あたしと。
神様、どうやら私は思い違いをしていたようです。
私は、3人のこと何でも知ってるような気になっていました。
でも、実際知らなかったようです。
というか、神様。
「恋ってなんでしょうか?」
「恋?」
「そー恋。」
「あき、急にどうしたの最近なんか変だよ?」
「んー。そーかな?」
「まっ。大丈夫ならそれでいいんだけど。恋かー。恋って自分の恋愛対象の人を好きになるってことなんじゃないんでしょうか?相手を思うこととかー。そんなかんじじゃない?」
「そっかーそうだよね。ともちゃんはしてる?恋。」
「してるよー。」
「えっ!!!!!嘘ーーーー!」
廊下にまであたしの声は響き渡った。
「あき!?何?どうした?」
「あき。お前もっとさー。声の音量考えなよ。うるさいから。」
あっ。イケメンとうわさのお2人だ。
「どうも、すみません。では、私はこれから理科の授業があるのでお先に失礼します。」
ともちゃんしてたんだ。恋。・・・・・。あっ!詳しく聞けなかった。
・・・恋か。
「朋子?あきどうしたの?」
「さぁ~?そうしたんでしょー?まっ、バカはバカなりに考えてるのかもしれませんね。」
「あいつ。」
「「えっ?」」
「あきって理科大嫌いじゃなかったけ?なのにおかしい。あいつ、なんか変。」
「んー確かになー。何かあったんかなー?」
「まぁー今頃いろんなことに気がついて小さな脳みそじゃまだ中々整理がつかないのかもね。」
「「はっ?」」
今日も空は晴れている。屋上でお昼食べよっかなー。
「んー!やっぱきもちー。晴れてる日の屋上は最高ですなー。」
「やっぱここにいた。」
「ともちゃん。」
「あき。」
ベシッ!!
「痛っ!!」
「ばーか。もう。小さい脳みそのくせに色々考えないの。」
「えっ!?」
「はぁー。もうっ。」
「ともちゃん。・・・。うっ。うっ。ぐすん。」
「はぁー。よしよし。あき。あたし、恋してるって言ったでしょ?」
「うっ。うん。ぐすん。」
「始めて話した。」
「えっ?」
「恋してるっていうのはあきにしかまだ話してない。言おう、って思ってたんだけど割とつい最近だったから。・・・。恋したの。」
「そうなの?」
「うん。2年入ってからだからー。うーん。1ヶ月くらいかな?」
「6月?」
「うん。6月だね。その人とはね先月会って。なんか気づいたら恋してたって感じかな?」
ともちゃんはあたしにたくさん話をしてくれた。
ともちゃんは、
「本当にあきにしか話してないんだからねっ!」
と言ってくれた。
「うっ。うっ。ぐすん。」
「あき?まだ泣いてるの?」
「あたしね。置いてかれてるって思った。」
「えっ?」
「ともちゃんのことも。はるかのこともたくのことも。全部知ってるって思ってた。でもね、実際そんなことなくて。はるかと、たくがすごいモテてるのとかも最近知って。ともちゃんが好きな人いるって。恋してっていうのも知らなくて。なんか。あれっ?って。」
「うん。」
「あたし、実は知ってるふりして何にも知らないじゃんって。うっ。うぅ。ぐすん。」
「なにいってんのこのバカは?」
「・・・・うっ。は。はるか。」
「そうだよ、あき。なに言ってんの?」
「たく。」
「あき?大丈夫だよ。あたし達はあきのこと置いてく気なんてないし。置いっててもいない。それに、多分あたし達のこと一番知ってるのは、あきだよ。」
その言葉を聞いてあたしはすごくうれしくて涙が止まらなかった。
「たくっ。脳みそ小さいくせになに重いこと考えてんだよ。」
「そうだぜっ!あき?大丈夫!それに、俺ら今日ちょっと寂しかったんだぜっ?あきが、俺たちのこと避けるから。何かあったら言えよっ!なっ?朋子が言うように俺らは絶対お前のこと置いて行かねーからっ!なっ?」
「うっ。うっ。うえーーーん!ごめんな゛さーい゛!!」
「たくっ。相変わらず泣き虫なわけね?あきは。」
「はははっ!!本当に相変わらずだなー!」
「ふふっ。あき、そんな泣かないのー!」
「ぐすんっ。ごめんなさい。」
「たくっ。あきのせいで授業サボったじゃん。」
「ごめんなさい。」
「はるかは、余計なこと言うなっ!いいじゃんかー。俺らこれでまた倍仲良くなったじゃん?」
「えっ?そうなの?あたしとあきは秘密を共有したことで倍仲良くなったけどたくとはるかは関係なくない?」
「うわっ!朋子冷てー!」
「はははっ!」
こつんっ!
「痛っ。」
「あき。あんま重く考えんなよ。何かあったら言えよ。っていつも言ってんじゃん。ばーか。」
「・・・・・。ふふっ。ごめん。ごめん。」
「俺は、絶対あきのこと置いていかなから。大丈夫だよ。」
はるかには、全部お見透視なんだ。
「そっか。ふふっ。ありがとっ。はるか。」
「「おーい!!2人ともなにやってんの?」」
「今行くー!!」
「ねー。このままサボンない?学校?」
「おっ朋子いいこと言ったー!」
「でも、荷物教室。」
「そんなん後でいいじゃんかー!」
「たくもやっぱ馬鹿だな。」
「えっ?なんで?」
「本当に馬鹿。財布なきゃどこも行けなじゃん。」
「俺はあるけどね。」
「俺もあるよっ!だから後でいいって言ったの!」
「あっ!あたしもあるっ!今日購買で買ったから。」
「・・・・・・・・・。」
「あきは、ないんだってよ。」
「あき、ないの?」
「じゃー。今日はメンズ軍のおごりってことで。」
「朋子は、財布あんだから自分の分くらい出せよなー!」
「分かってるよ。でも、たくあんたそんなんじゃ彼女できないわよ。」
「うるさいなー。」
・・・・・・。
「たく。彼女いないの?」
「んっ?いないよ?」
「はるかは?」
「いるわけないじゃん。」
「ほっ!」
「「ほっ?」」
「ふふっ。なんでもなーーい」
「今のほっ!はバカっぽかった。」
「もーともちゃんったらー。ニヤニヤ」
「何お前ニヤニヤしてんの?バカがニヤニヤしてるとよりバカに見えるからやめた方がいい。」
「はははっ!!あき、大丈夫だよ。元々バカっぽい顔してるから。」
「2人とも失礼なっ!!」
「ホントのこと言ったまでだから。」
「なんだーー!色々悩みすぎたー。はるかとたくは彼女いて恋してるのかと思ってた!なんだーー♪」
なんだかニヤニヤが止まらなかった。
結局あたしが色々悩みすぎたんだ。
恋かー。
ともちゃんは、恋をしてるらしいです。たくさん話をしてくれてあたしはすごく嬉しかった。
はるかとたくは、まだらしく置いていかれてはいなかった。
・・・・・・。置いていかれなくてよかった。もう1人は嫌だから。
こんなふうに悩んで嫌な思いをさせても一緒にいてくれる3人があたしは大好き。
嫌われたくない。
だから、こんな感情を持ってしまって。
あたしたちの関係を崩してしまうのは不本意だった。
だからこそ素直になんかなれなかった。
あたしは、臆病者だ。弱虫だ。
強くなりたい。
はるかに、あんな重い「大丈夫だよ」って言わせないぐらい強くなりたい。