袋を手に持ち、緊張していた。
「こ、こんにちは、時山百合子です!作太郎さんにはいつもお世話になっています」
「こんにちは!榊原豪太です!いつも、作太郎がお世話になっています!さっさっ、入って、入って!」
孫たちを家に招いて、他愛もない話をした。
~おしまい~




