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ダレカ・ダレカ・ダレダレカ  作者: たかさば


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12/20

あの人の声

 とある量販店には、年齢も性別も違う従業員たちが多数働いている。


 開店前のフロア。

 まだ静けさが残っている、店内。


 バックヤードで、誰かの「おはようございます」という声が響く。

 その声をきっかけにして、眠そうだった空気が少しだけ動き出す。


 ある日、レジ担当の青年が、ふと…つぶやいた。


「あの人の声、なんだか落ち着くんですよね」


 彼が指さしたのは、普段は目立つことのない、品出し担当の女性。


 確かに、彼女の声は大きくないのに、不思議とよく通る。

 染みわたるような、穏やかな声。

 心が癒されるような、優しい声。

 誰かが困っていると、そっと寄り添うように声をかけるのも印象的だった。


 従業員たちは、互いの“声”について、話し始めた。


 元気いっぱいのパートさんの声は、忙しい時間帯の励ましになるねと。

 新人のぎこちない声が、少しずつ自信を帯びていくのがうれしいと。

 ベテラン社員の低い声は、トラブルのときに不思議と安心感を与えてくれると。

 スポーツ用品担当のアルバイトさんは、放送の時だけ人気アーティストそっくりの声になると。


 店の中には、それぞれの声が織りなす…調和とリズムがあった。


 誰かの声が誰かの支えになり、誰かの声が誰かの背中を押す。

 そんな小さな連鎖が、慌ただしい日々を少しだけ優しくしてくれる。


 ……今日も量販店には、さまざまな声が響いている。


 それぞれの声が、それぞれの物語を…抱きしめながら。


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