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脇役の分際  作者: 猫田 蘭
高校生編
58/180

高校編 エンドロール

*高校編のネタバレどころか、盛沢さんさえ知らない設定てんこ盛りです。

*長いです。

1番 青井 恵子(あおい けいこ)♀ 4月

 じれったいキラキラ少女漫画主人公。ちょっとトロい。二言目には自分に自信がないようなことを言う。でも案外図太い。全体的にいろんな意味でタンポポっぽい。自分ではヒマワリっぽいと思っている。好きな色は当然黄色。

 盛沢さんに強引に煽られて(?)勢いで赤井君にアタックしてしまった。おかげで今ではラブラブ。でも赤井君ってデートのときも手を繋いでくれないし、行き先も全部私に任せきりだよねぇ、と悩んでいる。そのへんが不満。かなり不満。

 将来の夢は可愛いお嫁さん。一軒家でガーデニングしてフリフリのエプロンで旦那様を迎えたい。(でも旦那様は赤井君とは限らないかもなぁ、とちらっと思ったりもする)


2番 赤井 圭介(あかい けいすけ)♂ 4月

 自分ではとっくに付き合っているつもりだった青井さんから突然告白されて「アレ?」とビックリした。そういえばはっきり好きだとも付き合おうとも言ってなかったなぁ、などと暢気な事考えながらも、未だに自分からは言い出した事がない。

 青井さんは何でもリードしてくれるし、しっかりしてて良い子だよなー、と感心している。彼女に大満足。結婚したい。

 将来はサッカー選手になりたいと本気で思っているが、そのわりにどこかの有名なクラブなんかには所属しようとはしない。いつか突然有名チームの監督から「キミはスターになれる!」とスカウトされるといいなぁ、と夢見ている。


3番 桂木 蓉子(かつらぎ ようこ)♀ 6月

 凸凹ツンデレカップルのラブコメヒロイン。元気なお子様。見た目も中身も小学生。(低学年)ツインテールが標準装備。実は合気道なんかをやっていて、何度もロリコンの変質者を病院送りにしている。

 無邪気で、言動に悪気は一切ない。でも無神経。ただひたすら目の前しか見えないイノシシタイプ。反省する事もあるけど一回寝ると忘れる。新渡戸君と別れることは、多分ない。もしかすると大学生のうちに結婚するかもしれない最有力候補。

 お料理をすると何故か食材が謎の物体Xに変質する。確かに食べられる食材を集めて作っているはずなのに、おかしいなぁ。と悩んでいる。


4番 菊池 輝(きくち あきら)♂ 2月

 中川君が作ったリアルギャルゲーのプレイヤー。彼氏のいない子担当。(純愛モード)

中学時代は結構外見を気にしていてそれなりに爽やか少年だったのだが、好きだったアイドルが声をあてたギャルゲーに手を出したのが運のつき。最初の目的だったアイドルよりもそのキャラクター(美月ちゃん)が本命になってしまった。今でも美月ちゃんが本命。

 実はたまに、そろそろ現実の女の子とも遊びたいんだけどなぁ、と思ったりもするが、中川君が怖くてそんなこと言えない言えない。大学デビューを狙っていたのだが、うっかり外部受験するのを忘れていたために、結局このままで通すハメになるかもしれない。

 密かな悩みは中学校のころの友達とすれ違っても誰も気が付いてくれないこと。


5番 光山 海人(こうやま かいと)♂ 4月

 ハーレクインロマンス要員のはずだったが、ちょっとした事故のようなもので悪い魔法使い(違)に。盛沢さんを昔飼っていた小生意気な犬に重ねて愛でているつもりなのだが、構い方がどこか間違っている。そういえばあの犬にもよく噛まれたり引っかかれたりしたなぁ、と、むしろ微笑ましく思っている。マゾというわけではない。どちらかというとサディストの傾向がある。(自覚アリ)

 だんだん、嫌われるかもしれないギリギリのラインで彼女をいじる事に喜びを覚えはじめていて、これではいけないと反省したりもする。(でもやめられない)

