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レトロゲームと、私  作者: 福山陽士
SFC編
52/60

仲間になりたそうに見つめてくるRPG

 ビア○カしか選べない……。



『ドラゴン○エストⅤ 天空○花嫁』



 ファミコン生活を満喫していたある年の12月、いきなりそれは我が家にやってきました。

 私、小学生の頃は硬筆を習っておりまして。いくつか賞をもらってトロフィーや盾を棚に飾っていたのですが、そのトロフィーの横にぽんっと置いてあったのです。

 ビックリしましたよ。学校から帰ってきたらいきなりあるんですもん。

 間違いなく父親がやったのだろうなと尋ねたら、クリスマスを過ぎたら解禁、みたいなことを言われました。

 まだ我が家には、SFC本体がありませんでした。

 つまり、クリスマスにSFCが我が家にやって来るということです。サンタさんありがとう。

 というわけで、終業式までかなりそわそわしながら過ごしました。

 一日に何度もチラチラとパッケージを眺めてました。トロフィーの横にあるもんだから、無駄に神々しく見えます。


 そしてきましたクリスマス(SFCはどうやって入手したのか、正直なところ覚えていない……)

 なぜか家族全員がテレビの前に大集合です。

 カセットを挿して、いざ行かんドラ○エの世界。ちなみに最初は父親が操作です。

 まず、音に大感動しました。

 ファミコンの電子音とは全然違う。オーケストラです。弦楽器です。

 みんなで「凄いなあ」と大合唱しつつ、慎重に進めていく父親。

 会話に漢字が使われていてびっくりだし(『預かる』という漢字はこれで覚えました)戦闘画面も背景がついて、とてもきれいになっています。

 攻撃すると剣の軌跡まででちゃいます。

 終始感動しっぱなしでした。

 洞窟では音楽もちょっと響いた感じになることに気付いて、さらに感動。


 お話もドキドキです。

 夜にこっそりと抜け出してお城へ行くわけですが、このお城が子供心にとても怖かった。

 お墓を見た時はリアルに「わっ……」と声を出してしまったほどです。怖いの苦手なのです……。


 ストーリーは父親や弟がプレイしているのを見るので、必然的に先を知ってしまうのですが、それでも自分でプレイする時の緊張感は格別でした。

 奴隷を初めて見た時の衝撃といったらもう。

 主人公が奴隷になっちゃうゲームとか、今考えるとかなり攻めたストーリーラインです。


 先の展開を知っていたので、無駄にレベルを上げてから進んでました。

 現時点での最強武器・防具を全員が装備するまで次に行かない、という自分ルールでした。

 お金を貯めるの、かなりきついのですよね……。ようやったな自分。


 そしてなんと言ってもアレです。モンスターを仲間にできちゃうシステムです。

 初めての仲間は何だったかな……。ブラ○ニーとかそのあたりだった気がします。スラ○ムではなかった。

 戦ったあとに起き上がってくれた時の喜び。

 ただ「お前じゃない。狙ってたのは隣のやつだ……」となることも割とありました。 

 お気に入りモンスターはキ○ラでした。

 以前「赤と青が隣合った状態が好き」と書きましたが、それは炎と氷も例外ではありません。そんなわけで、『こごえるふぶき』と『もえさかるほのお』でほぼ終盤まで行きました。

 さすがに終盤はブリ○ドとグレートなドラゴンさんにチェンジしちゃいましたが。

 あとは外せないよね、なスラ○ムナイトさんと回復要因ホイ○ン。


 セーブ箇所は3人で1つずつの割り当てなので、最初からやり直したければデータを消さねばなりません。

 そのへん、かなりあっさりと消してはやり直していました。今度はどんなモンスターが仲間になってくれるかなー、アレを仲間にしたいなーと、やり直す度にワクワクしておりました。

 まあ、狙ったモンスターが全然仲間になってくれず、諦めて話を進めるパターンも多かったわけですが……。



 5のもう一つの大きな特徴といえば、花嫁選びです。

 1周目はビア○カを選びました。

 好みとかそういう問題ではなく、「パッケージにまで登場してんのに選ばなかったら、ストーリーに重大な欠陥が生まれてしまうかもしれない――」と先の展開に不安を抱いたのです。

 でも1周目でビ○ンカを選んだら、まぁ当然の事ながら2周目は嫁にフロ○ラを選びたくなりますよね。

 結論から言うと、辛かったです……。

 いや、扱える魔法が優秀だとか、時々ルド○ンがアイテム送ってくれるとか、キャラとしての性能はフロ○ラが上なのは何となくわかるのですよ。

 でも、やっぱり自分はビ○ンカだな……と子供ながらに思いました。

 まず、子供たちの髪色がなんかコレジャナイ。フロ○ラのような明るい水色を期待していたのですが、実際には濃い青です。主人公が黒髪なので理屈ではわかるのですが、やっぱり最後まで違和感がありました。

 そして決定的だったのが、山奥の村で一人で過ごしているビア○カ……。

 彼女の姿を見て、めちゃくちゃ罪悪感が生まれてしまったのです。

 フロ○ラにはア○ディがいますが、ビア○カには主人公しかいないのです……。

 しかもお父さんは病気だし。ツラすぎるよ。彼女が何したっていうの……。

 好奇心からの選択の結果は、小学生の私には重すぎました。

 という事で、以降はビアンカです。

 フロ○ラもキャラとしては好きなのですよ。おしとやかお嬢様だし、格好も可愛いし、何よりとても良い子じゃないですか。彼女が何も言わなかったら、そもそも花嫁選びイベントが発生しないわけだし(腹黒設定はいた○ト版だけだと思いたい……)

 しかし嫁という選択肢を考えると「すまぬ……」となってしまうのです。すまぬ……。



 父親も弟も私も、かなりやり込んだゲームです。

 クリア後の隠しダンジョンとか、後のRPGにも大きな影響を与えたのではないでしょうか。


 そしてこれを書いていたら、またやりたくなってきました。困った。

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