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ダレカ・ダレカ・ダレダレカ  作者: たかさば


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18/20

誰かの噂

人の姿を得た、ぼく。


かつて風のように漂いながら眺めていた場所、量販店に通うようになった。

今では足音を響かせ、棚の間を歩くこともできる。

…それだけで、世界が少し違って見えた。


ある日、バックヤードの近くを通りかかったとき、従業員たちの声が聞こえた。


「最近さ、見慣れない人がいるよね」

「ああ、あの静かな人?」


ぼくのことだった。

胸の奥がくすぐったくなるような、不思議な感覚が広がった。


人の姿を得たぼくは、いつの間にか“誰かの噂”になっていた。


噂されるのは…不思議だけれど、嫌ではなかった。

噂は少しずつ形を変えていった。


「あの人、前にも見た気がする」

「いや、急に現れたんだよ」

「でも、なんか落ち着くよな」


ぼくはただ店内を歩いているだけなのに、誰かの記憶の中で、ぼくは別の姿をしているらしい。

人間たちの想像は、風より自由だ。


夕方、店内に、気になる音楽が流れた。


あの日、ぼくを人にした歌に似ている……。

ぼくは立ち止まり、そっと耳を澄ませた。


「あの人のお弁当ね、キャラ弁だったの…」

「知ってる?この人近所に住んでたらしいよ…」

「そう言えば今話題の小説がさあ…」


歌に混じって聞こえてくる、僕の知らない、誰かの噂…。


その中に、名もないぼくの物語が混ざっていると思うと…、胸の奥が静かに温かくなる。


ここは、ぼくが初めて“居場所”と呼べる場所なのかもしれない。

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