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レトロゲームと、私  作者: 福山陽士
FC編
30/60

ゲーム史上再弱主人公

 えっ、それで死ぬの!?



『スペラ○カー』



 従兄弟のお兄ちゃん達から譲ってもらったゲームの中にこれはありました。「ジッピ○レース」と同じような外見で、赤いランプが付いているカセットです。

 箱も説明書もなかったので、どんなゲームか想像すらできません。ということで早速プレイです。


 スタート画面から切り替わると、いきなりエレベーターに乗っていました。十字キーを上下に入れるとゴウンゴウンと動きます。ほうほうなるほどね、と仕組みを理解したところで、エレベーターから陸地にジャンプしました。それこそ、マ○オみたいなノリでちょっと高めの場所から。

 死にました。

 弟と共に「えっ!?」です。

 あの高さからジャンプしただけで死ぬとは……。いや、でもよく考えたら自分の身長より高い場所から飛び降りたら、足はぐしゃっとなるかもしれません。

 そんなわけでやり直しです。今度はエレベーターの高さを陸地に合わせてからのジャンプです。「無事飛び越えた!」と安心したのも束の間、今度は上下に勝手に動く足場が待ち構えていました。タイミングを見計らい、ジャーンプ! →てれてれてれてれてってってん♪(死亡時のあの音楽)

 くそっ、何故だ。エレベーターの時よりは低く飛んだはずなのに!?

 今度こそと意気込んだものの、またしても同じ場所で死亡してしまいました。無情にも表示されるゲームオーバーの画面。この間、ゲームを始めてから僅か1分。BGMも1周すらしておりません。


「何だこのゲームは……」


 と主人公の弱々しい体質に慄きながら、また最初からのプレイです。

 その後も階段を踏み外して死んだり、落とし穴にちょっと足がはまっただけで死んだり、そんなに弾けていない爆弾の爆風で死んだり、蝙蝠の糞で死んだり、時間切れで死んだり、相変わらずジャンプしすぎて死んだり……とにかく死にまくりました。難易度高すぎです。


 爆弾の使い方や赤と青の鍵を集めて次の層に行く、という事はやりながら理解していきました。ただ、たまに現れる幽霊がどうして銃で倒せてしまうのかはわかりませんでした。この世の物理法則が乱れる……!

 ちなみに銃を使うと残り時間的な物が一気に減ってしまうので、幽霊が現れた時の音楽はちょっとトラウマです。こっちに近付いてくるし。


 繊細な指捌きが必要とされるので、随分と長い間1層すら進めることができなかったのですが、幼馴染の同級生の男の子と弟と3人でやった時に、かなり進めることができました。

 初めて第4層まで到達できたのです。

 3人で「ここまで来た……! 初めて見た……!」と感動しまくりでした。結局クリアまではいかなかったのですが、この時に進めた第4層が自分の中での最高記録となりました。


 その幼馴染の男の子。

 私が3歳の時に引っ越して来た時から遊んでいた仲なので、恋愛感情とか全くなしで接していました。

 私と弟は毎日のように家周辺の子供達と遊んでいたのですが(年齢層色々だけど、男の子ばかり)その幼馴染の子もグループの一員でした。

 グループの中では下の名前でお互いに呼び合っていました。もちろん、私もその男の子達に下の名前で呼び捨てで呼ばれておりました。幼馴染の男の子もです。

 中1の時に、初めてその幼馴染の男の子と同じクラスになりました。その時から苗字で呼ばれるようになったんですよね。多感な時期の中学生。下の名前で呼ぶと変な勘違いをされてしまうと考えたんでしょう。苗字で私を呼ぶ時、ちょっと遠慮したような……もぞもぞっとした雰囲気が印象的でした。たぶん、下の名前で呼びそうになるのを必死で抑えていたのだろうなぁ。

 そんなわけで、このゲームを見るといつも幼馴染の男の子を思い出してしまいます。

 中学生以降疎遠になってしまったのですが、元気でやってるかなぁ。


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