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あれからなかなか眠れず、ようやく眠れたと思ったのはうっすらと夜が明けた頃でした。
寝不足です。とっても眠たいです。
ぼーっとしながら歯を磨く。さすがに洗面は自分でするようになりました。
バシャバシャと冷たい水で顔を洗って目を覚ます努力をする。
朝ご飯を食べに行き、アルデビルド様のご両親から寝不足なのを心配されて、もう少し寝るといいと言われた。
けれど、変な時間に寝たら今夜も眠れなくなるかもしれない。そう思って頑張って起きることにした。
僕の横ではウェルスタイ様が心配そうな顔でこちらを見ています。今日はウェルスタイ様が僕の先生役のようです。
正直な所、アルデビルド様だったらどうしようと思っていたので丁度よかった。
時々船を漕ぎながら、この国の地理を覚える。名産品などもあるようで、合わせて覚えていく。
それがまた眠気を誘う作業だ。
気づかぬ間にウトウトしては、ハッとなって起きる。それの繰り返し。ウェルスタイ様が何度も寝てはどうですかって声をかけれくれるんだけれど、この頃には僕も意地になっていた。
いつもよりちょっと早めの休憩に入る。メイドさんがお茶を入れてくれて、ちょっと一服。僕の紅茶には砂糖とミルクたっぷりだ。
あったかい紅茶がおいしい。ゆっくりとお茶を飲む。体が温まって眠気はピークに。
紅茶を全部飲んだ後、僕の意地より眠気が勝った。
ハッ!と目が覚めた。いつの間にか眠ってしまった。せっかく頑張って起きていたのに、夜眠れなくなっちゃう!
なんて心配僕には無用でした。気が付いたら朝でした。しっかりと寝間着に着替えています。
カーテンの隙間から朝日が差し込んできていた。とってもいい天気のようです。
一体何時間寝ていたんだろう?夕ご飯も食べずに寝続けました。
多分、夕方近くに寝たからそのまま朝を迎えたんだろうな。
朝ご飯の時にみんなに心配されました。どこか悪かったんじゃないかと。いいえ、ただアルデビルド様にほっぺにちゅうされて興奮して眠れなかっただけなんです。
凄く良く寝たらほっぺにちゅう位、前の世界じゃ外国では挨拶程度だったじゃないですか。
もしかしたらこの世界でも、おやすみなさいのちゅうだったのかもしれないし。
現に今日の朝、アルデビルド様が部屋に来たら、おはようのちゅうをされた。
今までされなかったのに、急に始めたのはなぜでしょう?
僕にもおはようのちゅうをするように求めてきたので、恥ずかしながらもしましたよ。
もしかして他の人にもして歩かないといけないんだろうか?
朝ご飯の後、ウェルスタイ様に会いに行った。そして昨日は途中で寝てしまってごめんなさいと謝った。ウェルスタイ様は無理はしないでくださいねと、困った顔で頭を撫でられた。
朝アルデビルド様からちゅうをされたのを思い出したので、ウェルスタイ様にもちょっと遅くなったけれどおはようのちゅうをしたら、なぜかアルデビルド様から怒られた。
ウェルスタイ様はほっぺたを押さえて、顔を赤くしながらこちらを見ていました。虫歯かな?
怒られたって事は、おはようのちゅうは親族間しかしないのだろうか?謎です。
そういえば寝てしまった僕をベッドまで運んでくれたのは誰なんだろう?
ウェルスタイ様に聞いてみたら、それは私がお運びしましたと教えてくれた。重ね重ね、ご迷惑をおかけしました。
今日は昨日のことがあるので、一日何もしないで過ごす事になりました。
ソファーに座ってぼーっとする。
そういえばみんな魔法が使えるのに僕だけ使えないな。魔法を教えてもらうのもいいかもしれない。でも僕の頭の色だとなんの魔法が使えるんだろう?
急に気になってしまい、家の書庫に向かう。
魔法の本はあったけれど、白髪の人は何の魔法を使っていたのか書いてある本が見つからない。
滅多に白髪の人は生まれないって言ってたから、本に載ってないのかな?
図書館みたいなところに行ったら、白髪の人が使える魔法がのっている本があるのかもしれない。
もし図書館があるなら連れて行ってもらおう。せっかく魔法のある世界に生まれたのだから、一度は使ってみたい。
白髪だと何系の魔法になるんだろう?白だと氷?いや、氷は水系だ。誰も使えない魔法だと風系だけれどどうだろう?もしかしたら風系の魔法が使えるようになっちゃうかも!
風系なら空とかも飛べる気がする!
ちょっとテンションが上がってきたぞ。どうしよう、まさかの魔法チートか!
次の日さっそくアルデビルド様に本が沢山ある建物はないか聞いてみた。
そういうのはお城にしかないとの返答をもらった。お城か、また庭園にも行きたいなぁ。
庭園で本を読むだなんて最高だと思いませんか?うん、寝る姿しか浮かんでこない。庭園で本を読むのはやめておこう。
僕はガウェン様からの招待状が早く届かないかなぁと思うのでした。