 盛沢さんを本当に困らせていいのは自分だけ、なんて考えていたりして。


6番 篠崎 杏樹(しのざき あんじゅ)♀ 12月

 周りの迷惑を顧みない自信過剰不思議系少女。黙っていれば日本人形みたいな美人さん。

 曾お祖母さんがすごい陰陽師だった、という話を祖父から聞かされて以来オカルト熱に火がついてしまった。力を与えてくれるアイテムの類を探して家の蔵やらいわくありげな神社やらを徘徊する日々。漫画みたいに「それ」を手にした途端ものすごい光があたりを包み込み、自分の運命が回り始めるのだと信じている。

 考えが浅くて否定される事を我慢できない。でもほんとはすごく繊細で傷つきやすい。(扱いづらい)とにかく自分は特別だと思っている。祖父と父は普通の会社員。

 好きな人物は自分に従う人。嫌いな人物は自分より目立つ同性。


7番 鈴木 久(すずき ひさし)♂ 2月

 くっ付いたり別れたりまたくっ付いたり、という、現代風の刹那的恋愛をこれから一生繰り返す人、そのいち。

 1年生の時に振られた同士で夏目さんとくっ付いたが、実はお互い協力して本命同士を別れさせようという協定のもとにできた偽カップルだった。北条君と巽さんが破局した途端別れて、3日で巽さんをゲットした。かといって彼がこのまま巽さんをキープし続けるのが難しい事は重々承知なので、なんとか北条君と引き離そうと画策中。

 表向き北条君とは親友同士だが、せこせこと嫌がらせを続けている。でも鈍い北条君には気付いてもらえない。悔しい。


8番 瀬名 くるみ(せな くるみ)♀ 7月

 魔女っ娘。妖精の女王親衛隊2の騎士、フェアリーストロベリー。テーマカラーは赤。最近の愛用の武器はロッド。(という名のメイス)

 慌て者で、すぐに早とちりをする。彼女に話をするときはよくよく気をつけて先に結論を伝えておかないと、前半だけ聞いて暴走してしまうことがある。伝言ゲームが苦手。

 ドジっ子っぽいところも可愛いと男子から人気があるのだが、まだまだ女の子同士でつるんでる方が楽しいと思っている。他人の恋愛の話を聞くのは好き。

 とりあえずその日一日を楽しく過ごせれば良いや、という思考の持ち主なので問題を先送りにしがち。夏休みの宿題は最後の一日に半べそかきながらやる。


9番 滝川 涼(たきがわ りょう)♂ 1月

 一攫千金を目指して茨の道を選んだ人。最近マスコミが、ネットなどを駆使して成功した人達を「現代の錬金術師」とか持て囃しているのを聞くたびに激昂している。アイザック・ニュートンよりカリオストロ伯爵が好き。つまり、より胡散臭い方が好き。

 理屈っぽくて神経質。気に触る事、理屈に合わないと「彼が」感じることがあると、なんとかそれを軌道修正すべく何時間でもしつこく説得しようとするので皆から遠巻きにされている。空気? 読めないがそれが何か? そもそも空気というのは空中に漂っているものであって目に見えるものではないだろう。それなのに何故「読む」という言葉を……。(えとせとらえとせとら)

 感情論が低俗だと思っている。けれども感情だけで動く米良さんに弱い。


10番 巽 文香(たつみ ふみか)♀ 2月

 くっ付いたり別れたりまたくっ付いたり、という、現代風の刹那的恋愛をこれから一生繰り返す人、そのに。

 根っからの恋愛体質。というより恋愛依存症気味。日常生活に支障をきたすレベル。

 1年生の時にクラス中を巻き込むほどの恋愛劇を繰り広げてやっと落ち着いたくせに、2年に上がってクラスが別れたとたんに他の男の子に心がぐらついたりした。常に構われていないと寂しくて不安定になる。正直、構ってくれるなら恋人は誰でも良い。むしろ予備がほしい。というわけで、鈴木君と北条君、両方ともキープしていたい。

