表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダレカ・ダレカ・ダレダレカ  作者: たかさば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/20

あの人の後ろ姿

 とある、量販店。

 今日も、年齢も性別も違う従業員たちが、慌ただしく働いている。


 開店前、とあるフロアを歩くと、棚の影にひっそりと立つ一人の後ろ姿が目に入ることがある。

 誰もが「あの人」と呼ぶが…、名前を知る者はいない。


 ある日、レジ担当の青年がふとつぶやいた。


「あの人、いつも同じ時間に同じ場所にいるよな」


 すると品出しの女性が首をかしげて言った。


「でも、話してるところ見たことない」


 確かに、あの人はいつも静かに棚を見つめていて、声を聞いた者はいないらしい。

 噂が広がりはじめ、従業員たちは自然とその後ろ姿に目を向けるようになった。


 背筋はまっすぐで、動きはゆっくり。

 まるで何かを探しているようにも、何かを待っているようにも見える。

 誰かが勇気を出して声をかけようとすると、不思議といつの間にか…姿が消えている。


 ある日、閉店後に青年がふと振り返ると、あの人が出口の方へ歩いていくのが見えた。


 気まぐれに追いかけてみたところ、エレベーターの角を曲がった先には…誰もいなかった。

 ただ、整えられた棚だけが、そこにあった。


 そんな事があった翌朝も、従業員たちはいつものように働き始める。


 ……あの人の後ろ姿は、今日もどこかで見られることだろう。


 誰も知らない、物語を抱えたまま。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