僕の夢
36歳の会社員である、僕。
毎朝ぎりぎりに家を飛び出し、満員電車に揺られて職場へ向かう。
仕事は、嫌いではない。
だがしかし…同じ景色の中をただ歩いているだけのような気がしていた。
そんな、ある日。
ふとした拍子に「最近、夢を見ていないな」と思った。
その夜、久しぶりに早く帰った僕は、缶ビールを一本だけ開け、ぼんやりと天井を見つめた。
子どもの頃は、宇宙飛行士になりたいとか、小説を書きたいとか、いろんな夢を語っていたというのに。
いつの間にか…胸の奥にしまい込んでしまったな。
昔の出来事を思い出しているうちにビールが進み、ついつい…飲み過ぎてしまったらしい。
気づけば、眠りに落ちていた。
翌朝。
目を覚ますと、枕元に…メモ帳が置いてあった。
開かれたままになっているページを見ると、見覚えのない文字列が並んでいる。
そこには、未来の自分へ向けたような言葉が綴られていた。
「まだ間に合う、諦めるな」
「小さくてもいいから、夢を持て」
「一歩でいいから、前に進もう」
酔って書いたのか、寝ぼけて書いたのかは…分からない。
読み返すほどに、胸がじんわり熱くなるのは…なぜだろう。
僕はその日、久しぶりに早歩きで駅へ向かった。
……大きな夢じゃなくていい。
何かひとつ、今日から始めてみよう。
メモ帳をポケットにしまいながら、僕は小さく息を吸い込んだ。
昨日より、少しだけ…、前を向けた気がした。