 女友達は少ない。自分以外の女の子なんていなくなっちゃえばいいのに、と思っている。


11番 手越 晶(てごし あきら)♀ 10月

 世界に自分を合わせるのではなく、世界を自分に合わせようとする迷惑な人。思い込みが激しいのではなく、そうやって他人を振り回すのが楽しい。性質が悪い。

 実は想像で日記を書いており、その中身は波乱万丈。日記の中の彼女は転生した女神で、なんでもできて、人々にかしずかれている。日記帳に鍵はかけていない。閲覧自由。

 今のところお気に入りの漫画は『Reincarnation of the last edge』で、中でもカップというキャラが好き。これと決めた作品、キャラには身も心も入り込むクセがある。それがどんなに無理のある設定でも頑張れてしまう。周囲の評価など全く気にしない。

 日常的な不満は、幼馴染二人がイマイチ漫画にキャスティングしにくい人物であること。


12番 中川 真人(なかがわ まさと)♂ 2月

 リアルギャルゲーの製作者。かなり悪意のこもったプログラムを組んであった。

 とんでもなく横暴な姉と反抗期の妹に囲まれていて、女性恐怖症を通り越して完全な女嫌い。仮想空間の女の子だけが彼の天使。リアルの女の子を褒める言葉などを聞くと鬼神が光臨したかのように荒ぶって否定する。ただし、アイドルをキャラクターに置き換えたようなゲームには肯定的。何故ならそれはリアルではなくて虚構だから。

 千夜一夜物語にでてくる、女性不信になった王様にいたく同情的。彼がシェヘラザードによって言いくるめられてしまった事が悔しくてならない。(彼女も虚構なのに)

 リアルの女性を目の前にすると身体が硬直するので、多分犯罪には走れない、はず。


13番 中山 飛翔(なかやま ひしょう)♂ 5月

 正義のスーパー戦隊所属。レッド。ケセラン様のせいで一度死んで蘇った。レッドといえばリーダーだが、蓋を開ければケセラン様のお世話係やら雑用係になっている。でも基本的にお人よしなので特に不満はない。

 両親は喫茶店を経営している。コーヒーが美味しい店。たまに店番を任されながら「あ、この仕事って秘密のヒーローに向いてるかも」とか考えたりもする。一生こき使われ続けることを半ば覚悟してしまったらしい。

 敬語と丁寧語の区別がつかない。国語と英語の成績は常に壊滅的。意外と暗記力に優れているので、盛沢さんによって教科書を丸々詰め込まれた。でも来年にはきっと忘れてる。


14番 夏目 静(なつめ しずか)♀ 2月

 くっ付いたり別れたりまたくっ付いたり、という、現代風の刹那的恋愛をこれから一生繰り返す人、そのさん。

 美少女ストーカー。北条君とは生まれた時から赤い糸で繋がっているのだと頑なに思い込んでいる。彼が巽さんとくっ付いてしまったのは若気の至りで、そのうち真実の愛に気が付いて自分のもとへ戻ってくると信じていた。北条君と同じ空間で呼吸する女の子たちを抹殺したいくらいに彼が好き。

 当然、巽さんが嫌い。嫌いで嫌いで、丑の刻参りが欠かせない。たまに暗がりでこけるので生傷が耐えない。ますます巽さんが憎くなる悪循環。


15番 新渡戸 哲夫(にとべ てつお)♂ 6月

 凸凹ツンデレカップルのラブコメヒーロー。見た目は大人、中身は子供。常に眉間に皺が寄っているが、悩んでいるわけでも怒っているわけでもない。コンタクトレンズを入れると涙がとまらない、けれども眼鏡をかけると父親(52歳)と瓜二つになってしまうので断固として裸眼で頑張るド近眼。

 見た目に反して身体が弱く、ありとあらゆるアレルギーを持っている。子供の頃は喘息もひどく、病院から学校に通うほどだった。胃腸も弱い。

 なのに桂木さんの作った料理は食べられる。彼のこの体質は愛の力というものをもう一度信じさせてくれる奇跡だと噂されている。


16番 貫井 菖蒲(ぬくい あやめ)♀ 9月

 吸血鬼。自分が何年生きているのかはもう分からない。実は男にも女にもなれるが、向原君を見つけてからはずっと女性の身体。盛沢さんにちょっかい出す時もこっちの身体の方が警戒されにくくて便利だしぃ、と思っている。

