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レトロゲームと、私  作者: 福山陽士
FC編
37/60

AI戦闘

 シリーズの中でいちばん好き。思い入れが強いのでいつもより長いです。



『ドラゴン○エストⅣ〜導かれし者たち~』



 F○3やド○クエ3でRPGの面白さに目覚めた福山家。新たなゲームを求めて、近所の『わんぱ○こぞう』というファミコンショップに初めて足を踏み入れました。

(ここで配っているぱっくんぽ○けという情報誌の『兄○仁義』というミニ漫画が凄く好きでした……)

 そこでドラク○4を発見!

 ……したのは良いものの、箱の裏を見て私は眉を寄せました。


 章ごとに主人公が異なる……だと?


 当時、自分はキャラに愛着を持つタイプだったので、この仕様を見た時に凄く戸惑いました。章が終わるとそのキャラ達ともお別れしなければならないと勝手に思ってしまったのです。

 箱の裏を見ながらめちゃくちゃ悩んだ挙句(少なくとも10分は箱を持ったまま立ち尽くしてた)結局その日は買いませんでした。


 しかし数日後、我が家の居間の机にド○クエ4の姿が!


 ……はい、父親が買ってきておりました。

 父親はファイ○ルファンタジー1、2、3、ドラ○エ3とひたすらRPGばかりに手を出していたので(しかもめっちゃやりこむ系)正直なところ「あぁ、やっぱり買ったのね」という印象でした。

 そういえば箱を持って悩んでいた時に「買わんのか?」と聞かれたような……。

 我が家にやってきたからにはやらないわけにもなるめぇ――と若干ツンデレ気味に銀色の箱に手を伸ばし、プレイ開始です。



 第一章はピンクの鎧のあの戦士が主人公。

 ピンク色をおっさんが着ているのが衝撃でしたが、キャラデザが鳥○明というだけで何か納得してしまいました。


 一章はなんと言っても、ホイミ○ライムのホイ○ンです。

 洞窟の中にいかにも怪しい感じで佇んでいたので、「あれはボスに違いない!」とその前でウロウロしてレベルを上げまくりました。

(たぶん同じ事をした人は多数いると思う……)

 なので、いざ覚悟を決めて話しかけた時の拍子抜け具合ときたら。しかも「ぼくホイ○ン」とか人間の言葉を話すし、可愛いじゃないですか……。

 一瞬でお気に入りとなりました。

 その後『そら○ぶくつ』を洞窟内で使って天井に頭をぶつけるところまではきっとテンプレ。


 靴を使って塔に入ると、そこの宝箱から『はじゃ○つるぎ』という、使うとギ○の魔法が発動する剣を入手できます。その剣を初めて使った時、もの凄く感動しました。

 魔法を使うと、画面がオレンジ色に光るのです。

 前作までは戦闘中どの魔法を使っても、画面が白く光るだけでした。だから父親や弟と「おお、色が付いてる!」と興奮したのを覚えています。

 今でこそ豪華なグラフィックで迫力ある魔法の演出になっておりますが、昔はこの『画面が魔法の属性に合った色に変わる』だけでも凄い変化だったのですよ。



 第二章もしょっぱなから驚きました。

 壁をぶち破って脱出するとか。

『お姫様なのに素手で戦ってしかも強い』というこの設定は、のちの漫画やゲームなど様々な媒体に影響を与えたのではと勝手に思っています。

 生贄の身代わりとか偽物登場とかお話的にも面白いうえ、3人のバランスも取れているというのもあってめっちゃ好きな章です。

 中でも『モーニングスター』という武器が個人的にかなりお気に入りでした。

 攻略本に武器や防具のイラストが付いていたんですよね。

 鉄球みたいな武器を振り回す神官さんの姿を脳内で想像しては、そのギャップに一人悶えておりました。


 ……はい。初めて入れ込んだゲームキャラが彼です。


 説明書の立ち絵がなんとなく『ドラゴ○ボール』のトラ○クスみたいだったのと(剣を持って登場した彼が凄く好きだった)長女ゆえに「自分よりも年上のお兄さん」というものに憧れていたので、必然的に落ちました。

(4コマでは恋愛色が全面に押し出されていたせいか、リメイク版ではそれを反映した性格になっていてちょっぴり悲しい。ゲームブックの彼が超理想でした……orz しかもモーニングスターが槍に変更されててさらにショック)


 武術大会に四苦八苦しつつも何とか勝利したところで、あのラスト。

 BGMのない、無人の城の中を歩くのがかなり不気味でした……。 



 第三章もこれまた大好きです。

 まさかのお店番。

 色々な人が武器を売りに来てくれるのが楽しみでした。ラインナップが増えてくると嬉しいんですよね、あれ。

 売ってもらった武器がそのまま店の品揃えになる――ということで、自分が欲しい武器をお客さんに売らずに取っておくこともできました(でもたまに失敗する)

 狙っていたのはもちろん、『はじゃ○つるぎ』です。ホビットっぽいおじさんが売ってくれる確率が高かった気がします。

 これが入荷された時点で、ひたすらお金を貯める作業に没頭してました。爺さんを押して協会まで運んだり、妻の愛妻弁当を売ることももちろん忘れません。

 またこの章に限りザコ敵も良い物を落とすので、それをせっせと売ります。

 ついに目標額に届いた時の喜び……!


