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想像の国のゼンパンク  作者: Kikuchi
プロローグ
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プロローグ

 その紫色の(かたまり)は、宇宙の闇を漂っていた。

 どこから来たのかも、どこへ向かうのかもわからない。

 ただ、気が遠くなるほど長い時間、無限の空間の中を流れ続けていた。


「それ」は、たくさんのことを経験した。

 無の中で揺蕩(たゆた)うだけではなく、地球という惑星で生を味わったこともあった。

 ある時は青い空の下で笑い、ある時は果てのない銀河のどこかで一生を終えた。

 幸せも悲しみも、何も感じない静寂すらも、そのすべてを知っていた。


 もう、満ち足りているのかもしれない。

 そう思った瞬間だった。


 静寂の中で、「それ」はふと揺らぎ、音もなく分かれた。

 まるで、自らの意思であるかのように。

 まるで、決められていた運命であるかのように。


 紫の塊は、赤と青のふたつに分かれた。


 生まれたばかりの二つの光は、まっさらな心で宇宙に目を開いた。

 過去の記憶も、数えきれない旅の記憶も、もう何も持たない。

 ただ、おぼろげに感じるものがある。


 いつか、どこかで、また巡り逢うのだろう――。


 そう確信するように、二つの塊は、静かに宇宙の波に流されていった。

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