 基本的に向原君のこと以外はものすごくどうでもいい。盛沢さんはお気に入りだけど、困っている顔の方が好きなのでわざわざ助けてあげることはしない。ただし、美味しいおやつとして「乙女」であり続けるための手助けは惜しまないつもり。

 幼稚園児に目をつけたのは別にショタコン的嗜好からではなく、他の人間に汚されないうちにいい物件を見つけておこうという、所謂青田買い思考。


17番 根岸 きらら(ねぎし きらら)♀ 5月

 正義のスーパー戦隊所属。ホワイト。ケセラン様のせいで一度死んで蘇った。5人のブレイン的存在のはずだが、よくよく考えるとこの戦隊は別に頭脳戦などしていないわね、と悩んでいる。支給される圧倒的な火力を誇る武器でひたすら敵を倒し続ける日々に嫌気が差している。将来は警視庁に入りたかった(ドラマの影響)が、残念な事にこのままでは夢がついえそうな気配濃厚。なんとかしてケセラン様を亡き者に、とは思うものの、殺生に抵抗があるらしい。とりあえずアイツが左遷されたら良いのに、と願っている。

 小学生の頃、林間学校の飯盒炊爨で作ったカレーを鍋ごと落とした事がある。以来、カレーがトラウマになった。


18番 野島 翠(のじま みどり)♀ 12月

 幼稚園児の頃は人見知りで苛められっ子だった。ある日、神社に閉じ込められ泣いていたところを篠崎さんに救われ(彼女はただ日課の、怪しい場所めぐりをしていただけ)それ以来、盲目的に篠崎さんに従っている。野島家の人々にとっては、かつて篠崎の家に仕えていた事は黒歴史みたいな認識で、この状態に良い顔をしてくれない。

 彼女自身には少し霊的な力があり、うっすらとだが「視える」。でも篠崎さんが黒といえば白も黒。というわけで、盛沢さんに対する理不尽な疑惑を諌める気はこれっぽっちもない。篠崎さんの気に触る存在だから悪い、みたいな。とにかく篠崎さんラブ。一にも二にも篠崎さん。同じく彼女に纏わり付いている村山君が目障りで仕方ない。


19番 葉月 千賀子(はづき ちかこ)♀ 11月

 恋人を追いかけて、弟のふりをして男子校に入り込むというスリリングな事をする人。本当はずっと入れ替わっていたいのだが、弟が嫌がるので月に一回しか会いにいけない。

 弟と入れ替わると何故かモテモテになる。学校中の生徒どころか教師達からも熱い視線を送られてしまうので、うちの弟は普段どんな生活しているのかな、と心配している。けれどもその現象は、彼女が入れ替わっている時にだけ生じるという事実は知らない。

 女の子である事がバレそうになったドキドキ事件、弟の親友と体育館倉庫に閉じ込められる事件、恋人といちゃついている所を目撃されて疑われる事件などたくさんネタを持っている。(でも何一つ活かされない)

 弟の恋人になったルミちゃんが苦手。既に「将来のお姉ちゃん」扱いされて無駄に懐かれ困っている。この二人がこのまま結婚したら私は実家から離れた所に住もう、と思いつめるほど苦手。


20番 平井 篤(ひらい あつし)♂ 10月

 困ったクセをもつ幼馴染の女の子に振り回される可哀想な男の子そのいち。何とか手越さんの趣味をもっと差し支えなさそうなものに変えようと悪あがき真っ最中。望み薄な事には気が付いている。でもがんばりたい。平和だったあの頃の3人に戻りたい。

 親友の山岸君とは手越さんを挟んでの三角関係で、律儀な性格ゆえ抜け駆けもできないし、かといって気持ちは簡単に変えられない。すごく面倒な状態で膠着している。

 剣道部所属で、竜胆君と仲が良い。盛沢さんへの好意に一番初めに気付いた人。俺のことは構うな、お前だけは幸せになってくれ、という気持ちで後押ししようとするのだが、所詮本人の恋愛も御せない人なので戦力になりきれない。


