ケンカしようぜ!
路上で殴り合い。
『アー○ンチャンピオン』
柄の悪そうなアメリカンなおにーさん達を、これまた柄の悪そうなプレイヤーキャラがのしていくゲームです。
これだけだと身も蓋もない説明ですが、間違ってはいないはず。
タイマンの舞台は夜の路上です。
相手を画面端に追い詰めるとマンホールに落下し、こちらの勝利となります。
勝つと横スクロールで移動して、また次の相手と戦います。
このゲームで重要な役を担っているのは、植木鉢を落としてくる住民達です。
勝負は必ず2回建ての建物の前で行われます。レストランだったりお店だったりしますが、間取りは同じな模様です。
住民はきっと、いつも喧嘩の騒音被害に悩まされているのでしょう。あらゆる部屋の窓からバシバシ植木鉢を落としてきます。
この植木鉢に当たるとピヨッちゃって、しばらく動けなくなります。相手がピヨったら大チャンスなのです。
……今思えば、頭に植木鉢が当たったら死ぬよね、普通に。なんて恐ろしい住民達なのだ。
制限時間内に勝負がつかないと、パトカーがやって来ます。そして画面の端に近い方のキャラを連行しちゃうのです。
これを見て「こいつら悪い事やってんな」というのは理解しました。
子供が真似するのを防ぐ、なかなかナイスな演出だと思います。
さて。私は道に落ちているBB弾を拾うため、下ばかり見て歩いている子供でした。
BB弾が何に使われているのか理解はしていなかったのですが、道端に突然プラスチック製の丸い玉が落ちていたら、とりあえず拾っていたお子様だったのです。
BB弾って基本は山吹色なんですが、たまに赤やら青やら緑やらの色付きもあります。それを発見できた時の嬉しさったらないです。さらに極々たまに、クリスタルなピンクや水色を見つけたこともありましたね! あれは滅多にお目にかかれない代物で、私には宝石と同価値でした。
ですがこのゲームをやってからというもの、しばらくは上が気になってBB弾集めに精を出すことができませんでした。
上から植木鉢が落ちてくるかもしれない……誰かがうっかり落としてくるかもしれない……とビクビクしていたのです。
特にBB弾は道の端に落ちていることが多かったので、民家のすぐ側を通らなければならず――。
よく考えたら植木鉢を置けるような出窓のある家はほとんどなく、典型的な日本家屋の方が多い地域だったのでまさに「ねーよ」ですが、あの頃は本気で怖かったのです……。