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レトロゲームと、私  作者: 福山陽士
SFC編
53/60

↓R↑LYBXA

 ボーナスステージで車をぶっ壊す快感。



『ス○リートファイターⅡ』



 SFCが解禁になったのがクリスマス。その後にやって来るのはそう、お正月です。

 家の1km圏内に、父親の親たちも住んでおりまして。1月1日はそっちのおじいちゃんの家に、親戚一同が集合しなければならなかったのです。

 集合したら、女性陣は狭い台所でご飯作りに取りかかります。男性陣はひたすらゴロゴロしていました。

 嫁姑の立場から見ると、とても面倒くさそうです……。

 父親の実家は熊本の田舎出身なのですが、母親の愚痴を聞いていたこともあり、田舎のおじさんや年寄りって男尊女卑な面が強そうで面倒かも……と当時からあまり良い印象は抱いていませんでした。

 でもまぁ私は子供だったので、テレビを見たりいとこのお兄ちゃんお姉ちゃんと遊んだりして、正月はそれなりに楽しんではいたのですが。

 20人以上、多い時は30人近くの親戚が揃っていたので、必然的に貰えるお年玉の額が多くなります。

 10万円↑とか普通でした……。もちろん、無駄遣いはせずに計画的に取っておりました。


 その貰ったお年玉の内1万円を握りしめ、1月4日父親と弟と共に近場のショッピングセンターへ向かいます。

 まだ今のように元旦早々から開いているお店はほぼなかったので、多くの店はこの日が初売りです。

 ゲーム売り場は2階にあったのですが、初売りとあってカウンターの前には子供たちが団子状態。お年玉の効果をしみじみと実感しながら、私も戦場へと突入です。


 ……が、そこで問題発生。


 人の波にもみくちゃにされているうちに、自分が何のゲームを目当てにしていたのか、完全に忘れてしまったのです。新聞の折込チラシを見て「これ欲しい」となったゲームがあったのに。

 思い出せないまま、私の順番になってしまいました。咄嗟にカウンターの後ろに見えていた「ストリー○ファイターⅡください」と言ってしまいました。タイトルは知っていたけど、欲しいゲーム候補には入っていなかったやつです。事前知識はタイトルだけなので、どんなゲーム内容なのかも知りません。

 内心「やってしまった……」と思いつつも、訂正することは憚られるのでお金を払います。


 ……が、さらにそこで問題発生。


 9800円くらいの値段だったのでお年玉の1万円を出したのですが、なんと消費税のせいで足りなかったのです。全身の血の気が引く――というのを初めて体験しました。消費税の値段も書いといてよ!(まだ表示義務の法律がなかった)

 慌てて後方で待機していた父親に借りにいきます。

 世はまさに、ゲームソフトの値段インフレ時代でありました。SFCの新品のソフトは1万円を超えていたのです。パブルは終わってたのに、何でこんなにインフレしてたんだろう。任○堂の天下だったから?


 そんなこんなでようやく手にした新品ソフトですが、目的の物ではなかったので若干テンション低めでおうちに帰ります。ちなみに本来何のゲームを買おうとしていたのかは、今でも思い出せない……。

 そのテンションも、ゲームを始めた途端にアゲアゲになります。

 単純に、面白かったのです。


 これまでに本格的な格闘ゲームをやった事がなかったので(ゲームセンター? 何それ?)操作やキャラの造形がとても新鮮でした。

 FCの対戦格闘ゲームといえば、頭身が低いデフォメルメキャラでした。ですが、このリアル頭身。おかげで技もダイナミックです。


 一通り試してみて、春○、ブ○ンカ、E・本○、ガ○ルが自分の扱いやすいキャラという事がわかりました。

 ……はい。十字キーを斜めに入れるのがとても苦手だったのです……。

 波○拳やヨガフ○イアーを出せる確率が低すぎてですね……。昇○拳なんてヤケになってコントローラーめちゃくちゃ押しやってる時しか出た事なくてですね……。


 ほとんどは弟と対戦モードでやっておりました。

 リアル喧嘩に発展しかけた事も多々ありました。FCからハードが変わっても、やる事は変わりません……。

 近所の男子軍団や、一つ年下の女の子達ともたくさん遊びました。

 些細な動作でとても盛り上がっていたあの頃。



 1人プレイはキャラを各個撃破していく系ですが、プレイキャラを全て倒すと4人のボスが待ち構えています。

 大体、バル○グで苦戦してました。仮面を被っているあの人です。

 動きが何か素早いし、金網からのダイブがセコいし、「ひょー!」っていう掛け声怖すぎだし。

 素顔が美形っていうのにとても驚きました。こんな顔してあの声出してんの……と怖さ倍増でした。

 幼い頃から美形にはときめかないタイプだったのです。


 エンディングが各キャラに用意されていたので全員分見たかったのですが、やはり故意のタイミングで十字キーを斜めに入れられない不器用さは致命的でした。無理。



 この話のタイトルにしている裏技のコマンドは、何かの雑誌で見て必死に覚えました。

 同じキャラを色違いで使えるようになるやつです。春○のピンク色可愛いよね。

 友達の家でやったターボにも適用できた時はとても嬉しかったです。


 ちなみに大人になるまで、中国のイメージはこのゲーム背景のものでした。チャリが主流で、ちょっと埃っぽい感じの。

 風林火山という四字熟語を知ったり、スペインの位置を覚えたりと、遊び以外にも影響を受けております。


 箱がボロボロになるまで遊び尽くしたゲームです。

 購入経緯は間違いだったのですが、今となってはとても良い出会いだったと思っております。


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