21番 氷見 良子(ひみ りょうこ)♀ 7月

 魔女っ娘。妖精の女王親衛隊1の騎士、フェアリーオレンジ。テーマカラーはオレンジ。

 必殺技は『フェアリー・プリフィケーション』という名の踵落とし。背が高くて脚が長いのでキレイに決まる。

 小学生の頃は無愛想であまり友達ができなかったので、中学校入学以降努めてお調子者を演じている。……はずなのだが、だんだんどっちが本当の自分だか分からなくなってきた。少なくとも今のほうが楽しいなぁ、と思っている。

 天敵はお向かいの家の大型犬。子供の頃、脱走した彼にのしかかられて顔中涎だらけにされて以来、背中を見せられない。家の数メートル手前からカニ歩きで警戒するのが日課。


22番 福島 樹(ふくしま いつき)♂ 5月

 正義のスーパー戦隊所属。ブルー。ケセラン様のせいで一度死んで蘇った。常にダルそうな現代っ子。何をやるにも二言目には「だりー」と言ってしまうが、別に本気でだるいと思っているわけではない。あくまでそれは口癖。

 しゃきっとして普通の格好をすると割と地味な子。そんな自分をなんとか魅力的にみせようと頑張った結果、みんなから「ホストっぽい」と言われる今の状態に落ち着いた。まぁ若いうちは遊んでるっぽく見えてもいいか、とその評価に甘んじている。

 子供の頃の夢は「ふつーのサラリーマン」だった。今は、もはや働かせてもらえるのならどんな仕事でも良い、と思い始めている。実は一番地に足のついたことを考えている人。


23番 北条 昭洋(ほうじょう あきひろ)♂ 2月

 くっ付いたり別れたりまたくっ付いたり、という、現代風の刹那的恋愛をこれから一生繰り返す人、そのよん。

 無責任な口約束を悪気なくばら撒くタイプ。天然のお調子者。簡単に「絶対」とか「一生」とか口にする。その時は本気で言っているつもりなのだが、後から考えてやっぱり無理かも、と思うと平気で反故にする。実は夏目さんのことを未だに思い出せない。自分に悪意がないので、他人からの悪意にも鈍感。何でも笑って許せてしまう。

 巽さんのことは確かに好きだったけれど、彼女の異常なほどの構ってオーラに辟易していたので、別れ話が持ち上がったとき正直ほっとしていた。


24番 穂積 万理(ほづみ まり)♀ 8月

 とある世界の「月の巫女」様。こちらにいた頃は地味で、自己評価も大変低い子だったが、世界を渡ってからどんどんアグレッシヴに成長した。もともと資質があったのだと思われる。大変できのいい姉と弟に囲まれて、常に居心地の悪い思いをして暮らしていたために、コンプレックスから開放されてはっちゃけたともいえる。

 生贄にされそうだったところを助けられて逃走したあと各地を転々としつつ人心を掌握し、国を作った。そのまま無駄にいがみ合う国々を破竹の勢いで制圧し、とうとう帝国を築き上げた。

 やがて「太陽王」と呼ばれる金髪金目の男性(この人は穂積さんより前にどこかから召喚されていて、太陽信仰派の旗印になっていた)と出会い、電撃結婚。現在5歳になる息子がいる。

 結局誰に呼ばれて世界を渡ったのかは分からない。旦那と二人で「きっとここでこうして出会うために、魂がお互いを呼んだに違いない」「えぇ、そうね。きっと……」ということで納得している。


25番 松澤 賢治(まつざわ けんじ)♂ 2月

 中川君が作ったリアルギャルゲーのプレイヤー。彼氏もち担当。(略奪モード)

 実は眼鏡を取って髪型を整えるとあら不思議、超美形。中学時代にモテすぎて遊びすぎて、刃傷沙汰に巻き込まれて以来、あえて女性には興味がないキャラを演じている。

 とは言いつつも、ギャルゲーは大好き。8股かけても刺されないし、揉めないから。でもちょっと物足りないんだよなぁ、さわれないから。

 中川君の女嫌いっぷりに心の中で大爆笑している。菊池君の、興味があるのに言い出せない初心さ加減も微笑ましくて思わず指差して笑いたくなる。そろそろこの演技も飽きたし、大学に行ったらスッパリ縁を切って元に戻ろう、と思っているが、果たして……。


