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塔の中 塔の外  作者: ちとせ
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久しぶりのお風呂にすっきりしました!エルゴン様に8カ月分の垢を落としてもらって、とってもすっきりです!


裸になった時にエルゴン様が痩せましたねと痛ましい顔で僕の体を見た。そんなに痩せただろうか?

自分の体を見た。うん、あばらが浮いてますね。前はもうちょっとましだった。


「エルゴン様、大丈夫?」


泣きそうな顔で僕を見ているから、思わず聞いてしまった。大丈夫ですよと無理やり笑顔を作ってくれた。そんな顔をさせてしまい申し訳ないです。

お風呂から上がって洋服を着る。久しぶりのズボンに喜びが隠し切れません。おかえりなさい、パンツ!


体がすっきりしてからご飯を食べる。

部屋に戻ってテーブルに着いた。僕1人でご飯を食べるのは嫌だって言ったんだけれども、もう食べたからって断られた。もうお昼前ですもんね。朝ご飯、普通はもう食べてますよね。気づくのが遅かった。

お茶だけなら一緒に飲んでくれるというのでお願いした。1人でご飯、おいしくないもの。


今日のメニューは具材がとろとろに煮込まれたスープです。まだ固形物は消化できないだろうからとお医者さんの指示だそうです。

栄養満点なスープですよ!久しぶりの味付きスープに思わず涙がこぼれた。やっぱりスープには味が付いてないと美味しくないですよね。

半分飲んだところでお腹いっぱいになった。ちょっと大き目な器だったし、味が付いたのを久しぶりに食べたから満足感が半端ない。


「もう、いらないのか?」


アルデビルド様が心配そうな顔で聞いてきた。


「お腹、いっぱい」


もう食べれません。せっかく作ってくれてのに残してしまい、申し訳ございません。

お腹いっぱいになったら眠くなった。ウトウトとしながら座っていると、アルデビルド様がもう寝るといいと布団まで運んでくれた。子供抱っこで。普段なら降ろしてくださいと騒ぐのだけれども、眠気に負けてそのまま運んでもらった。ありがとうございます。


夕方には起こしてもらってアルデビルド様一家と食事をした。

アルデビルド様のお母さんは僕の声が出るようになったことに感動して、涙ながらに喜んでくれた。

僕が普通に食べれるようになったら、御馳走でお祝いしましょうと言ってくれた。その日が楽しみです。


僕が戻って来てから1カ月が過ぎた。あれから少しずつ体重も増えてきました。元に戻るまでもう少しです。

僕が戻って来てから、アルデビルド様はなんだかとっても過保護になった。今まで1人の時間が結構あったのに、今では必ず誰かついている。ウェルスタイ様とエルゴン様、ちゃんと休みもらっていますか?ここ最近毎日見ている気がするのですが。


さてさて、今の前にはなぜかパフィエルがいます。少し離れた所にはアルデビルド様が立っています。

僕は椅子に座っていて、パフィエルは立っています。そう、見下ろされています。

なんなんだ、この状況。暫く沈黙がこの部屋を支配します。


助けを求めるようにアルデビルド様の見る。アルデビルド様は仕方がないと言った様子で僕とパフィエルに話しかけてきた。


「2人とも、何か言うことはないのか?」


黙り込んで下を向く僕。多分アルデビルド様は僕とパフィエルの中を取り持とうとしてくれているのだ。

きっとウェルスタイ様とエルゴン様の負担が大きいのだと思う。あの2人休んでなさそうだもんね。エルゴン様とはここ一カ月、毎日お風呂であっているものね!


ここは僕が大人になるしかないのだろうか。主に迷惑をかけているのは僕だもの。助けてもらった恩もあるから、殴られたことは水に流してやろう。

そう思って顔を上げた瞬間、パフィエルが床に座っていた。


「悪かった!」


え、予想外です。あの偉そうな男が謝っている、だと!?

予想外の展開に固まる僕。僕は夢でも見ているのだろうか、思わずほっぺたを抓ってみた。痛い。

どうやら夢ではないようです。


「パフィエル、頭打った?」


出た言葉がそれだった。うん、我ながらひどい。パフィエルもは?って顔で僕を見た。

だって信じられてない。殴って来た男が急に謝るだなんて!


「急じゃない!殴った後、暫くしたら頭が冷えてとんでもないことをしたと自分でも思ったんだ。謝ろうとも思ったがお前は近づいても来ないし、腹が立って思わず睨みつけた事もあった。けれど自業自得だよな。何が何だかわからずに殴られた上に睨みつけられたら。本当に悪かった」


もう二度と殴らない、傷つけないと約束してくれた。信用してもいいの?そう思ってアルデビルド様を見る。アルデビルド様は頷いた。それなら信用してもいいのかもしれない。


「僕も、すみませんでした」


僕も謝るとパフィエルは大きく息を吐いた。仲直りのしるしにとパフィエルは僕の手を取り、口を付けた。

僕もお返しに手を取って口を付ける。これで終わり。初めてしたけれどこの世界の仲直りの方法ちょっと恥ずかしい。いや、ちょっとどころじゃなくとんでもなく恥ずかしい!


僕は顔が赤くなるのが分かった。ほっぺたにちゅうは慣れたけれど、手にちゅうをするのは恥ずかしい!

僕の顔が赤くなったのを見たら、なぜかパフィエルの顔も赤くなった。

この場にアルデビルド様が居るから余計に恥ずかしい!

仲直り出来てよかったと笑顔で頷くアルデビルド様。本当に勘弁してください。

お父さんみたいですから!

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