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心と146cmの優しさ  作者: 蕩ける国語辞典
忘れた未練偏
1/3

さよなら世界/よろしく異世界

この世界には、普通の人間には理解出来ない事というのは、数えきれないほどにある。


簡単に言うと、超常現象や超能力と言った類のものである。


日常の中で、これに出会う確率は、非常に少ないだろう。


しかし、日常ではなく、非日常だとすれば、この確率はほぼ100%といえるだろう。


なぜなら、日常で起きていることは、非日常からすれば、あり得ないことで、その逆もいえるのだ。


普通に生きていれば、遭遇することのない、モノ。


日常に隠れる非日常の扉、その扉を開けるのは、気づいてしまえば簡単なのだ。


ただ、普通の人には見えていないだけで・・・








ピピピピピピピピピ・・・・・・・・・・


目覚まし時計のアラームがなる。


時計を止める、時間は朝の7時30分。


いつも通りの朝だ。




私の名前は東雲紗耶しののめさや。偏差値も高くない普通の高校に通ってう普通の女子高生たど思ってる。


友達もそこそこいて、運動もそれなりに出来るし、勉強も真ん中の順位だ。


学校では、生徒会議長で、部活は陸上部で走り幅跳びをやっている、バスケ部との掛け持ちもしてる、ポジションはセンター。


とまぁ、私の紹介はこのくらいにして・・・・




毎日のようにこの時間に起き


朝食を食べ、大嫌いでムカツク妹のムカツク一言を聞き


両親に「おはよう」と挨拶して1日が始まる。


「いってきます。」


何時ものように、玄関まで見送ってくれる母親にお決まりの言葉を放つ。


学校までは徒歩でだいたい20分程度の距離だろうか、こうも毎日歩いていると目を瞑っても行けるんではないかと思う。


実際は無理なんだろうけど・・・、なんて事を考えていると、後ろから声を掛けられる。


「やっほ、おはよう、今日も相変わらず、目を瞑っていても登校できるみたいな顔してるね」


「おはよう、一体どんな顔してるのよ私は?」


一瞬、コイツは相手の考えていることが解るのか?


エスパーか何かか?


なんて考える。


「私は、相手の考えがわかるわけでもないし、エスパーでもないよ、適当に言っただけ。」


「本当に?さっき思ったこと全部言われたんだけど?」

あははは、とわざとらしい笑いを返してくる。ほうとうにエスパーか何かなんじゃないかと思ってしまう。


はぁ、とため息をひとつ、通学路を学校に向け歩いていく。


今日も当たり障りのない、一日になるのかと思っていたが今日は違うらしい。


昼休みに事だ。


クラス内の不良モドキに声をかけられた。


なんでも肝試しに廃墟探索をするらしい・・・どこで聞いたのか知らないけれど私の趣味が廃墟探索が趣味だと知ったらしい。


という訳で、時刻は夜の23時40分。


不良モドキのグループと、目的の廃墟に到着した所である。


ここの廃墟は少女の幽霊が出るとかなんとかで、有名な廃墟だそうだ。


私が来た時は、そんな幽霊は見なかったが・・・その事実は伏せておこう。


わいわいがやがやと、騒ぎながら廃墟内を進んでいく、雰囲気的には幽霊の一人や二人いてもいいと思う。


「なんもいねぇじゃん」やら「幽霊とかうそじゃん」とか文句が聞こえるが無視しておこう、事実、私が来た時も出なかったし。


文句を言いながら進んでいると、この廃墟の終点である屋上に到着する、不良モドキ達は「なんだよ、つまんねー」だとか文句ばかり言っている。


すると、グループのうちに1人が青い顔をして、言う「女の笑い声が聞こえると」


その直後、彼は悲鳴を上げて屋上から下階に下っていった。


それを合図にするかのように、さっきまで余裕アピールしていた不良モドキ達も我先にと屋上からいなくなっていった。


何なんだろうと、呆気にとられ屋上に1人ぽつんと立っていると、後ろから声がする。


「ほう・・・お前は逃げないのだな」


振り向くとそこには、どう見ても幼女がいた・・・・。


こんな時間の、こんな場所に?なんで小さな女の子が?てか可愛い。


「えっっと、君こそなんでこんなところにいるの?」


冷静になれ、いくらこんな場所、こんな時間に幼女がいるからって・・・冷静だ冷静を装うんだ。


「なぜって、ここが私の家だからな」


よく聞くと声も可愛い、年相応の声かな?


「ここが家?こんな廃墟が?」


まさか、ここが家?前に住んでいた?と言ってっもこの廃墟って結構前から廃墟だよね・・・もっと小さい時に住んでた?


「計算が合わない・・・・?」


思わず呟く・・・


「ん?計算?」

「あぁ、なんでも、気にしないで」


「まぁ、お前さんがこの容姿に対して疑問を持っているなら、その疑問に対しての答えを言ってもいいが」


目の前の幼女は不敵に笑う。


「お前、もし、この瞬間にこの世から存在が消えて、異世界に行けるとしたらどうする?」


「異世界?」


異世界・・・俗に言う、小説とか、漫画に出てくる怪物とか特殊能力とか使える世界のことだろうか・・・?

「そう、異世界だ」


「んーいけるもんなら、行ってみたいけどねぇ」


何気なくそう答える・・・。


「うむ、その言葉、後悔するなよ?、今からお前はこの世界から存在を消され、こことは違う、しかしそっくりな世界に行く」


「まぁ、何を言ってるか解らないって思うかもしれんが、試せばわかるさ」


ニヤリ、幼女の口元が歪む、瞬間・・・泥沼に足を突っ込んだ時の感触が足元を襲う


驚いて顔を足元に向けると、そこには地面がなかった・・・かと言って屋上が透けているとか廃墟が無くなったとかじゃなくて


地面と呼称されるもの、そのものが無かったのだ。




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