26番 水橋 奈々枝(みずはし ななえ)♀ 5月

正義のスーパー戦隊所属。ピンク。ケセラン様のせいで一度死んで蘇った。テニス部のマスコット的存在。元気で可愛い。性格も可愛い。下の学年の子からも、影でコッソリ「ななちゃん」呼ばわりされている。本人は気にしていない。あまり上下関係にうるさいと雰囲気悪くなるからねぇ、と笑って許している。

 容姿に反して悪趣味。ぶさかわいいキャラクターグッズを集めている、と本人は言うが、友人からは不気味キャラクターグッズのマニアと思われている。

 スーパー戦隊ものは見ないで育ったので、イマイチ設定が理解できない。「何で赤が男の子なのー?」くらいの知識のなさで、ピンクのポジションも分かっていない。


27番 村山 光(むらやま ひかる)♂ 12月

 普段は冴えなくて気の弱い男子。しかしてその正体は、実力派の鬼。かつて篠崎さんの曾お祖母様の杏さんに捕らえられ、退治される代わりに仕えることになったのだが、いつのまにか憎い敵であるはずの彼女に本気でほれ込んでしまった。結局彼女と結ばれる事は叶わなかったが、生まれ変わってまた逢いましょうという約束を真に受けて、篠崎家をずーっと守り続けていた。ある意味、それは世代を超えたストーカー行為の域。

 篠崎さんが杏さんに生き写しなので、彼女こそが生まれ変わりだと思っているのだが、色々違うところがありすぎて「ただ似てるだけの別人か?」と考え込む事も多々ある。けれども馬鹿な子ほど可愛いというか結局絆されてしまった。惚れっぽいだけかもしれない。


28番 向原 悟(むこうはら さとる)♂ 9月

 吸血鬼の花嫁。(ここがポイント)

 幼稚園児の頃に貫井さんに目をつけられ、もともとぽーっとした少年であったためにうまい具合に言いくるめられ、彼女に永遠の愛を誓ってしまった。後悔はしていない。

 高校を卒業したら貫井さんに眷属として迎えられて、そのまま駆け落ちする予定。ゆえに内申点も成績も、人間関係も何もかもどうでもいい。そもそも貫井さんと出会って以来慢性的に「原因不明の」貧血なので、あまりうるさく言われなかったのも彼が無気力に育ってしまった一因である。

 最近の悩みは、貫井さんが盛沢さんと浮気(言いがかり)すること。でも耐える妻。


29番 米良 桃果(めら ももか)♀ 1月

 いわゆる腐り気味の女子。ノーマルから同性もの、ほのぼのから鬼畜系、少女漫画からロボットアニメまでなんでもいける。ちょっと面白いところがあればなんにでも飛びつくので、漫研仲間からは無節操と思われている。

 漫画やアニメから聞きかじった知識でうんちくを語ることもあるが、それはその作品独自の解釈である、とされていることも一般常識だと思っている。あるゲームの影響で神様の名前をたくさん知っている事が密かな自慢だが、ギリシャ神話も北欧神話もキリスト教の天使の名前も全部ごたまぜ。でもゲーム上でのステータスは事細かく頭に入っている。両親からは脳みその無駄遣いと怒られるが、不思議と勉強は頭に入らないので仕方ない。


30番 盛沢 久実(もりさわ くみ)♀

 とにかく脇役。惜しい所まで行くけどチャンスを見逃しやすくてやっぱり脇役。彼女は皆様の心の中にいます……。


31番 山岸 貴史(やまぎし たかふみ)♂ 10月

 困ったクセをもつ幼馴染の女の子に振り回される可哀想な男の子そのに。手越さんの趣味には、もう一生付き合い続ける覚悟ができた。親友の平井君の努力を生ぬるい視線で眺めつつ、彼女の気に入りの漫画を徹底的に研究する日々。でも残念ながら、彼女の好む漫画の男性キャラはいけ好かないかっこつけヤロウばかりで、自分がなりきれそうなキャラがいないなぁ、とガッカリしている。一縷の望みを託して格闘漫画とかスポ根漫画なんかを彼女の部屋にそっと置いてくるのだが、全部資源ゴミに出されて悲しい。

