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塔の中 塔の外  作者: ちとせ
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アルデビルド様と相思相愛だと分かった次の日、ガウェン様から手紙が届いた。お城への招待状でした。今度こそ、一緒にお話ししようと思います。

今回も行くまでに時間があるので、新しい洋服を作ってもらうことになりました。

ワンピースとはおさらばですよ!


さてさて、時間はあっという間に過ぎまして、今日はお城に行く日です。いつものメンバーでお城に行きますよ!もちろんアルデビルド様も一緒です。

今回の服装は、ブラウスにズボン。そう、ズボンです!大事なことなので2回言いました。

クリーム色のズボンなので、汚れが目立つから鬼ごっこは無理そうです。


前回と同じような時間に馬車に乗り、同じような時間にお城に到着しました。やっぱりガウェン様がお出迎えしてくれています。


「シーネ、よく来てくれました」


満面の笑みでお出迎えです。僕も笑顔でお招きいただきありがとうございますと挨拶をする。

今日はお城の中でお茶を飲むのではなく、初めから庭園でお茶をする予定だそうです。庭園と聞いて、うっかり見て回りたいですと言いかけたけれどガマン、ガマン。今日はガウェン様と一緒に過ごすと決めてきたのだから。


「シーネ、今日は庭園を見て回らなくていいのですか?」


不思議そうな顔でこちらを見るガウェン様。僕、そんなに庭園に執着していると思われていたんですね。

ちょっとショックです。いや、今度からそう思われないように気を付けよう。人付き合い大事です。


「今日は一緒に、お話しします」


お茶を飲みながらにっこりと笑う。今日は語り合いますよ!

僕がそう言うとガウェン様は嬉しそうな顔で頷いてくれた。どうやら今まで寂しい思いをさせてしまっていたようです。王子様なのに申し訳ございません。

僕はガウェン様に近づいて、耳元で内緒話しです。


「先日は会いに来ていただき誠にありがとうございました」


練習していた言葉を口にする。片言にならないようにずっと練習していたのです!僕、頑張りました!

スラスラと言葉を口にしたので、ガウェン様は驚いていた。なんとなくいたずらが成功した気分です。


「こちらこそ突然お邪魔してすみませんでした」


ガウェン様も僕の耳元でこっそりと話をする。周りの騎士の人たちに聞こえてはいけないのです。


「ドラゴン、バレないですか?」

「父には知られていたみたいですが、何も言われませんでした」


人が乗れる大きさのドラゴンが空を飛んでいたらバレるよね。きっと飼育小屋?みたいなのもあるだろうし、お世話する人もいなくなっていたら気づくよね。


「怒られなくて、良かったです」


せっかく会いに来てもらったのに、怒られてたら申し訳ないから本当に良かった。ほっとしました。


「気にかけてくれてありがとうございます」


そう言ってガウェン様ってば、アルデビルド様に見えないように僕のほっぺにちゅうをした。

なぜこのタイミング!?

突然の事にほっぺたが赤くなる。その様子を見たアルデビルド様が怪訝な顔をしていた。

なんでもないと首を振る。危ない危ない、アルデビルド様から寒波が出てくるところだった。


それにしてもガウェン様もよくキスしてくるよね。こんなに気安くキスしてくる王子様でこの国大丈夫だろうか?

僕は男の子だから気にしないけれど、女の子だったら自分に気があると思っちゃわないかな?

そしてガウェン様は私の物よ!って取り合いになりそう。

女の争い恐ろしい!


ガウェン様の将来が心配です。これは早めに教えてあげた方がいいのだろうか?でもこれがこの世界では普通の事だったら、僕は余計なことを言ったことになっちゃう。どうしたらいいのだろう?


そんなことを考えていたらガウェン様が僕の名前を呼びながら首を傾げていた。しまった、また自分の世界に入っていたみたいだ。ちゃんとお話ししなくては。


「ガウェン様、ちゅう、恥ずかしい。見てる人、いる」


素直に口に出してみました。だって本当の事ですから!アルデビルド様からは見えなかったと思うけれど、反対側にいた騎士の人たちにはばっちり見られていたんですから!ちょっと顔赤くなってる人いますから!

僕がそう言ったらなぜか満足そうな顔で、これからは誰にも見えないようにしますと言われた。


違う、そうじゃない。

見られて恥ずかしいのもあるけれど、アルデビルド様以外からされるのが恥ずかしいのです!

毎日されていると慣れるけれど、時々会う人から急にされると恥ずかしいんです。


僕の思いはガウェン様には伝わりませんでした。

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