第005話 冒険者の心得と自分の能力(その1)
■クリスタニア大陸 クリスタニア 教会 アルフォード・ウィンザー
教会に帰ると、教会で働いている人たちも食事の準備を忙しなく行っている。教会には孤児がいるのだ…だから僕自身は早く定住なり、学園寮や宿屋に行くべきなのだろう。
神父さんに今日の出来事を相談した。学園へ行く事については、自分の事だから自分で決めなさいという事だ…それもそうか…私自身は神父さんに感謝しているし、好意を持っている。でも神父さん側からすると当然の事をしているだけかも知れない。実質、3日間しか会話もしてないし…そう思うとこれからの事に不安になった。
いろいろな事を知らなさすぎる。正直、戦う事を忘れても、ギルドの調査官は一生遊べるお金があると言った…お金の価値か…それも知らない。今日、僕はギルドでお金を引き出した。僕自身は金自体の価値が分からないから少ないと思って引き出したこのお金100,000Gも以外に大金かもしれない…この金色に輝く大きい貨幣の価値も早く調べなければならないし、買い物とかもお金でやり取りするのか…このカードで可能なのかも含めて…いや…それよりも早く調べなければならない事があった。僕自身の事だ…調査官も理事長もB+というランクに驚いていた…上から3番目という能力。能力の確認…その能力の使用方法…この辺は学園に入学すれば解決するだろうか?
あれこれ考えても仕方がない。とりあえずはこの世界の事を知るべきだろう。
食事のときに神父さんにこの世界の事を知りたいと話した。そうすると食事後に一冊の本を渡してくれた。冒険者の心得という本だ…これを見れば、冒険者の事は分かると言われた。今、僕はこの本を持って自分の部屋にいる。
最初のページを開いた。冒険者登録という項目があった。冒険者に登録するには、冒険者ギルドで体の中に二つのものを魔法陣を通して体の中に入れると書いてあった。一つは分かる。登録カードだろう。
身分証明書だ…本にはインテリジェンスカードと書いてあった。つまりは情報が書いてあるカードという事だろう。二つ目は、クリスタルと書いてあった。クリスタル?何のためにそんな物を入れるのか…インテリジェンスカードは分かる。家族が冒険者だとして、途中で野たれ死ぬ場合もある。その場合、残された家族に対して、それを告げるなり、遺族に対してギルドが預かっているお金を払うのに必要だからだろう。
クリスタルとは何なのか…何に使うのか…この本には強さの源と簡単に書いてあった。それだけでは分からないなぁ…この本が冒険者の心得という本で、単に初級者向けの本だからなのだろうか…次のページには、戦闘行動について書いてあった。戦闘する者は、前衛(物理攻撃タイプ)後衛(遠距離攻撃タイプ)がある。物理攻撃とは、素手・剣等で直接攻撃する者。後衛は、魔法(長距離攻撃するタイプ・補助魔法で支援するタイプ)、槍等の攻撃範囲が広いものを使うと書いてあった。なるほど…魔法か…使えたら便利だろうなぁ…そこで気なって自分自身のインテリジェンスカードを開いて見た。
職業:冒険者(タイプ:オールラウンダー)
名前:アルフォード・ウィンザー 年齢15歳
経歴:戦闘歴10年(登録 5歳) 学歴 無
ランク:B+
出身地:不詳(登録 ユーレリア大陸の戦場)
犯罪歴:無
残高:376,452,000G
能力:レベル57
HP 1576/1576
MP 100/672
基本値
力:250
体力:1576
魔攻撃:672
魔耐性:672
知性:275
器用さ:157
素早さ:183
精神力:221
魔法属性:火・風・水・雷・土・光・闇・毒・時・天(全属性)
取得属性:火・風・水・雷・光・天(6属性)
特殊能力:①ラーニング ②闘気解放
総合戦闘能力値:17,500
確かに、強そうなステータスだ…魔法は全魔法を取得できるみたいだ…それなのに6属性しか取得していない。理由はあるのかな…それともう2つ気になる事がある。一つは特殊能力だ…2つ持っている。この力はどう使うのか…もう一つがMPが全回復していない。行動すると疲れやすいのはこれが原因かもしれない。休んでも回復しないものなのかなぁ…
本には、能力は武器、防具等を装備すると飛躍的に上がる場合がある。更に、レベルが上がった時に増える数値は登録した時に入れるクリスタルの影響を受けやすい。契約の儀を交わした時に現れるクリスタルの濃度が濃ければ濃いほどステータスの能力が上がりやすいと書かれていた。
今日は色々な事があった。今日は此処までにしよう。まだまだ、知らなければならない事があるだろう。焦る気持ちを抑えて、眠りについた。