 ちなみに私は月に1度学年×100円のお小遣いを貰っていたのですが、それを3000やら5000まで貯めるほどの貯金好きでした。

 今思えば我ながら忍耐強いお子様やったな……。


 戦闘は『はじゃ○つるぎ』頼みで、めっちゃラクをしておりました。まあ、入手するまでは大変だったのですが。

 この章で稼いだお金を次章に持ち越せないのが残念でした。



 第四章は衝撃でした。

 まさかの魔法使いと僧侶の2人旅。

 脳筋バンザイ、『たたかう』コマンド大好きだぜ! な自分には、なかなか上がらない通常ダメージにやきもきしていました(それでも占い師さんが思いのほかダメージを出してくれるんですけど)


 お話はこれまでの雰囲気と違う、姉妹の復讐旅。綺麗なお姉さん達が復讐のためにがんばるという、これまた多感な小学生の心を刺激するものでした。

 戦闘の音楽がこの章だけ違う、というのも気分を盛り上げてくれます。


 実家にダメージ床があるうえ、スライムまで住み着いているのが謎すぎでした。

 それ以上に謎だったのは、とある洞窟の装置。

 黄色いスイッチを踏むとウイーンと部屋が動き、部屋の外に出ると違うフロアになっているという、アレです。

 いや、ただの昇降装置なのですが、これが『エレベーター』という事がかなり長い間理解できませんでした。部屋が水平に移動しているようにしか見えなかったのですよ……。だから部屋を出ると道が変わってしまっている理由がよくわからなくて、かなり苦労しました。

『ダイ○大冒険』を読んでから初めて「あれはエレベーターだったのかー!」と理解したのでした。

(レ○ナ姫と買い物をする巻ですね、はい)


 そしてまさかの復讐失敗。現れた敵には必ず勝利するもの、と信じて疑っていなかっただけに、なかなかこの結末にはガツンときました。




 そして物語は終章である第五章へ。

 確か最初のプレイでは勇者は男を選びました。

 いや、女勇者の髪型が個性的すぎてですね……(のちにこの髪型も好きになるのですが)


 平和な村を襲う突然の悲劇に心を痛める小学生。シリーズ初となる仲間に変身できる呪文が、しょっぱなから悲しい使われ方をしてしまいます。

 それでも形見の『はねぼうし』を「装備できないから」という理由で速攻売ってしまうのが小学生メンタリティ。


 初めての馬車に感動したり、滑る床に苦労しながらも各地で次々と仲間と合流。

 そして前章まで自分で操作していたキャラ達が、戦闘中に勝手に動き出します。

(たぶん)業界初、AI戦闘です。

 この機能のおかげで、勇者=自分 というのをより強く実感する事ができます。

 ただまあ、やはりAIの頭が良いとは言えず。

 よくネタにされるのが神官さんの即死呪文ですが、個人的には爺さんがバイキルトを全く使ってくれない事の方がずっと気になりました……。


 魔法系の人のMPがすぐ尽きてしまうので、勇者、姫、神官、占い師の超防御系パーティーで「じゅもんせつやく」で進めておりました。死ににくいうえに、蘇生呪文もあるから安心安全。個人的には初心者にもオススメのメンバーです。

 姫以外は『はぐ○メタル』系の装備ができますし。


 お話を進めるうちに、魔族側が人間を襲う理由を知ることになります。

 今までのシリーズとは違う、勧善懲悪ではない物語。

 これが自分の心に与えた影響は、おそらくかなり大きいです。

 人間にも悪い奴がいるんや……。


 女性だけの城で人質をくるくる替えて全員の反応を確かめたり(最終的には商人さんに落ち着く)鉱山の町の悲惨な状況が密かにトラウマになったり、気球の進む速度がゆったりすぎてイラッとしながらも確実にお話を進めていきます。

 そしてついに天空の城へ。

 見た目は格好良いのに何もしてくれない神様に微妙な気持ちになりつつ天空の人からお話を聞いていると、勇者の出生の秘密が微妙に明らかになります。

 正直なところ、子供だった自分にはいまいち「?」な感じで理解できなかったのですが……。勇者の村の近くにひっそりと住むきこりの人が「え、あの人がお父さん?」と勘違い。


 お空から落っこちて、とうとう決戦の地へ。

 初登場のメタ○キングにうっひょーとなりながら、あのラスボスの所まで何とか辿り着きます。

 ダメージを与えると少しずつ生えてくる体、そして枠からはみ出るほどの大きさ。

 その造形と相まって、とても不気味で怖くて、でも向こうの事情もわかっているから少し切なくて。様々な感情を抱いたラスボスでした。

 ちなみに『にげる』コマンド8回の裏技はもう少し後で知ることになるので、普通に正攻法で倒しました。

 やっぱり超防御系パーティーでゴリ押し力押しで。


 迎えたエンディングでは、仲間達が次々と各地に帰っていきます。

 最後に一人残った勇者が可哀想すぎだろ……と思ったところでのアレ。

 あの人は勇者の幻覚なのか、はたまた神様が超パワーを使ったのかはわかりませんが、そこらを深く考えることはしませんでした。というか、今もしていません。初めて見た時の「あぁ、良かったなぁ」という気持ちを壊したくないといいますか。「まぁハッピーエンドという事でいいんじゃね?」という自分の大雑把さも一因ではあります。



 ファミコンとあって、後から色々な裏技を知ることになりました。

 特にカジノのコインが格安で買えちゃう『838861』は何故か高校の時の彼氏さんが事あるごとに口にしていたので、完全に刷り込まれてしまいました(今もこれを書くまでは存在さえ忘れていたのに、すんなりと数字が出てきてちょっと震えてる……)

 有名なので暗証番号とかパスワードに使うのは危険だと思うので、やめときましょう。



 4コマや小説など多方面のメディアでも楽しんだ、本当に思い出深いゲームです。

 このゲームのせいで同人界の事まで知ってしまうのですが――それはまた別のお話。


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