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ダレカ・ダレカ・ダレダレカ  作者: たかさば


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10/20

僕の長期休暇

 ごく普通の、36歳の会社員だった僕は、ある日突然…会社を辞めることになった。


 理由はいくつかあったけれど、一番大きかったのは…自分の気持ちがもう追いつかなくなっていたことだ。辞表を提出した帰り道、冬の空はやけに広く見えた。


 翌朝自然に目を覚ました僕は、目覚まし時計が鳴らない静けさに驚いた。


 布団の中で…しばらく天井を見つめる。


 ……今日からしばらく、僕は自由だ。

 そう思うと、胸の奥がふわりと軽くなったような、逆にどこか不安なような、不思議な感覚が入り混じった。


 午前中、散歩に出てみた。

 平日の街はゆっくり流れていて、働いていた頃には気づかなかった景色がたくさんあった。


 公園のベンチに座り、缶コーヒーを飲みながら、僕は「これからどうしよう」とつぶやいた。


 焦る必要はないと…分かっている。

 しかし、未来の形が見えないのは…やっぱり、少し、怖い。


 とぼとぼと歩いて家に戻ると、机の上の「ゆめノート」が目に入った。


 子どもの頃の字で書かれた「おとなになっても、わらっていたい」の文字。

 その一行を見て、僕は小さく息を吐いた。


 そうだ、今はまず…、笑おう。


 立ち止まったって、いいじゃないか。

 長い休暇を手に入れたのだから…、ゆっくり、考えよう。


 これから何をしようかと、静かに思いを…巡らせる。


 急がなくていい。

 少しずつ、自分の歩幅で決めていけばいい。


 そうだ、まずは…気負わずに働ける場所でも、探してみようかな?


 近場で、すぐにでも働けそうなところは……。

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