 最近手越さんがやたらと盛沢さんの話題ばかりするので、とうとう百合モノの漫画に手を出されたらどうしようと戦々恐々している。


32番 由良 明子(ゆら あきこ)♀ 7月

 魔女っ娘。妖精の女王親衛隊3の騎士、フェアリーピーチ。テーマカラーはピンク。家庭的で優しい性格の子、のはずだが敵をやっつける時には情け容赦が無い。蹴り技がどんどん上手になってきている。最初は戦う事に抵抗があったはずなのだが、流行の格闘系エクササイズだと自己暗示を掛けている模様。おかげで楽しくなってきた。

 趣味は料理及びその道具を集めること。良く砥がれた包丁をみるとうっとりする。彼女の家のキッチンはプロ仕様。最近は更に食に対するこだわりが募ってきて、麺類も粉から作る。いずれは粉を挽くところから作りたいなぁ、とか本気で考えている。(特にお蕎麦)

 そんなに料理が好きなのに、なりたいものはツアーガイド。趣味と仕事は分けるタイプ。


33番 竜胆 宗太(りんどう そうた)♂ 5月

 正義のスーパー戦隊所属。ブラック。ケセラン様のせいで一度死んで蘇った。古くから続く剣道道場の跡取り息子。幼い頃から祖父に剣道と、武士道とはなんぞやという精神論を叩き込まれて育った。父親は剣道よりも本が好きで、道場に古書店を併設して商い始めたがあまり軌道に乗っているとは言いがたい。祖父の教育の賜物か、全体的に古風な子。恋愛観も古風。お年頃の男の子らしい欲求もあるのだが、盛沢さんを神聖視しすぎていて、そういう考えを抱く事自体に罪悪感を覚える。

 盛沢さんが光山君と良い雰囲気(誤解)になっているのを見て、自分の出る幕じゃないなと思いながらもやっぱり気になって仕方が無い。


キュピル(きゅぴる)♀?

 春の妖精。多分、齧ると甘い。

 女王の側近候補のトップ。想像しがたいほど暢気な妖精の国の中では気が利くほうで、かなり優秀。しかしせっかちな現代日本人と比較するとお話にならない。 

 その時の気分を何でもかんでも適当な歌にしてしまう。いつか自作のアルバムを作るのが夢。


クローバーさん(くろーばーさん)♂

 『Nobody』という組織の幹部。気まぐれで短気。すぐに銃をぶっぱなす。

 遺伝子をいじって超能力をもったクローンを作り上げる、というプロジェクトにおける失敗作。身体能力の向上はあったものの、他の幹部達のような異能は持たない。故に、常にアイデンティティークライシスと戦っている。


ケセラン様(けせらんさま)♂?

 どこかの星からやってきた宇宙警察。本人は絶対認めないが、所謂左遷扱いで辺境の星を次々と渡り歩き、とうとうこれ以上ないというほど飛ばされた結果が地球担当。

 実はよく見ると申し訳程度に手足がある。けれども彼をよく見る人などいないので、手足の存在に気付いてもらえない。


葉月 千晶(はづき ちあき)♂

 葉月 千賀子さんの弟。中学生。並べて同じ服を着ると両親でさえ間違えるほどそっくりで、姉のわがままに付き合ってたまに入れ替わっている。

 お蔭で姉の恋人との仲を噂され、疑いを晴らすために彼女を作ろうと焦って適度に好みだった盛沢さんに告白してみたものの、幼馴染のルミちゃんと心が通じ合ったのですぐにどうでもよくなった。恋人ができたとたんに調子に乗るタイプ。うざい。


フィフィーちゃん(ふぃふぃーちゃん)♀

 穂積さんが召喚された遺跡を所有する国の王族。正しくはフィフィーナ。真珠色でくるくるの巻き毛をした愛くるしい幼児。天使そのものだった。王様の末娘(!)にあたる。

 ユーシウス殿下が起こしたクーデターにより軟禁されるものの、穂積さんの働きで解放され、以降彼女に仕えることになる。初恋の人は「月の騎士様」。憧れの人は「もう一人の月の巫女姫」。


