2話 真実
前回のあらすじ
夢から目覚めた神月君は
いきなり知らないマンション、
しかも廃墟の中にいた
あれから30分程度ずっと同じ風景のなか走った
走るのだけならそこまで辛くはない. . .だが同じ風景の中というのが俺は同じところを
走っているのではないかという感情に何度も襲われる
いくら走っても廃墟廃墟廃墟
ある家は何かに、いや恐らく銃で打たれて穴ぼこになり
またある家は爆発したような跡がありほとんど原型が残っていない
そしてひどいものは、何が原因で壊れたかもわからないくらいに原型をとどめていない
そんな同じような風景の中30分も走り続けるのがどれ程辛いのか
やってみないとわからないものだ
それに加えどこになん十分何時間かけてどこにいけばいいのかも、そもそもそんな場所があるのかすら謎
これがどれ程精神的にしんどいか。
せめてどこら辺に街があるかなどを聞いておくべきだったと今さら後悔するが
そもそもこんなボロボロなところの近くに街があるなんてことすら可能性が低いのだ
どうせ聞いたところで短くても一時間はかかるような場所にしかないのだろう
だが俺はどうしても死にたくない、いや死ねない。
だから、走って走って走り続ける
そう心に決めてから何時間かかっただろうか
ずっと走り続けてついに街が見えた
のはいいが、安心したら腹がへったし喉も乾いた
見た感じは飲み物も食べ物も売っているが
今の俺の所持金は一万とちょっと
さすがにこんなところで働けないから金は無駄にしたくない
だが、ここで何も飲まず食わずはさすがに死んでしまいそうなので
仕方なくパン?とジュースを買い食べる. . .
まず感じたのは不味いのひとつだけ、ジュースは無味無臭の水
パンに至っては固く味もほとんどしないスポンジ状態
それでも俺は無理に腹に押し込んだ。
今気づいたがここは確かに日本だ、行き交う人々がしゃべっているのは日本語
だし顔も紛れもなく日本人. . .なのだが建っている家や着ている服は
なんというか、古いそんな江戸とか大正とかは言わないが
昭和ごろに戻ってきたみたいだ昔の歌手が着ているような服を着用し
家は現在のような家はひとつも見えない
「やあ。」
考え事をして周りが見えていなかったのもあり
いきなり声をかけられ少しビックリしたが
すぐに声の主が誰なのかがわかり振り替える
そこにはやはり俺の思った通りさっき助けてくれた人がいた
「生きていたんですね!!、さっきはありがとうございました。えっと. . .」
「陣之内だよ。」
正直頭のなかでもう死んでしまっているのではないかと思ってしまっている自分がいたので
彼が生きてくれていたことに驚いていると同時に安心していた
「ありがとうございます。陣之内さん」
もう一度感謝の言葉を伝える。
それで立ち去るべきだろうか、この人にはいくら感謝をしてもしきれない
そんな相手に俺のこの状況を説明してこれ以上お世話になるわけにはいかない
そもそもそんなことを説明しても信じてくれるわけはないわけだ。
「そういえば紹介するよ。こっちの女の子は天草千恵ちゃんだ。」
と陣之内さんの後ろからそっととでてきて挨拶をする
上手い具合に陣之内さんの後ろに隠れていたので全く気づかなかった
その女の子は少し小柄で長めのオレンジの髪がよくあっている
「よろしく. . .お願いします。」
「ああうん、よろしく。」
見た目からもすぐにわかったが
とてもおとなしそうだ。
歳は俺よりしたか、同い年かそれくらいだろう
「この子はね、君と同じく転移者なんだよ。」
「!?」
転移. . .俺が
何が理由なのかが全くわからない
突然変なところにくるまでは夢をみていただけで
その前は全く転移の原因になるようなことはしていないし
第一どうやってその転移したってわかったんだ?
「どういうことですか?」
「そうだね、いきなり転移なんて言われてもわからないよね、説明するよ。
この世界には魔法というものがある、神月君はもうみたと思うけどね
それによって君たちは異世界から召喚されたんだ。」
多分みたと思うというのはマンションでの光のことだろう
それはいいが異世界から召喚とか言われても目的が全くわからない
かといって陣之内さんが嘘をつく必要もないし
嘘だとも思えない、現に今明らかに元の世界とは違う場所にいるんだから
「それと君たちはその召喚した人を見つけないと元の世界には帰れない。」
「はあ!?」
2話の投稿です
今回も一話に続けてまた短かったですねすいません
次は長くしようと思うので許してくださいm(__)m