主人公は記憶喪失
続編がいまだに出ないんですが……。
『ラデ○ア戦記 黎明篇』
独特の演出で有名な『忍者龍○伝』のテ○モが初めて出したRPGです。
やはりこのゲームも前タイトルと同じように、独特なアニメーションが要所に挿入されております。
オープニングを初めて見た時は「すげえ……!」と感動しました(忍者○剣伝よりこっちを先にやった)
ゲームを始めると、いきなり主人公が森の中にいます。
なにもおもいだせない……って。
なんと記憶喪失です。なんかこの頃やたらと『記憶喪失』という設定を見たような気がするんですが、流行ってたのかな……。
そこにいかにも魔法使いっぽい男の人がやってきて盗賊と勘違いしちゃいます。酷い。
なんやかんやでとりあえず一緒に行動することに。
記憶喪失の割には剣とか持ってるし戦える主人公。いったい何者なんだ……。
この時代では珍しい部類のアクションRPGでした。
戦闘は移動画面から切り替わらずに突入します(戦闘BGMのあるゼ○ダっぽい)動きはかなりもっさりなんですけどね。でも操作性とか特に気にしていなかったお子様だったので、もっさり戦闘でもバシバシと剣を繰り出しておりました。
ちなみに仲間はAIで勝手に動いてくれます。あまり頭は良くないですけど……。でも指定場所に集めることもできるし、個別に命令もできるよ。
仲間は(自分を除き)最大4人まで同時に行動するので、5人+敵がわらわらと画面を動き回るのを見るのはなかなか楽しいです。
私が衝撃を受けたのは、敵を倒してもお金を落としてくれないシステムでした。
確かに冷静に考えたら、野性のスライムやらコウモリがお金を持っていることの方が変です。父親が妙に納得していたのを覚えております。
その替わり、敵からは『にく』やら『ほね』などが入手できます。これを町で売って換金するシステムなのです。(『にく』は食べるとちょっとHPが回復する)この要素が凄くファンタジーっぽいなぁと感心しておりました。
でもセスナみたいな乗り物も登場するので、ガッチガチのファンタジーな世界感ではありません。
フィールドの音楽がめちゃくちゃ大好きで、しばらく放置することも多々ありました。なんか『冒険してる』ような風を感じるんですよ。相変わらず少し哀愁漂うメロディーに弱い。終盤になるとフィールドのBGMは変わっちゃうんですけど。
他にも素敵BGMが揃っているのです。
個性豊かなキャラクターが多々登場しますが、専ら盗賊団(義賊)のボスさんラヴでした。
背が低いという設定らしく、他のキャラよりドットがちょっと小さめ(笑)
ブーメラン使いなので、魔法みたいに離れた場所から攻撃してくれます。
そんなに深くない理由でかなり序盤で仲間になるんですけど(酷)最後まで着いて来てくれます。昔のRPGって、なりゆきで仲間になったらラスボスまでいっちゃった――ていう仲間がちょこちょこいた記憶が。
さて、このゲームを語る上で外せないのが『苅○誠』先生です。
苅部○先生とは90年代の全盛期の週間少年ジャ○プで、とあるギャグ漫画を連載していた漫画家さんです。
その名も『地○戦士魔王』。
単行本2巻分の短期連載ながらも人気があり、連載終了後にも特別に読みきりが掲載されたという、ジャ○プ史上でもかなり珍しい作品です。
なぜ苅○先生の名前が出てくるのかというと、このゲームの説明書のイラストを描いているのが苅○先生なのです。
ファミコンの説明書って、いかにして『子供に読んでもらえるか』を意識しているようなところがありました。だから説明書にイラストがたくさん載っているゲームがほとんどだったように思います。
特徴的な絵なので、説明書を見てすぐに「魔王の人だ!」と気付きました。
説明書内には、魔王で出てくる『野獣』というマスコットキャラによく似た存在も描かれています。しかも特徴的な鳴き声でもあった「キュー」とか言っちゃってます。
ちなみにこのゲームが発売されたのは91年らしいので、漫画家デビューする前に既に野獣のモチーフが決まっていたことになります。それに気付いた少女福山は感動しました。凄い大発見をしたような気分になりました。でも周囲にはわかってくれる人はいませんでした……。
ゲームのエッセイなのにジャ○プネタのまま締めるのもあれなので……。
『黎明篇』と銘打っている今作ですが、続きが出ることはありませんでした。
ちなみにかなり長い間、この漢字の読み方も意味もわかっていなかったです。
読み方は『れいめいへん』。辞書によると、黎明とは夜明けとか新しいことが始まるさま――だそうです。
ただこのゲームに携わったプロデューサーがのちに『風のク○ノア』というゲームを出すのですが、そのゲームとこのラ○ィア戦記、類似点がかなりあったりします。
別の形で続編を出したってことなのでしょうか……。
なんにせよ、正式な続編が出なかったのは寂しい限りであります。