保健室の先生(ほけんしつのせんせい)♂

 宇宙征服を企んだかどで犯罪者として追われる身となり、一族ごと地球に逃げてきた宇宙人の子孫。とりあえず何かを征服してみたい、ただその一心で計画を立てたものの、そのあとどうやって運営するのか全く考えていない。お勉強はできるが頭は悪い典型例。

 信楽焼きの狸によく似ている。


穂積さんとこの王様(ほづみさんとこのおうさま)♂

 穂積さんが召喚された遺跡を所有する国の王様。悲観主義で、物事は必ず最悪の状態で終結すると信じていたため、穂積さんの脱走はある意味想定の範囲内であった。しかしスペアの盛沢さんにまで逃げられたのは想定外で、ショックで倒れてしまう。

 その隙に孫のユーシウスにクーデターを起こされ、離宮に愛妾達と共に軟禁されるが、おかげでストレスから解放され元気になった。結果、世界の長寿記録を塗り替え、大往生。


穂積さんの旦那様(ほづみさんのだんなさま)♂

 どこか遠くの世界から召喚され、「太陽王」とまつりあげられた人。もともとの世界でも王族で、ちょうど後継者争いの戦争真っ最中であったのだが、帰れないのでは仕方ないと早々に割り切って新しい世界に順応した。

 そこで覇王道を突っ走るつもりだったのに、穂積さんと出会ってふぉーりんらぶ。彼女を女王に据え、自分はその補佐役におさまった。ほぼ恋の奴隷状態。


リリア姫(りりあひめ)♀

 フォレンディアの姫君。三女。天真爛漫で細かい事を気にしない。人の言う事はあまり聞いていない。大抵が生返事。「だめ」といわれた事も平気でやってしまい、あとから「あれ、いけなかったの?」と言うタイプ。

 生まれつき魔法の才がとびぬけており、無意識に力を使ってしまう。一番の悩み事は、寝相が悪く寝ている間に宙に浮いている事。


ルミちゃん(るみちゃん)♀

 葉月(弟)の幼馴染。気が弱く(自称)いつも言いたい事の1/3も伝えられない。代わりに口達者で気の強い親友二人が勝手に話を進めてくれるので、不自由した事はない。

 葉月(弟)とくっ付いたが、実は彼氏がいた。その彼氏に別れ話をしたのも親友二人で、本人はずっとうつむいてぐずぐず泣いていただけ。基本的にズルイ。


ルビア姫(るびあひめ)♀

 フォレンディアの姫君。次女。自分に厳しく他人に厳しい、キリっとした人。完ぺき主義者で、若干ヒステリック。「女の身で……」と陰口を叩かれるたびに男に生まれていればと悔しがっていたが、光山君に恋をしてからは考え方が変わった。

 結局失恋してしまったが、恋敵の盛沢さんに対しては憎しみなどなく、「なるほど、あのように一見頼りなさそうなのに気が強い、というのが有利なのね」と感心している。


レミア姫(れみあひめ)♀

 フォレンディアの姫君。長女。次期女王様。おっとりしているが、行動力はある。

 実は幼い頃から隣国の王家の次男と婚約しており、「宰相様のご婚約」を機に結婚式の準備が着々と進行中。恋愛感情はないけれど、これも運命かと受け入れている。

 妹たちがどうも「一般的な姫君」から外れている事が悩みの種。ルビア姫が狩猟会に参加したり、リリア姫が窓から外へ飛んで行ったりするたびに眩暈がする。


ユーシウス殿下(ゆーしうすでんか)♂

 穂積さんが召喚された遺跡を所有する国の王族。王様の長男の第一子。自分のことを野心と才気に溢れていると勘違いしている。

 側近たちに唆されてクーデターを起こしたのは良いものの、親族に手を掛けるほどの非情さはなく、全員軟禁に留めた。やがて穂積さんの軍隊に制圧、追放され、あてどなく彷徨ううちに小さな村の宿屋の娘と恋に落ち、結婚。宿の仕事にも慣れ、気性も穏やかになった。現在8歳になる双子の女の子の父親。名前はそれぞれマリ、クミ、という。


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