ファンタジーな将棋
セリフがシュール。
『キャ○スルクエスト』
将棋やチェスに、HPや魔法要素を加えた盤上ゲーム、と言ったところです。
駒となるキャラクターがかなり個性的なところが、このゲームの大きな特徴です。オークやピエロやカラテカ、ドラゴンにお姫様王様といった顔ぶれ。
王様とお姫様はともかく、他の駒は別のゲームだと敵として出るようなキャラばかりです(ビジュアル的にも……)。悪の組織の王様気分になっていたのは私だけでしょうか……。
お話を進めていくモードと、対戦だけを楽しめるモードがあります。
お話を進めていくモードは、1ステージクリアするごとにパスワードが表示されるのですが、このパスワードがなんと、野菜の名前なのです。かなり斬新。クリアした後画面にポツリと表示される「だいこん」やら「きゅうり」の文字のシュールさよ。
そんなわけで適当な野菜を入力しても高確率で先のステージに進めちゃうのですが、さすがに瞬殺されてました。
ゲームとしては、王様を先に倒された方が負けです。
相手の駒の上に重なると1対1のバトルが始まります。駒にはそれぞれHPが設定されていて、先に0にするか、逃げるかするとバトルは終了。バトルは毎回トランプの数字を出し、数字が大きかった方が攻撃できるというシステムです。スロットのように数字が変わるので目押しもできるみたいなんですけど、ほぼ運ゲーです。
戦闘終了時に勝った方がセリフを喋ったりメッセージが出るのですが、それが凄くシュールで子供ながらに衝撃的でした。
『脳天をカチ割った』とか文字で書かれたらびっくりしますよ。
そして弟とよくやっていたのが、対戦モードです。マップも選べるうえ、好きな駒を好きなだけ好きな場所に配置できるので、並べるだけでも楽しかった覚えがあります。お互いにドラゴンと魔術師(?)と神父(回復役)をめっちゃ並べてました。
それぞれの駒には特技があって、それを使って相手のHPを削ったり回復したりできるんです。
で、ドラゴンは炎を吐くんですよね。魔術師は当然魔法を使うのですが。範囲攻撃なので結構な数のHPを削れるのが好きでした。
でも将棋の『歩』に当たる、オークやガイコツといった駒にも特技はちゃんとあるんですけどね。
基本は将棋とあって、相手の陣地(床に☆マークが付いている)まで移動した駒は、成り金のようにパワーアップします。このゲームでは『出世』と呼びますが、この出世後の姿も見るのが楽しみでした。
『しんまいせんし』が『ベテランせんし』になったり、『スーダラがいこつ』が『モーレツがいこつ』になったりとかね!(時代を感じる単語だ……)
バトルで味方がやられてしまうと、「てーれーりーらてれりー♪」という、いかにも『死にました』的な音楽が鳴り(←伝われ……!)壁の一部が墓になってそこに収容されちゃいます。でも特技でHPが0になった場合は、その場で棺桶になるだけなんで、まだ生き返るチャンスはあるんです。
バトルで敵の駒を減らすか、特技で滅するか。そのあたりの加減を考えるのも楽しいゲームでした。
対コンピュータだと、思考時間がちょっと長いのが玉にキズ。
でもですね、このゲームを知っている人間にリアルで会ったことがないのです……。やっぱり操作キャラクターのビジュアルが微妙だったから、人気出なかったんでしょうか。ゲームとしては凄く面白いと思うんですけど。