タイムファクトリー・アーム01
「これは推論なんだが……」
正しい情報を渡す者と、間違った情報を渡す者がいる。この二つは完全な別口、言い分を比較するなら対立しているといっても過言ではない。どちらの勢力が言い分を通して押し切るかの勝負、読み取り能力に合わせた発信を繰り返して標的を誘導する。ここで、情報が極端に限られた場合、アプローチが巧みな者が必ず優位に立つ。いくらでも素材があるというのならいくらでもしのげるが、材料そのものがないとなれば必ずすり減っていく。そういうデッドレースなのではないか。
だがその事態がすべて偶然を装っているがゆえに、「なぜこうなっているのか」という重要な情報が見えていない。ここまでタイミングが符合してもまだ何かの不安定要素が「そんなわけない」という制動をかける。仮にそうだったとしてこれはある種の脅しなのだからこちらが協力するというのはおかしな話、殺してくれと鷲巣巌にドラを鳴かせるような行為だ。相当無理のある仮定を繰り返して「強要されている」と結論した後もあまりにも荒唐無稽なので「そんなわけない」の材料にしかならない。
そんな話を同僚としていたら、昼休みが終わった。さて、仕事だ。時間流に浮かぶ町工場は、この仕事何?がわからないまま進めている。こだわろうと思えばどこまでもこだわれるものなので、逆に見積もりが出せなくて困っている。これ、何に使うんだろう。




